第5話:サバイバル・レジスタンス
【オールドスクールの意地】
「コンプラ……? 清潔感だと……?」
紫の装甲の奥で、浅倉威の瞳が獣のように細められた。
「俺を……指図するなぁッ!!」
浅倉は「ギフト」で強化されたセレブの光の礫を、生身の肉体を削りながら無理やり突き進む。その執念に、一億人の視聴者が息を呑む。
「おい城戸! 蓮! つっ立ってんじゃねぇ! 餌が目の前にいるんだ、食らいつきやがれ!」
「……言われなくても!」
「今回だけだ、浅倉!」
龍騎、ナイト、そして王蛇。かつて殺し合った三人が、一人の「偽物」を倒すために並び立つ。
龍騎がドラグセイバーで光を切り裂き、ナイトがダークウイングで空を舞い、王蛇がベノサーベルで泥臭い一撃を叩き込む。洗練されたセレブの動きが、計算不能な三人の連携に次第に乱れ始めた。
【吾郎の救済:鏡を割る勇気】
その乱戦の傍らで、ゾルダは依然として北岡の幻影に向かって叫んでいた。
「先生……今、助けます……!」
「吾郎ちゃん、目を覚ませ!」
龍騎がゾルダの懐に飛び込み、その両肩を掴む。
「そこにいるのは北岡さんじゃない! ただのデータだ! ……北岡さんは、そんな風に誰かを傷つけてまで戻りたいなんて言わないはずだ!」
「うるさいッ! お前に何がわかる!」
「わかるよ! 俺だって、またみんなと笑い合いたいって、何度も願った! でも、誰かの犠牲の上に作る平和なんて、北岡さんが一番嫌うはずだ!」
真司の声が、ドラグバイザーを通じてゾルダの意識に直接響く。その瞬間、北岡の幻影がノイズにまみれて歪み、醜悪なミラーモンスターの素顔を覗かせた。
「……っ、先生……。そうか……俺は、先生の誇りを汚していたのか……」
ゾルダの銃口がゆっくりと下がる。彼は震える手で、セレブではなく「システムそのもの」へと照準を合わせた。
【逆転の秘策:真実の配信】
その時、街中のモニターが一瞬暗転した。
「――こちら、秋山蓮だ。世界中の『観客』諸君に、このゲームの裏側を見せてやる」
蓮が管理人のサーバーを逆ハックし、隠されていたデータを公開する。
そこには、配信の盛り上がりのために管理人が意図的にモンスターを街に放ち、一般人を「餌」として誘導していたログが克明に記されていた。
「君たちが楽しんでいたのは、エンターテインメントじゃない。ただの殺戮の片棒だ。……それでもまだ、『いいね』を押すか?」
全世界の視聴者数が、数秒で激減していく。熱狂が冷め、冷ややかな沈黙がネットを覆った瞬間、支持率を力の源としていた仮面ライダーセレブの金色の装甲が、剥がれ落ちるように輝きを失った。
「な……僕のフォロワーが……僕のパワーが消えていく……!? やめろ、見るな! ログアウトするなァッ!」
【終焉の咆哮】
「今だ、みんな!」
真司の声に、かつての戦士たちが呼応する。
『FINAL VENT』
ドラグレッダーの炎、ダークウイングの旋風、マグナギガの全弾発射、そしてベノスネーカーの毒液。
四体のモンスターの力が一つになり、現代の虚像――仮面ライダーセレブと、管理人の依代を木っ端微塵に砕いた。
エピローグ:それでも、鏡は残る
朝日が昇る。工事現場の瓦礫の中に、四人の男たちが立っていた。
管理人のシステムは崩壊し、強制的なライダーバトルは一時的に沈静化した。
「……ふん。腹が減ったな」
浅倉はそう吐き捨てると、ふらりと朝靄の中に消えていった。
「城戸。これで終わったわけじゃない。……鏡がある限り、人の欲望がある限り、また奴らは現れる」
蓮はいつもの無愛想な顔で真司を見る。
「ああ。でも、その時はまた、俺たちが止めてやるよ」
真司は手の中のカードデッキを見つめた。
失われた記憶は戻らないかもしれない。それでも、この手にある感触だけは本物だ。
真司は、近くにあったビルのガラスに向かって、小さくピースサインを送った。
鏡の向こうで、赤い龍が満足げに鼻を鳴らした気がした。
仮面ライダー龍騎:Refraction —完—
【あとがき】
#仮面ライダー龍騎 #二次創作 #最強の絆 #現代社会批判 #王蛇も共闘 #俺たちの戦いはこれからだ
いかがでしたでしょうか。真司らしいお人好しさと、浅倉のブレない狂気、そして現代的なテーマを組み込んだ完結編となりました。
もし「この後、北岡秀一が奇跡的に復活するエピローグが見たい」や「別のライダーのその後を知りたい」などのご要望があれば、いつでもお書きしますよ!




