8007E列車 エグい
小学校2年生の春。まだ春休み期間中で学校は始まっていない。
「ナガシィ。ゲームでもしない。」
と坂口ちゃんが持ちかけてきた。
「ゲーム。ゲームするのはいいけど、どんなゲームするの。」
「これだけど。」
坂口ちゃんはそう言うと、ゲームのソフトを取り出した。ゲームはデュエルモ○スターズだった。
「ナガシィ君このゲーム知ってる。」
磯部ちゃんが話しかけた。言っていなかったけど、今この場には坂口ちゃんのほかに磯部ちゃんと端岡ちゃんもいる。
「えっ。知ってるけど。」
「けど何。」
「あんまりこれやったことないんだよなぁ・・・。その前に僕PFP持ってないし。」
「持ってないなら私の使っていいから。貸してあげるよ。」
「いいの。」
「いいって。ルールわかるよねぇ。」
僕はその坂口ちゃんの問いにうなずくと、坂口ちゃんは持っていた二つ目のPFPを僕に貸してくれた。そしてやろうということになった。
さすがに始めてやるゲームだ。何が何だかわからないというのはある。しかし、ソフトは駿兄ちゃんが持っているのを知っていたので貸してもらった。この中には自分が勝手に気に入っているデッキがある。
「まずは、ナガシィのやるところ見るんだな・・・。」
そういってみんなして僕のPFP画面を覗き込んだ。
ゲームがスタートする。僕は何となくという感じでこのゲームのことを理解している。
「えーと。じゃあ、カード2枚セットしてターンエンド。」
これはゲームが言うのだから自分でいう必要がないのだが、言ってしまう。これは自分が覚えるためでもあるのかなぁ・・・。実際覚えられないんだけど。なんか言っているとアニメを見ている感じになっていいのだ。
「よし。フィールドに揃った。」
「ナガシィ何召喚する気。レベル4が3体ならエクシーズっていうのはわかるんだけど。」
「あれじゃないの。」
「えーと。合った。3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。あらわれろ。No(ナンバー○).32。海○竜。シャーク・ド○イク。」
「えっ。シャーク・ド○イク。」
「ナガシィ。顔に似合わず結構エグいモンスター使うんだ。」
「そうかなぁ。まぁ、まずはこれで、あの伏せカードが気になるから破壊しとくでしょ。でもって、アタック。」
「・・・。」
「効果発動して、もう一度アタック。デプス・○イト。」
(なんかふつうに勝ったし。)
「ねぇ。今日全員PFP持ってるよねぇ。やろう。全員で。タッグデュエルでもしない。」
磯部ちゃんがそう持ちかけた。
「ナガシィ君はどうなの。タッグデュエルする気ある。」
「えっ。」
「あるってことね。」
まぁ、僕の言い分は聞きたくないらしい。まぁ、嫌と言ってもこの場合はすることになっただろう。ということで、僕は坂口ちゃんと組み、磯部ちゃんと端岡ちゃんで組むこととなった。これでデュエルをしたのだけど、タッグデュエルしたことない人だから、よくわからないというのが現実だった。少し坂口ちゃんの足も引っ張ってしまって、追い詰められ気味になってしまった。
「ナガシィ。どうにかしてよ。」
「わかってるけど、どうにかできるかなぁ・・・。」
そこが心配だった。
「あっ。なんかいいカード来た。じゃあ、俺は手札からマジック発動して、フィールド全部水属性のモンスターで覆い尽くすね。そして、このうちの3体をオーバーレイして、エクシーズ召喚。でろ。シャーク・ド○イク。そして、フィールドに残ったモンスターが水属性だから、手札から効果発動して、これ召喚するね。でもって、まだ通常召喚やってないから、これをフィールドに出すね。で、これの効果発動して、フィールドのモンスター全部同じレベルにするね。」
「またエクシーズ召喚。」
磯部ちゃんがつぶやいた。
「俺はフィールドのレベル4。すべてのモンスターをオーバーレイ。4体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。現れろ。CNo(カオスナンバー○).32。海○竜シャーク・ド○イク・バイスゥ。」
「ゲッ。」
「シャーク・ド○イク・バイスの効果発動。オーバーレイユニット墓地に送って、自分の墓地に眠るモンスターを選択。ゲームから除外して、相手フィールド上のモンスターの攻撃力をその攻撃力分下げる。さらに、シャーク・ド○イク・バイスの残ったオーバーレイユニットすべて使って、墓地のモンスターを3体選択。そして、3回そのモンスターの攻撃力分、攻撃力を下げる。そして、フィールドに守備で出したシャーク・ド○イクを攻撃表示にしてマジック発動。攻撃力2倍にして、シャーク・ド○イクでアタック。デプス・○イト。」
「・・・リバースカードオープン。」
「マジック発動。それ破壊。やれ。シャーク・ド○イク。・・・シャーク・ド○イクの効果発動。オーバーレイユニットひとつ使って、もう一度アタック。デプス・○イト。そして、最後にシャーク・ド○イク・バイスでダイレクトアタック。」
「エグい。」
「勝ったよ。」
「・・・そ・・・そうだね・・・。」
ゲームが終わるとみんな唖然とした顔になった。
「どうかした。」
「いや、どうもしないけど・・・。なんか・・・ねぇ。」
「うん。顔に似合わず本当にエグい戦術だな。」
「すごいなぁ・・・。なんか本性を見た気がした。」
「うん。最後は本当にエグいと思った。攻撃力5600で2回攻撃するなんて。」
「そして、止めの一撃は2800のダイレクトアタックかぁ・・・。萌ちゃんいなくても勝てたんじゃないの。」
「そうかなぁ・・・。」
そういって坂口ちゃんのほうを見ると、坂口ちゃんもうなずいていた。
今回は遊戯王ZEXALに登場したモンスターを使わせていただきました。知っていらっしゃる方は登場したモンスターがなんなのかわかると思います。なお、ルールはできるだけ則させたつもりですが、実際にはできないかと思われますので、その点はご了承ください。
この会は本当に謝罪の回と思われます。勝手に作中に登場させてしまい、申し訳ありませんでした。