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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

転校生が来ました

作者: ヒツジ

この小説は勢いだけで書いた小説だということをご了承ください。


8/22改

9月1日始業式の日、私のクラス(5年1組)に転校生がやってきました。

カリカリカリ…

担任が黒板に名前を書きます。

「宮原風花です。○○県(県外)からきました。よろしくお願いします」

宮原というらしい長い黒髪ストレートの女の子はペコリと一礼しました。

ちょっと緊張してるみたい…。

私は転校とかしたことないけどああいう自己紹介の時って絶対緊張するだろうなぁ。

目立つのあまり好きじゃないし。

「席は…一番後ろの川井の横に机を持ってきてあるから、あそこだ」

川井は私なので私の横になるようです。

今までクラスの人数的に考えて一番後ろの私の横は空いていたのです。

今日学校に来た時から空き机が用意されていたのでわかってはいました。

「よ、よろしくね」

宮原さんが私に話しかけてきました。

「うん、私、川井陽菜よろしくね」

私は自然な笑顔で返事できた…はずです。


宮原さんはすごく女の子した女の子でした。

特徴的な黒髪ストレートはもちろん、服装もスカート系が多く(学校は私服なのです)可愛らしい服の時が多いです。

性格も真面目で優しく人当たりがいいのですぐにクラスにも溶け込めていました。

対して私は真面目というところは似ているかもですが、髪は短めで地毛に茶色入ってるし宮原さんみたいにリーダーシップは取れないですし人見知りしてしまいます。

服も目立ちたくないからどこにでもいるような感じの服ばかり…。

ですが席が隣同士で最初にあいさつしたことが大きかったのか二人で話すことが多くなり、私たちは仲良くなりました。

何日か経つ頃にはお互いを名前で呼び合うほどに。

ただ私は風花に対して不思議に感じていることがありました。

それは…

「風花ー、今日一緒に帰れる?」

「うん、いいよー」

仲良くなって分かったのですが私たちの家も意外と近いらしく一緒に帰ることができます。

「ねぇたまには私の家来ない?今日は塾もないしいつも私が陽菜の家行ってるから…」

「風花の家…?いいの!?うん行く行く!」

私の家のほうが学校寄りにあるのでよく私の家で遊ぶのですが、私が風花の家に行くことは1度もなかったのです。

私は携帯で母さんにメールして風花の家に向かいました。

「風花の家ってどんな家なんだろう?楽しみ!」

「普通の家だよ?ほかの家と変わらない。けど…」

「? どうしたの?」

「ごめん、なんでもないよ」

ちょっと遠い…思ったより風花の家が近くなくて歩きましたが無事到着です。

展開的に実は風花はお嬢様で、でっかいお屋敷みたいな家が出てくるのかと思いましたが、そんなこともなくホントによくある一軒家でした。

ですが新築なのでめちゃ外観がきれいです。

「はじめてくるから緊張するよ~!お邪魔しまーす」

「どうぞー」

当たり前ですがやっぱり家の中もすごくきれいです。

「ここが私の部屋なの」

そして風花の部屋につきました。

「かわいいいいいいいいいーーーーー!!!」

部屋には犬や猫などの可愛らしいぬいぐるみがいっぱいあって部屋全体が可愛らしくコーディネートされていました。

きっと両親からすごく愛されてるんだろうなぁ。

「ぬいぐるみばっかりでごめんね。可愛いけどちょっと多すぎだよねこれ」

「全然いいよ!なんでこんなにいっぱい?」

「父さんが買ってきちゃうの。いまどきないよね…。それに私6年生なんだし恥ずかしいよ…」

「可愛くていい部屋だと思うよ。ホントに」

本当に私の部屋と大違いです。

そんな可愛らしい部屋で漫画や雑誌を読んだりゲームをしたりしました。

その中で今まで疑問に思っていたことを聞いてみることにしました。

「風花ってなんでいつも靴下はいてないの?」

風花は転校してきた始業式の日からこの日まで1度も靴下をはくことなく、いつも素足で上履きや靴を履いていました。

私のいる学校ではほとんどの人が靴下を穿いていて、私も毎日靴下をはいているのでそこが不思議でした。

なんだかすごく可愛らしい服を着ているのに足元がいつも素足なのでそこだけなんだか無防備な感じがしていました。

学校帰りの今も私は靴下を穿いていて、風花は素足です。

「んー…なんでかな…1年生の時から穿いてなかったしいつも穿いてないから穿いてないって感じかな。

前の学校じゃ穿いてない人もいたしこれが私のスタイルなの。あと…締め付けられるのが嫌かな。今の学校の人ってみんな靴下履いてるよね。なんで?」

なんでと言われても…。

「えー、蒸れる…から?みんな穿いてるし…蒸れるよね?」

「蒸れるよ。でも時間がたつとぬるぬるしてくるんだけどね、私はね、そのぬるぬるが気持ち良くて好きなの」

ぬるぬるが気持ち良くて好き?よくわからないです…けどなんだか興味があります。

「素足で靴穿くと気持ちいいの?」

「気持ちいいよ。授業中とか親指と人差し指をこすり合わせてぬるぬるさせるの楽しいし靴脱いだ時の解放感もすごいよ」

そういえば授業中たまに上履き脱いでたような…。

素足かぁ…。

今まで地味で個性のない私。

どこかで「このままでいいのかな?」とも考えてた。

サンダルとかも好きじゃないからこの夏もスニーカーばかりでした。

私も靴下脱いでみようかな?

「陽菜も靴下脱ごう?この学校素足の人いないから少し恥ずかしいし…陽菜も素足だったら私嬉しいな」

目立つだろうけど風香も一緒だし、大丈夫な気がしてきました。

私はその場で靴下を脱いで、ランドセルの中へ。

「やった!ありがとう陽菜!」

「これから帰る時と明日の学校の時試してみるよ…恥ずかしいけど」

そして風花の家を出るときに素足で靴を履いてみました。

うわー、すごい違和感…。

中敷きのザラザラをダイレクトに感じるし何かが足りないような違和感をすごく感じました。

ですがどことなく私は開放感をも感じていました。

私の家に着くまでにぬるぬる…とまではいきませんでしたが少し湿ったようなべたつく感じがしました。

中敷きが張り付くような感じ?

気持ちいいかどうかの答えは次の日に出そうです。


次の日。

「いってきまーす」

親に素足なのを突っ込まれたくなかったので玄関まで靴下をはいて、靴を履く瞬間に靴下を脱いで靴を履きました。

必死なのも風花のためなのです。

登校するための集合場所へと向かいます。

私の住む地域は子供の数が多いので、男女分かれて集合します。

6年生の私が班長をやっています。

「みんな来たー?」

1,2,3,4…

背伸びをして数えているときに…

「あれ~?はるちゃん靴下はいてないの?」

「ふ、ふぇっ!?」

突然の質問に変な声が出てしまいました。

質問をしてきたのは3年生の夢乃ちゃんです。

夢乃ちゃんの質問で私の足元に注目が集まるのがわかります。

「こ、これは…そう!くるぶしソックスよりも短い靴下を穿いているの!素足じゃない!」

く、苦しい…。

周りの子は「なんでそんなにあわててるの?」という感じでした。

もう私は「全員そろったから行くよ!」と強引に出発して話を終わらせました。

後ろの子たちがわいわいと歩いています。

学校までは遠くはないけど靴の中が多少蒸れてきたような気がします。

けどびっくりした…まさかいきなり突っ込まれるなんて…たぶん私顔赤いよ…。

動揺していたのでしょう、私は後ろの子たちがひそひそとしていることに気づきませんでした。

「…えいっ!」

歩きながら誰かが私の靴のかかと部分を踏みました。

「ちょっ!」

そうすると私はつんのめって靴が脱げ、こけました。

それは見事に。

「ごめーん、靴ふんじゃった☆ でもやっぱりはるちゃん靴下はいてないね♪」

私の靴を踏んだのは夢乃ちゃんでした。

ほかの子も「やっぱりー」と声を揃えます。

朝日に照らされる私の素足。

少し足が赤くなっていたような気がします。

それ以上に顔が赤くなっているであろう私は急いで靴を履き、先ほどよりもはやい速度で歩きます。

「ちょっと待ってー!」


そして靴箱まで来ました。

あの後夢乃には「二度としないで」と怒っておきました。

ちゃんと反省しているのやら…。

靴箱には登校時間のため多くの児童がいます。

靴を脱ぐのがここまで恥ずかしいと感じたのは初めてでした。

周りを気にしながら素早く靴を脱いで、床の冷たさを感じながら俯き気味に上履きに履き替えます。

何人かの視線を感じる…そう思うのは私が自意識過剰なのでしょうか。

ふと風花のスニーカーが目に入りました。

やはりいつも素足だからか中は足型に真っ黒に汚れてました。

洗ってるのかな…。

難関の靴箱を乗り越えて教室に入ります。

「陽菜おはよう!」

「う、うん、おはよう」

風花は私よりも先に来ていました。

いつもよりテンションが高いようです。

嬉しいんだろうなぁ。

風花も当然素足で上履きを履いています。

「靴下がないとなんか変だよ。あ~恥ずかしい…」

さっきの出来事は言わないでおこう…。

「どう履き心地は?」

「まだ違和感ばっかりだよ…まだ蒸れてないからかな」

「時間がたって蒸れてくればわかるよ。放課後の陽菜が楽しみ♪」


まだ9月で残暑が厳しいためか授業をこなすごとに足が蒸れてきました…。

授業中に上履きを脱ごうかとも思いましたが恥ずかしさから結局脱ぐことができませんでした。

しかも4時間目はなんと体育です。

外で今月に行われる運動会の練習をするのです。

靴箱ではそそくさと履きかえる私を見て「堂々としてればいいのに…」とゆっくりペタペタと靴を履きかえる風花は言います。

残暑厳しい中外で体育なんぞすれば当然足は蒸れます。

体育が終わっての靴箱では

「陽菜足真っ赤じゃん!」

割と大きな声で言う風花が憎かったです。


午後の授業中には上履きの中で足の指を動かしてみました。

にゅるん、にゅるん

滑るように動きます。

これが意外と楽しいし、確かに…気持ちいいかも。

しばらく私はいろいろ足指を動かして遊んでました。

私は上履きを脱いで足と足を合わせ、足全体でぬるぬるさせます。

楽しい…かも。

よく見ると私の足は白くふやけているようでした。

この様子を風花も見ていたようです。

「どうだった?」

帰り道に期待の目で風花が聞いてきました。

「意外と素足もいいかも…恥ずかしいし蒸れるけど靴を脱いだ時の解放感がたまらないしぬるぬるするのも楽しいね。明日も頑張ってみようかな」

「よかったぁ。これで本当の友達になれたような気がするよ」

風花は本当にうれしそうでした。

そのあと私の家で遊びました。

母親はパートなので二人とも素足で家に上がります。

「私たち足真っ赤だね」

「あはっ♪陽菜の足くさ~い」

「ちょっ、嗅がないでよ~、そういう風花だって…臭いよ?」

お互いに足を嗅ぎ合うという変な遊びをしてしまいました。


次の日も素足で靴を履き、家を出ます。

使っていない靴下を洗濯に出すのは罪悪感を感じました…。

集合場所にはみんな揃っていました。

みんな私の足元を見ますが何も言ってきません。

おお偉い。

今回は何事もありませんでした。

「堂々とすればいい」と風花には言われましたが、まだやっぱり恥ずかしくて靴箱では顔があげれません。

昨日はクラスの人にも「あれ、靴下は?」とか聞かれましたが今日は聞かれませんでした。

こうやって慣れていくものなのかもしれません。

しかし今日の3時間目は音楽…。

私のところの音楽室は靴を脱いで入らなければいけません。

「風花…ムリ」

「無理じゃないって!私と一緒に教室に入れば大丈夫!」

「前の風花の学校では靴脱いだの?」

「うん、みんな堂々としてたし恥ずかしがってたほうが注目浴びるよ?」

私たちは早めの時間に音楽室に行くことにしました。

上履きを脱いで教室に入ります。

上履きに覆われていた部分は赤くなっていました。

「は~るな♪」

突然風花が私を押し倒してなんと私の足を嗅いできました。

「陽菜の足…臭いよ?」

「こら!嗅がないで!ほかの子が来ちゃうよ」

「ふふ、ごめんごめん。でも陽菜の足の臭い…嫌じゃないよ」

「もう、何言ってるの…」

授業が始まりみんなが集まると

「ふにゃあ…恥ずかしい…」

座った時に足を見られないように後ろのほうへ持っていき足の指を丸めてばっかりでした。

風花のほうはむしろ足をぶらぶらさせたりしていつもどおりでした。


そんな感じで毎日を過ごしていましたが、だんだんと慣れてきて学校でも堂々といられるようになりました。

クラスでも「宮原と川井はいつも素足」というイメージがついたのも恥ずかしさをなくしたのだと思います。

ある日には登校時に一緒の夢乃ちゃんから

「見て!今日夢乃も靴下履いてないんだよ!」

と少し涼しくなってきているのに靴下を穿かなくなってしまいました。

母親にも靴下を穿いていないことがばれてしまい、「ちゃんと履きなさい」とも言われましたが、ずっと靴下を穿かないでいると諦めたようで「帰ったら必ず玄関にファ○リーズしておくこと」を条件に許してくれました。

だんだんと靴下が嫌いになっていくのが自分でもわかります。

学校がない日でも靴下を穿かなくなりました。

たまに穿くと締め付けられる感じがして落ち着かないのですぐ脱いじゃいます。

これから冬の季節、風花が素足でいる限り、私も素足で居続けると思います。

読んでいただいた方ありがとうございます。

もう少しまともなものが書けるように頑張ります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素足の表現がうまくできていて読んでいて楽しいです [一言] 続きを読みたくて、楽しみにしております。 よろしくお願いします。
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