3話
遠くから見た時には気づかなかったが、街には外との境界を示すために石の壁をぐるりと設けていた。
といってもその高さは人の腰よりも低く、おまけにその大部分が崩れて砂に埋もれているので、壁の残骸と表現する方が適当だろう。
俺を載せたラクダがその壁と壁の合間を通り過ぎる。
「そろそろ自分の足で歩くよ。」
良いタイミングにそれは思えたので俺はアリスの助けを借りつつラクダから降りることにした。
5分ほど歩いて街の往来に二人と一頭が入場する。
そこで人々が歩いているところを見て俺はなんとも言えない安心感に包まれた。
それは集団の中に帰還したことによるものなのだろう。
けど
「なんかすれ違う人達全員が俺を観察しているみたいなんだけど本当に大丈夫?」
「気にしない気にしない。」
彼女はそうは言うけれど、毎度毎度人々は俺のことを視認すると、頭のてっぺんから足のつま先までじろじろと観察を開始する。
単純にそれは物珍しさによるものなのだろうが、なにか自分が咎められているような気がして居心地が悪い。
この地で俺は外国人なのである。
「実は祭りの生贄のために俺はここまで連行された。なんてことはないよね?」
「...なにを言っているの?」
あきれた表情で返される。
「んーそれなら誰かと会話でもしてみるか。
星の子の能力とやらが本当なのかも確認してみたいし。」
どうせ彼女が実演したものはなにかのトリックだとは思っている。
けどこの街に来て俺は現代文明の成果物を未だに見ていないので、徐々にではあるが不安が募り始めている。
ここらでそれをはっきりさせよう。
「こんにちは、すごい荷物ですね。
中身はなんですか?」
俺は荷車をひいているロバを連れた青年に日本語で話しかける。
それは不意打ちのことだったので青年は一瞬身構えたが、もごもごと口を動かした後に「小麦だよ。」と返してきた。
「小麦ですかー。
へぇー、ありがとうございます。」
頭をかきながらアリスのところに戻る。
「もしかして日本語って今なにかすごいブームがきてる?」
「...そうやってずっと言っていれば?」
街の中心部に近づくにつれて建物と建物の距離が狭くなり見ていると圧迫感を感じる。
その外観も変化していて街の入口でよく見た豆腐みたいな形の家から、奥行きをずいぶんととった長方形の建物が通りで林立していた。
中をのぞき込むと人が住む場所ではどうもないらしく、床にはなにも張らずに地べたのまま。
あとは背の高い沢山の棚が少しの隙間でも許せないのか室内にぎっしりと並んでいる。
そんな無機質な空間を間借りするみたいに家の主だろうか?
入口の近くに設けられている二畳ほどのせり上がりの上に、敷物と背の低い机を配置してちょこんと、頬杖をつきながらあぐらをかいていた。
「ここはいったいどういう場所なんだ?
ものが沢山置いてあるみたいだから、なにかのお店屋さんなのは分かるけど。」
「ここはね、みんなから倉庫街と呼ばれている。」
倉庫街。なるほど言い得て妙だ。
というのもモノを売っている様子はあれど、小売店といった雰囲気ではなかったのだ。
外観の規格はどこも共通で内装は簡素。看板なんて誰も出してなんかいない。
商店街と言うよりも本業は倉庫で、ついでにモノも売っています。と説明される方が腹落ちする。
「アリス。
予定よりお前だけ到着が一日も遅れているじゃないか。」
引き続き砂糖が集積されている倉庫に向かっていると、何者かが突然声をかけてきた。
落ち着いたトーンの低い声だった。
「うげ、イリアス...。
ってきり中央倉庫にいるものだと。」
アリスは臆面もなくうっとおしい奴に見つかった。と、隠しもせずに顔に出す。
「煙草の在庫を確認していたんだ。
こうして帳簿と照らし合わせてやらないと、ごまかすクズがでてくるからな。」
薄い頭髪に痩身矮躯で、神経質そうな老人が倉庫の暗がりからぬるりと出現する。
片脇にはページの開いた分厚い本が抱えられており、その一節を枯れ木のような黒い指でなぞってみせる。
「おや?たしかお前には砂糖を運ぶように命じていたはずだが、見るとその数が足りていないように思える。」
老人はアリスが連れているラクダの両脇を確認してから言う。
「代わりにこんなチンドン屋を連れてきて一体どういうつもりだ?」
次に俺のことを露骨に見定めるように、落ち窪んだ眼がぎょろぎょろと動く。
「いやぁ〜
いい取引だと思ってさ、砂糖はこの男と砂漠で交換してきたんだ!」
アリスは俺の首に手を回しかと思うと、ぐっと内側に引き寄せる。
間違いない。この老人がアリスの話していた要注意人物なのだろう。
「交換?
すると運んでいた物資を途中で捨てたのか?」
ぱらぱらと分厚い本のページがめくられていく。
目が泳いでその内容を読むことは出来ないが、黒い文字が隙間なくびっしりと書かれている。
「本来お前は袋4つを運ぶ予定だったのに、ここには2つしかない。」
目的のページにたどり着きイリアスとやらがアリスに詰問する。
「高価な砂糖を砂漠にむざむざ放棄して、一人の男を助けたということで間違いないか?」
「両方を選ぶことは出来なかったからね。
だから私は砂漠の教えに従って、山田のことをラクダに載せて、こうして二人とも無事に帰還した。
そういうわけになる。」
「馬鹿なことをしおって...。」
腰に手をあて鼻を高くし胸を張ってみせるアリス。
対して右眉がぴくぴくと痙攣して口角に泡がたつイリアス。
これは一体どういうことなんだ?いま彼らは砂糖の話をしているはずだ。
けれどもそれはとても高価な代物らしく、場合によっては人の命よりも優先されることすらあるみたいだ。
星の子...
アリスが話していた事を思い出して頭がくらくらしてきた。
「私がこのコミュニティの、お前たちの生活の、かく汗の一滴すらも考慮して、
緻密に計算してやっているというのにその努力をかき乱しおって。」
怒気と恨めしさが融合したものが老人の体の中で沸騰している。
何か自分も言うべきかもと思ったが、アリスには黙っているようにと言われているので沈黙を貫く。
「もっと長い目で見ようよ。イリアス、彼は星の子なんだ。
聞いたことくらいあるでしょ?
未知の知識をこの世界に持ち込む流れ星。」
「星の子?だからなんだという?
言葉が達者なだけだろう。喋れるだけならガキと変わらん。」
「だからすごい知識があるんだって!
砂糖なんて溶かして食べてしまったらあとには何も残らないじゃん。」
「言い訳がましいことを言うな。
お前は集団における規律をなんだと思っている?」
そうは言うけどさーと、アリスは反論している。
この冷血漢。人助けという善行は一切評価しないらしい。
「加えて金銭的補填についてはどうするつもりなんだ?」
「え?」
「お前の蓄えではそれが贖えないことぐらいワシはちゃんと把握しているぞ。」
本がぱたんと閉じられ、空いている手の人差し指で自分のこめかみをとんとんと叩く。
「ぐぬぬぬ。」
痛いところをつかれたのか、アリスの口の形が波線に変わって冷や汗が流れる。
心の整理もつかぬままに、むちゃくちゃな現実の連続に「誰か時間を止めてくれ!」と叫びたくもなったがそれも叶わない。
「あのーちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
それでも俺はなんとか声を絞り出した。
恩人が窮地に追い込まれているのだ。ましてやその原因は自分にあるのだという。
それを知ってこれ以上傍観するわけにはいかないだろう。
考えなんてなんにもないがとにかく一歩踏み出してみよう。
「なんだ。本当にしゃべることが出来たのか。」
思案するように老人があごに右手をあてる。
「今、二人は荷物の賠償についてどのようにそれを負担するか話している。
それでいいんだよな?」
「山田は黙っていて。私が全部解決するから。」
そういうわけにはいかないだろう。
「その通りだ。
荷物でなにかヘマがあった時はそれを運んでいた荷役人が全て弁償する取り決めになっている。」
全額。
一部でも理不尽に思えるのにその責任の全てを末端が背負う決まりらしい。
「そんな馬鹿な。
あんたはここの責任者なんだろ?保険のようなものに加入はしていないのか?」
世の中には貨物保険というものがあり、運送会社ならだいだい加入しているものだ。
「ホケン?
そんなものは知らん。この街の名はタフィー。タフィーこそが法典でその全てだ。」
濁っていた老人の瞳に炎が踊る。なんという野蛮な世界。
「そっか、この世界には保険なんてもの存在しないのか。」
俺が勤めている信用金庫での出来事を思い出す。
そこでは法人向けの生命保険を扱っていたのだが、取引相手にその加入を勧めると大抵渋い顔を向けられたものだ。
というのも保険の多くは掛け捨てであり、そのメリットが理解されないまま経営者にはそれがコストと見なされたらしい。
しかし!
「なら教えてやるよ!保険ってのはな!もしもの時に備えて皆でお金を出し合い、
不幸に見舞われた人が出たらそれを助ける素晴らしい仕組みのものなんだよ!」
加入してくれていた人の奥さんの顔が目に浮かぶ。
経営者である夫が病気で倒れ、ワンマン経営にありがちなのだがその会社の営業活動は全て停止してしまった。
営業がないと受注も止まる。
規模の小さな会社の蓄えなど僅かなもので、そこは従業員の給料でさえもすぐに目処が立たなくなり、
経理担当でもあった彼女はつなぎ融資をうちに相談しにきた。
社長が倒れただけで会社は倒産の危機を迎え、関係者の生活が崩れかけていたのである。
心労でやつれていたその人に保険でその費用をカバーできると伝えたあの時。
白い顔に血の気がみるみる通る美しい光景。
金の話である。
けれどもそのお金で悲劇を確かに変えてみせたのだ。
「山田よ。
今から入れるその保険というものはあったりしないのか?」
隣でアリスがおどおどとした様子でこちらに尋ねる。そのいたたまれない姿を見て俺は
「くそ!神様はいないのか!!!」
渾身のツッコミ。
駄目だ。いまの俺ではこの状況を変えれそうにない。
「ワシにそんなかけ合いを見せるな!」
ふざけているわけではないのだが、イリアスが青筋をたてている。
「もちろんお金は返すつもりでいる。
けど、一度に全部返すのは無理だから分割でお願いできないかな?って。」
アリスが困り顔で提案する。
「駄目だ。
清算日がちょうど1ヶ月後にあるから、それまでに工面をつけろ。」
「だからそれが無理なんだって。」
アリスの言葉は尻すぼみになっていき最後には聞き取れなくなる。
「それなら一つ提案がある。」
黙り込んで途方に暮れてしまった俺たち二人にイリアスが不敵な笑みを浮かべる。
「提案?」
「アリス。
お前が助けたその星の子をワシに譲らないか?それで今回の損失は棒引きしてやってもいい。」
「「!?」」
思いもよらない提案に俺は目を丸くする。
「そんなの駄目に決まっている。
あんたみたいな奴信用出来ないし、そもそも山田は売り物なんかじゃない。」
売り物。
つまりこれは身売りという奴なのか?
「なにも奴隷としてこき使おうだなんて言っていない。」
「当たり前だ!」
この老人、はじめは俺に関心がない素振りだったがそれが今ではひっくり返っている。
いつから心変わりしたのだろう?とにかくこの状況とてもよろしくない。
「アリスではなく星の子の考えも聞きたい。
なによりもこんなことになったのはお前の責任でもあるんだぞ?」
「そ、それは」
背は俺よりもずいぶん低いのに、彼が一歩こちらに詰め寄ると、それに気圧されて俺も一歩後退する。
「お前を助けてくれた人が追い詰められているんだ。
わしの提案にのればそれが解決するんだぞ。」
「どの口が言っているんだ。
それにたとえ山田が同意したとしても、所有権は私にあるのだからそんなこと許可しない。」
少し聞き捨てならないセリフだが、今は深く考えないでおこう。
「なおさら都合がいい。
お前は負債を抱えているんだ。ならそれは返済されなくてはいけない。」
「だったら期限までにお金を準備する方法を考える!」
二人の言い合いが返せ!返す!の泥仕合に着地したので俺は老人にまた質問を重ねる。
「イリアスに確認したいことがあるんだけどいいか?」
聞く価値なんてない!と言っているアリスを俺は嗜める。
自分が商品扱いされている危機の最中。
いや、だからこそ今は得られる情報の全てをここで引き出しておきたい。
「さきほど俺のことを奴隷にするつもりはないと言っていたが、
あんたの頭の中には既になにか目処でもあるのか?」
「もちろん。
手に入れた後はお前を他の人間に売り払う予定だ。」
「それって奴隷より酷いんじゃ...。」
「結局のところ重要なのは、それで己は何をやらされるかだろ?
その点においてお前にはあらゆる言葉を理解して伝える能力がある。
この地でそれに価値はないが、外国に接点を持つ者にとってお前は大きな価値となる。」
つまり通訳の仕事をしろと言っているのだろうか。
この世界の常識は未だ分からないが、極端に悪い立場でもないのか。
「それは死ぬまで続くものなのか?それとも砂糖の代金分働くとか?」
「7年だ。
所有権が移ったその日から7年間仕事に励めばお前は自由の身になれる。」
長い。あまりにも長い。
家族や友人、職場の同僚のことを思えば俺はこんな世界とはすぐにでもおさらばしたい。
それなのに7年間も同じ場所に拘束されるなんてあり得ない。
「アリス。
その星の子と呼ばれている人達は、誰一人として元の世界には戻れなかったのか?
来たなら戻れる道理もあるはずだ。」
「うーん。私は聞いたことない。」
イリアスにも目線を移すが彼はこの質問に答えるつもりがないようである。
「それについてこの街に詳しい人はいる?」
「ここにはいないと思う。
ただ王様がいる街の図書館に行けば、なにか手がかりが見つかるかもしれない。」
彼女の知識だとこれくらいが精一杯か。
けど努力すれば地球に戻れる可能性がないこともない。そう考えるとイリアスの提案を受けるのはやはり損である。
「イリアス、あなたは俺をどういう人間に売り飛ばすつもりなんだ?」
「貴族や商人辺りになるだろうな。」
すると有力者との接点が得られるわけか。
制限された身分ではあるが多種多様な情報と触れられる機会もそれなら多いであろう。
それが結果的に元の世界に戻る近道に繋がるかもしれない。
これは一種の投資なのかもしれない。
リスクは低く利益も手堅いが満期まで拘束されるイリアスの提案。
あやふやで確かなものなんて何もないが、大きなリターンが眠っているかもしれないアリスの言葉。
「よく分かったよ。」
生唾を飲みこむ。冷静な思考はすぐに答えをだした。
「イリアスの提案は俺自身にとっても悪いものではなかった。」
一文字に結ばれていた老人の口元に亀裂が走り中から歯がのぞく。
「山田!騙されないで。
そんな話口八丁になんとでも言える。」
「疑り深い奴だ。
それなら今話した内容をそのまま神官に頼んで書き起こしてもいい。」
自分がアリスの立場なら、ひとまず安堵していたかもしれない。
とりあえず自身の借金はチャラになるからだ。
しかし彼女は助けた命のその後のことまで考えて自分事になって心配してくれている。
出会ってまだ2日しか経っていない他人に対してである。
そんなにもやさしい人に...
「これ以上君に面倒はかけられないよ。」
頭を下げる俺に対してアリスはなにか言おうとしているが、やがてその全身は悲壮感で包まれる。
「くくく。
なにも今すぐ引き渡せと言っているわけではない。
こちらも買い手の募集から競売の開催と、準備が色々とあるからそれまでは自由に過ごせばいい。」
イリアスの脳内では手紙の文面に、オークションの準備、俺をどのように輸送するかまで、
取引完了に向けてのあれこれがいま猛烈に計算されているのだろう。
手の指の動きがなんだか忙しない。
「あんたの提案には応じる。
ただ俺からも一つ条件をつけたい。」
含み笑いがすぐに消えて、「なんだ?」とイリアスは不愉快そうに応じた。
「俺はこの街のルールについて全く無知なわけだが、あんたは砂糖の賠償で俺を手に入れるわけだよな?」
「ああ。」
「それでその後転売して利益を得るわけだ。」
「...それは終わってみないと分からない。」
「いや、絶対に超えるはずだ。」
あの様子から黒字がでないなんてことはあり得ない。
「出るなら出たでだからなんだという?」
「それならそこで生まれた利益の半分を、アリスに分け前として出してくれないか?
あんたはアリスに自業自得のようなことを言っていたが、この儲け話は彼女のおかげで生まれたものだろ?」
思案を巡らす仕草を老人はまたも始めて「半分か」とつぶやく。
「そちらにも手間はあるんだろうけど、元々あんたにとって降ってわいたような話なんだろ?
それならこちらにも対価があっていいはずだ。俺だって彼女にお礼がしたいし。」
お金をいくらか渡すことが彼女への恩返しになるとは思っていないが、それでもなにもないよりかはマシである。
「紛失した砂糖の損害はわしが全額いま引き受けていることになっている。」
「でも最終的には儲かるんだろ?」
「分かってないな。
砂糖の損失の埋め合わせと、お前を転売してわしが儲ける話は全然別のものだろ。」
「だから結果的には」
「わしはアリスに対して債権がある。」
強い口調で老人は俺を突っぱねる。
「債権の行使には清算日を迎える必要があるが、それを使えばわしはお前を合法的に手に入れることが出来る。」
ふつふつと黒い感情が膨らんでそれが直にあてられる。心を強く保たないと後ろに倒れてしまいそうだ。
「どのみち買い手と交渉する時間が必要なわしに、その時間的ズレはあってないようなもの。」
「それなのに」と、老人は一拍置く。
「それなのにどうしてお前らと利益を山分けしなくてはいけない?
渡してやる金など半分どころか、一厘一片たりともあるはずがないだろ?
お断りだ!」
半分という数字は交渉のなかで下げていくつもりではあったが、ビタ一文出すつもりはないときた。
俺はちらりとアリスの顔を見る。
彼女へのお礼は別の形でやることにして、とりあえず今はおとなしくイリアスの提案に従うべきなのだろうか?
しかしそれではあまりに悔しい。
「アリス。」
彼女に耳打ちすると「なに?」と返ってくる。
「さっきお金を準備すると言っていたけど、なにか勝算はあったりするのかな?」
「うーん。あれは勢いで言っただけで特に考えはない。」
「そっか。」
つまり俺のことを守ろうとして咄嗟に出てきた言葉らしい。
それなのに俺は彼女の気持ちを無視してあちらの提案にホイホイと従ったわけか。俺は正面を見据えて目の前の脅威と対峙する。
そんなキャラではないのだが沸き立つ感情にそのまま従ってみたくなる。
「だったら交渉は決裂だ。」
二の腕に鳥肌がたつ。こんな時くらい格好良く見栄を張ろう。
「アリスの借金は俺が引き受ける。
期限はあんたが言っていた通り1ヶ月後。
その日に耳を揃えて全額支払うから、それまでのあいだ商人達におべっかの手紙でも書いているんだな!」




