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召喚されて15年が経った。

本当に中流貴族の肥満児どもが痩せてしまってちょっと悔しい。

民衆の中では、一部の商人

太り始めた。

低賃金労働者の奴隷の様な働きによって農地は拡大し、小麦粉や米、砂糖の値段は下がり続けているものの、末端まで行き渡るのはまだまだ難しいか。


日本にしても、武士が米で給料もらってたからそれを商人に売って換金したため江戸では米がいっぱいあったが、農村や日本人全ての末端まで白米を食べる様になったのは戦後だ。


それに比べれば、早いペースだろう。

というか、早すぎる。

11年目の時にたまたま10人を超えるお得意先の方々が集まって居たので、闇取引街で小さなパーティーをした。

俺も出席していて、その時今後の展望について話あったのだが。

多分これ足並みそろえて皆んなヤってるよ。


金持ち喧嘩せず。




現在勇者ハーレム総数48人。

某アイドルグループは48人じゃないけど48らしいが。

ともかく、この48人は初期メンバーが2人しか残って居ない。

どちらも長命種の種族的中立魔族だ。つまり見た目がまだ若い。


エルフの姫君は卒業したらしい。

あれもやはり、元の教育が良かったのだろう。

若い頃どんなにバカをやったセレブでも、本当に馬鹿なわけではない。

やがて元の場所に戻る。

それは幼少時の環境や教育がどれほど大切かという事でもある。

よっぽどの事がなければ人間変わらないものだ。

勇者はよっぽどの事ではなかったらしい。


なんだろう。

オーディションでもしてるんだろうか。


ナントカ商法はまだ時期尚早かと思っていたけど、いけるか?





薬はまぁ売れているらしい。

だが、上流貴族にはあまり売れない。

そもそも病人が居ない。


人口は増加を続けている。

色んな街で子供が増え、都市化も進んでいる。

小規模な商店が増え、第一次産業の担い手になりたいという人は減り、食べ物を全て買う事で賄うヒトの数が増えてきた。

都市の中の緑地は減り、かつて城郭の外にあった畑は潰されて都市拡張の更地にされた。

競争力を持たない街が潰れて流民が各都市に流入している。安い労働力として使われ、経済を支える。

遠くで大量生産された食料を輸入する事で街の食料を賄う様になってきた。その方が安いからだ。

これは良い傾向だ。

自分で自分の食事を用意できないヒトが増えるわけだから。

食料を握れば、まるごと奴隷だ。

それに、それだけ豊かになったという事でもある。

人口自体が経済に与える影響は大きい。

そして、その人々が働いて、モノを増やし、それで得たお金を巻き上げる。


「ロウ、連絡係にコレお願い」

俺はいくつかの手紙をロウに渡した。

それぞれ、山が多い地域の国のお得意先宛だ。

「今度は何をするつもりなんですか?」


手紙の宛先の国々で、新しい領地がいくつも誕生したり代変わりした。

それらは耕作に向かず、山がちでヒトが住むのが困難な地域だ。鉱物資源も得に無い。

それぞれ貧乏貴族が使えない広い土地を押し付けられたと言われているが、その裏にいるのはお得意先さん達で間違い無いだろう。


食べ物はまぁ押さえた。

水も押さえておかなければならない。

水源地を押さえさせたのだ。


南部のそれほど豊かでは無い土地に農場が生まれた。

未だ増え続けている家畜のウンコと、勇者が持ち込んだ『ポンプ』のせいだ。

真空型ではなくスクリュー型が灌漑風車で使われているが、それはどこから出てきたんだろうね。


だから、これからは水も売り物になっていく。



俺はただの橋渡しをしているだけだが、それで皆の足並みが揃っている。

彼らが闇取引街に詰めている時間が伸び、それによって、多くの同階層のヒトが交流するようになった。


参加していない王族貴族などもこれには気付いているだろう。

だが、手を出せない。既に奴隷になっている。

いや、元から奴隷だったのだ。

支配階層は昔からあったのだから。



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