仮面ライダー龍騎、本編!北岡秀一(仮面ライダーゾルダ)
北岡秀一(仮面ライダーゾルダ)の視点で、華やかな弁護士としての仮面と、病に侵された体で足掻き続けた「永遠の命」への執着、そして予想外の幕引きを綴ります。
贅沢な幕間劇:北岡秀一の独白
鏡に映る自分を見るのは、いつだって最高の気分だ。
高級なスーツ、完璧なヘアスタイル、そして誰もがひれ伏す知性と財力。
……だが、その鏡の奥で、俺の細胞は刻一刻と死に向かっている。
「永遠に生きたい」
そんな、子供みたいな願いのために、俺はこの血生臭いゲームに参加した。
最高の観客、城戸真司
城戸。お前を見てると、たまに吐き気がする。
計算ずくで動く俺の世界に、お前は土足で上がり込んできて、正義だの何だのとかき回していく。
だが、認めよう。お前のその「バカさ加減」が、死の影に怯える俺の日常に、ほんの少しだけ退屈しのぎの彩りを与えてくれた。
お前が俺を「北岡さん」と呼ぶたびに、自分がまだ、ただの生きた人間に戻れるような錯覚がしたよ。
宿命のライバル、浅倉威
浅倉。お前は俺の人生における「最大の汚点」だ。
俺の弁護で野に放たれた怪物が、俺の命を刈り取りにくる。皮肉としては出来すぎている。
お前との戦いは、泥沼の殺し合いだ。美学もクソもありゃしない。
だからこそ、俺はお前にだけは、俺の「死」という最高の勝利を譲りたくなかったんだ。
忠実な友、吾郎ちゃん
吾郎ちゃん……。
お前には、最後まで苦労をかけたな。
美味しい食事と、磨き上げられた部屋。お前が作ってくれたその日常こそが、俺が「永遠」に守りたかったものなのかもしれない。
俺の代わりにゾルダになって浅倉と戦うなんて、お前らしいお節介だ。
でも、ごめんな。俺はもう、お前の作ったディナーを食べる力さえ残っていない。
結末:美しい引き際
窓の外には、眩しいほどの青空が広がっている。
ミラーワールドの赤黒い空とは大違いだ。
俺はソファに深く腰掛け、静かに目を閉じた。
手に持ったシャンパングラスが、指の間から滑り落ちそうになる。
あぁ、結局、「永遠の命」なんて手に入らなかったな。
だが。
浅倉との決着を投げ出し、自分勝手に、自分の意志で、この人生の幕を下ろす。
あいつが地獄で地団駄を踏んで悔しがる姿が目に浮かぶよ。
それが、俺が最後に仕掛けた、最高に意地の悪い「逆転無罪」だ。
「……吾郎ちゃん、……いい人生だったよ……」
意識が遠のいていく。
鏡の中のゾルダはもう動かない。
ギガキャノンの轟音も、ミラーモンスターの叫びも、もう聞こえない。
ただ、静かな光の中で、俺は俺という物語を完結させた。
誰にも邪魔させず、誰にも媚びず。
北岡秀一らしく、華やかに、そして傲慢に。




