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序章
時には、閉ざされた心に灯りを灯し、
時には、昂ぶる心に安らぎを与える。
空は、人の心を映し出す鏡。
世界中にどれだけ多くの人が息づいていようとも、
全ての思いを一身で受け止めて描き出してくれる。
あまりにも広大なスケッチブック。
だから人は青空を仰いで勇気を貰い、
夕焼けを仰いでふと涙ぐみ、
漆黒を仰いで自らに話しかける。
それは悠久の時を経ても、変わる事のない人の営みなのかもしれない。
これは、無限大に広げられたページに描かれている
ほんの1ページに過ぎないお話………