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野原の小さな魔女  作者: 高菜あやめ
番外編1 小さな魔女のつぶやき

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小さな魔女のつぶやき

 私、カリン。西の森に住んでいる魔女です。

 このあいだ、はじめて城下町へお買い物に行きました。その時のことを書こうと思います。


 お買いものは、近所に住んでいるモズおばさんと一緒に行きました。

 モズおばさんは「そろそろ新しい服を買った方がいい」と言いました。おばさんは、私の今着ている服はみんな、そでが短くなってしまって、学校へ通うのにみっともないと言います。


 私、来月から学校へ通うことになりました。


 今まで家でお勉強してたけど、シモンズさんが「学校へ行った方がいい」と言いました。それでイシュにもきいてみたら、やっぱり学校は行った方がいいって言いました。だからおばさんにも「学校へ行こうと思う」と話しました。


 学校は少し遠いけれど、今ではだいぶホウキにも乗れるようになったから、町まで飛べます。でも他の子たちはみんな歩いて通っているって聞いたので、私もホウキに乗るのは森の外までにして、町に入ったら学校まで歩いて行こうと思います。


 モズおばさんが、城下町の仕立て屋さんに連れていってくれました。おばさんの知り合いの、太っていてやさしそうな女の人が、私の服を作ってくれました。昔どこかのお屋敷の『お針子さん』をしていた人々だそうです。

 私は、お店で売られている、もう縫いあがっている服を着るように言われました。それを私の身体に合うよう直してくれるそうです。


 一枚目は空色の服でした。えりにも、そでにも、どこにもレースがついてないのは残念だったけど、おばさんはとても良く似合うと言ってくれました。

 でも本当は二枚目に着た、ピンクのお花もようの服がいいなぁって思いました。おばさんは「学校へはもっとシンプルで、じょうぶな布地の服がいいんだよ」と教えてくれました。


 買った服は大人っぽいので、本当に似合うか心配です。ウエストに切りかえがあるからです。今までずっと、ウエストにリボンが無い、ストンとした木綿の服ばかり着ていたんです。おばさんは「学校へ行く年になったら、こういうちゃんとした服を着た方がいい」と言いました。


 来月には十四歳になります。学校行く前にお誕生日がくるので、十四歳になってから、学校へ行く事になります。

 お誕生日が来ることは、みんなには秘密です。母さんが「魔女は自分の生まれた日を、他人に知らせないものよ」と言ってたからです。どうしてなのか、よく分かりません。


 新しいドレス着て、学校へ通うのが楽しみです。

 知らない子たちがいっぱいいても、レアスも同じ学校なので少し安心です。女の子のお友だちもできるといいな。






(おわり)

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