表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

8002E列車 遊んだ日

話数番号は8001からスタートしていますが、8000話これの前の話があるわけではございませんので、ご安心くださいませ。小学校シリーズは番外編として投稿しているため、列車番号は「臨時」を意味する8000の桁を使っているまでです。なお、E列車シリーズと小学校のEの関係はありません。ちょうどEだっただけです。

 それからというもの僕は坂口(さかぐち)ちゃんと話すようになっていった。それが最初となって、だんだんとクラスのみんなと話すようになっていったけど、みんなと遊ぶというのにはまだ時間がかかると思われた。

「ねぇ、永島(ながしま)君は外で遊ばないの。」

坂口(さかぐち)ちゃんが聞いてきた。

「えっ。だって・・・。外で遊ぶのはちょっとねぇ・・・。」

「ちょっと何。」

「・・・。何か楽しいことでもあるの。」

「あるよ。ねぇ、みんなで遊ぼ。」

「・・・。」

今日も結局断ってしまった。だけど、なかなか諦めない人もいる。

「そんなこと言って。一人でダラダラ過ごすのがいいんじゃ体がいつか壊れるよ。」

といったのは磯部(いそべ)ちゃんだ。

「別に・・・。体が壊れるなんてことはないと思うよ。」

(まぁ、頭はもう壊れてるかもしれないけど・・・。)

「ほら、早く行こう。外に。みんなと一緒に遊ぼうよ。」

と言って、磯部(いそべ)ちゃんは僕の手を握った。そして、そのまま僕を引きずって連れて行こうとする。

「えっ・・・。あっ。ちょっと。・・・ねぇ・・・。」

「・・・。」

(もえ)ちゃん。(もえ)ちゃんは来ないの。」

「あっ。ちょっと待って。」

というわけで、外に連れてこられたわけである。外に連れてこられると今まで眺めるだけで終わっていた物が全部大きく見えた。って、それは当然かぁ。僕は身長がみんなより(男子の中だけでいえば)ないから・・・。というか僕の身長は坂口(さかぐち)ちゃんと同じぐらい。磯部(いそべ)ちゃんより少し高いというだけ。わかるとおり、僕は女の子クラスの身長しかない。

「何して遊ぶ。かくれんぼでもする。」

「・・・。」

「かくれんぼはよくしてるしなぁ・・・。」

端岡(はしおか)ちゃんも加わっている。

永島(ながしま)君は何して遊びたいの。」

「えっ。何してって・・・。うーん。ただ電車を眺めていたいだけかなぁ・・・。」

「そう・・・。でも、ここには近くに電車走ってないし。」

運動場の中心からあたりを見回す時が結構生えているところにタイヤの跳び箱みたいなものが置いてあることに気が付いた。あれで遊ぶのは初めてだけど・・・。

「・・・あっ。じゃああのタイヤでも行かない。」

「よしっ。行こう。」

それでタイヤのところに向かった。

「うわぁ。近くで見ると大きいね。」

坂口(さかぐち)ちゃんがそう言った。僕たちはいるのはウサギ小屋にいちばん近いタイヤ。結構大きな車に使ってたタイヤかなぁ・・・。半分埋まってるとはいっても僕たちの身長ぐらいの大きさがあると思う。

「よっ。」

僕はタイヤの上に上った。

永島(ながしま)君危ないよ。」

端岡(はしおか)ちゃんがすかさず止める。

「大丈夫だよ。これぐらいいつも家の近くの河川敷でやってるから。」

「河川敷・・・。」

僕の家は天竜川に近い。河原まで行くには堤防を一つ越えればいいだけ。堤防の草ぼうぼうの時期に突っ切っていくのは癪だけど、河川敷までは1分かからない。それほど近い所に住んでいる。

永島(ながしま)君の家天竜川に近いもんね。」

坂口(さかぐち)ちゃんのそういう声を聴いて、

坂口(さかぐち)ちゃん僕の家がどこにあるか知ってるわけ。」

「うん。あのおっきな家でしょ。」

たぶんあたってる。

「へぇ。永島(ながしま)君の家そんなに大きいんだ。一度行ってみたいなぁ。そんな豪邸。」

「豪邸って・・・。豪邸じゃないよ。」

永島(ながしま)君。今度の日曜日さぁ。永島(ながしま)君の家遊びに行ってもいい。」

「えっ。・・・いいけど。」

「やったー。ねぇねぇ、全員で遊びに行こう。クラスの人全員誘って。」

「そんな人数で行ったら永島(ながしま)君迷惑じゃない。」

「さすがにクラス全員はやめてよね。磯部(いそべ)ちゃん。」

そういってから僕はタイヤからタイヤへ飛び移った。ずっとそれを繰り返した。僕は身長がないこと。痩せていることなど結構いろいろな要因で軽い。身軽な体になっている。ただ最後の飛び移りで失敗して、端岡(はしおか)ちゃんに頭から突っ込むことになった。

「だから危ないって言ったのに・・・。」

「アハハ・・・。ごめん。・・・大丈夫・・・。」

「大丈夫じゃない。」

これが(もえ)たちと初めて遊んだ日のことだった。


永島はただのバカです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ