星麗
数日後。
俺は修行に明け暮れてた。
自分の能力がどんなものなのか考えたり。
新技を試したり。
福村先輩を戦ったり。
でも福村先輩には勝てない……。
もっと頑張らなきゃいけない。
「おっと」
誰かにぶつかった。
「ごめん、ちょっと考え事をしてたから」
少女は尻餅をついてた。
「大丈夫? ほら」
俺は彼女に手を差し伸べた。
「…………」
彼女は俺の手をボーっと見た後自分で立った。
見てみると彼女は制服……ってこれ星麗学園の制服じゃん。
彼女は白い長い髪を整えて歩きだす。
「何でここに星麗の生徒が……?」
一応星麗は陽麗と違って穏やかな生徒が多いから奇襲なんてないと思うけど。
「まあ、いっか」
「おお、遅かったな」
「あ、ちょっと人とぶつかって」
「ん? 考え事でもしてたのか?」
「ええ、まあ」
「能力のことか? まあ、ゆっくり知ればいい。俺もそうだったから」
「はい」
強くなるには自分の能力のことを知ってから。
それが一番いいらしい。
「んで、制御できるようになったのか?」
「いえ……」
「まあ、頑張るしかねえだろ」
「じゃあ、今日も修行よろしくお願いします!」
「おう!」
「ハァハァ……今日はこれぐらいでいいだろ?」
「ハァ…ハァ……分かりました……」
修行を終えて帰る準備をする。
「今日どっか寄って帰らないか?」
「いいですよ。先輩の奢りだったら」
「お前も言うようになったな~」
先輩と話しながら飲食店があるところに行った。
そして校門をくぐろうとした、そしてまたいた。
修行前にぶつかった子だ。
「君どうしたの? その制服星麗のだよね? 誰かに用なの?」
「…………(コクコク)」
彼女は黙って頷いた。
「誰? 探してきてあげる」
「…………が」
うまく聞き取れなかった。
「…………高坂大河」
次はよく聞こえた…………って俺!?
「俺に何か用?」
彼女は俺を上から下まで見た。
「…………貴方が副会長」
「まあ、そうなのかな……?」
一応曖昧に答えてみた。
今の俺は生徒会役員ですらない。
「…………貴方にお話があります」
「お、告白か? じゃあ邪魔者の俺は退散するな。じゃあな~」
「あ、ちょ、待って下さいよ先輩!」
先輩は俺をからかってさきに行ってしまった。
「お話って何?」
「…………陽麗学園、最近おかしくありませんか?」
ビックリした。
まさか陽麗の話が出てくるとは思ってなかったから。
「そうなの?」
「…………はい。前までは不良が集まる学園でしたが。生徒会長があの人になってからおかしくなりました」
「どんなふうに?」
「…………ムダに他校にケンカを売ったり……」
確かに俺たちのところとかよくケンカを売られるよな。
「…………なので、同盟を組みませんか?」
「……へ?」
「…………星麗と月麗で同盟を組みませんか?」
前までの俺ならすぐに答えがだせるだろう。
でも今は生徒会役員じゃない。
「そういう話は生徒会長にしてくれると助かるな」
「…………分かった……」
彼女はちょっと暗い顔をして答えた。
あ、名前聞くの忘れてた……。
まあ、いっか。