限界対決
「失礼します」
「ああ、晴樹くんですか」
「ち~っす、私もいるよ」
「お二人ともお早いですね」
「ってことはまだ二人来てないの?」
「はい」
「ん? 何これ?」
私は机にある手紙に気がついた。
内容は
はじめまして生徒会のみなさん
私はある悩みがあります
なので生徒会のみなさんに相談したいのですが
いいでしょうか?
4時に旧校舎で待ってます
「何だったんですか?」
「いや~生徒会に相談だと、どうする?」
「もちろん相談は受けますよ」
「りょ~かい、4時から旧校舎だってさ」
「そ、それって僕も行くの?」
「もちろん、だって生徒会のみなさまって書いてあるから」
この時ちょっと怪しいと思っていた。
この手紙は不自然だった。
何で私の机に置いてあったのだろう?
無断で生徒会室に入ったのか?
そういう手紙なら生徒会専用のポストに入れればいいのに。
そして何で旧校舎なのか……
色々な疑問が頭を過ぎったけど、まあ、いっか。
「ってもう4時じゃん!」
後輩くんたちが来ないから私たち3人で旧校舎に行った。
旧校舎に着いた。
そこにいるのは陽麗学園の制服を着た生徒が3人いた。っていうか陽麗の生徒じゃん。
ってことは私たちは釣られたのかな?
「で、君たちは月麗生徒会に何か用かな?」
「ふん、僕たちは生徒会長に君たち生徒会と遊んで来いと命令されて来たんだが。君たちは生徒会みたいだな」
3人うちの1人のメガネが返事をした。
へー遊びに来たね……。上等じゃん。
「そうだよ私たちが生徒会だよ」
「そうか……じゃあ遊ぼうか」
「上等だよ」
「ね、ねえ、話を勝手に進めないでよ」
「いいの、私に任せて」
「君は自信満々だね。ってことが君が生徒会長かな?」
「私? そんなわけないでしょ。この人が生徒会長」
さっきから油断が出来ない。ずっと私たちがここに来てからずっとメガネは殺気を放ってる。
「とりあえず、ゲーム開始だ」
「それじゃあメガネ! お前は私の相手だ!」
「ふん、僕は生徒会長と遊ぶつもりだったけど、べつにいいや……」
「じゃあ俺っちがこの美少女生徒会長と遊ぶね」
「お手柔らかに」
「…………じゃあ私がこの男の子と」
「え!? 僕?」
「由香里さん、とりあえず場所を変えましょう。<空間移動>」
どうやら私たち3人は別々の場所に移されたみたい。
「さあ、これで邪魔者もいなくなったし。遊ぼうか」
「うん、でも残念だね。もうゲームオーバーだよ。<爆発>!」
「君がね」
「!」
何が起こったの?
「僕は陽麗学園生徒会、役職は会計。一応僕は実力者ってわけだ。だからそのな爆発で倒れるわけないだろ」
「へー、同じ役職同士仲良くしよう……って言うわけないでしょ! <業火弾>!」
「残念……僕は仲良くなれると思ったんだけど……」
だから何で! 何で私の攻撃が効かないの!
「それじゃあ僕の攻撃しますね。<ブロックゴーレム>」
相手の手からブロックが出てきた。そしてそのブロックは大きいゴーレムになった。
「踏み倒せ!」
「あぶね! <炎剣>!」
まただ。また私の炎が消えた。
「<火炎放射>!」
炎を放射してその攻撃を避けた。
メガネの能力って何だ? ブロックを操る能力か?
「そんなに僕の能力が気になるの?」
「まあな、だって私の攻撃効かないし。ムカつくし」
「じゃあ種明かしだ。僕の能力は相手の能力をブロックにして、そのブロックを操ることができる。だからこの能力で君の炎をブロックにしてそのブロックをゴーレムにしたんだ。そしてもう一つ情報をあげるよ。そのブロックにした能力をブロックが扱うことが出来るんだ」
ってことは私の炎が使えるってこと? 面倒くさい能力だな……。
「まあ、諦めて。死んでください」
「私は直ぐには諦めない! <業火弾>!」
まずは様子見。
「だから僕の前では能力は無意味だ!」
でも、顔は正直だね。たぶん私の勘だけど、一度に吸い取る量は限られてる、だから多くの能力を吸い取るのは無理だ。
「気づきましたか?」
「まあね、アンタの限界が先か、私の限界が先か」
「<ブロック業火弾>!」
業火弾のブロックバージョン?
「ん? 何ニヤニヤしてるのです?」
「い~や」
それがブロックだとしても、それが炎なら私は操れる!
「とりあえず消えろ!」
「そうですか、たとえこれがブロックであったとしても炎なら操れるんですか。じゃあ次は普通のブロックで戦いましょうか」
「<業火弾>!」
「50%……」
その後ずっと業火弾を出していてそれを吸い取った後、60%……70%……って言ってたけど100%になったらどうなるの?
「<業火弾!>」
「100%! <ブロック要塞>!」
するとメガネの足元からブロックの要塞が出てきた。
「これで僕の要塞は完成した。これで君の勝機はなくなった」
「へー、そうなのか。じゃあ試しに<業火地獄火>」
業火地獄火はかなりの高い温度の炎を辺り一帯に放つ地獄の炎。
「新しい技ですね……でも残念ですね」
やっぱりダメか……。もっと強い炎を……。
「あら? もう終わりですか? じゃあ僕の番だ、大砲用意! 発射だ!」
ブロックの大砲!? <火炎放射>
「ふ~ん、やっぱり避けるのか……じゃあ囲め!」
するとブロックの要塞は私を囲んだ。
「一斉射撃だ、<ブロック大砲>!」
囲まれたしどうしようか……。横に避けられないし……終わり? なわけないでしょ。
「<火炎放射>!」
横がダメなら上!
「やはり上ですね、<追尾>!」
何て有能なブロックだこと。やっぱり限界勝負かな……。ここで本気を出すことになるなんて思わなかったよ……。
「……<紅蓮朱雀>!」
「へーここで勝負かな? じゃあ君の攻撃は全て僕が吸収してあげるよ!」
私の必殺技、紅蓮不死鳥は紅蓮の炎の不死鳥を相手に飛ばす技だけど今は違う。
「……不死鳥状態変化」
私の手に纏わせて相手に突っ込む!
「これだけで終わると思わないでね! <火炎ミサイル>!」
「やっぱり強い人と戦うのっていいですね!」
「まだまだ! <業火炎斬>!」
全ての炎を出し尽くす!
「<火炎ミサイル・業火弾・火炎放射>!」
私の炎を出し尽くすまで私は攻撃を止めない!
「<地獄火>!」
限界なんてもう過ぎてるけど、負けられない!
「ハァハァ……最終奥義……<地獄火不死鳥>!」
私の炎をこの技に!
「最終奥義ですか! 吸いがいがありますね! 僕もそろそろ限界ですし。これで勝負が決まりますね!」
メガネが私の炎を吸収し始めた。でも私は目を開けていることも辛く、その場で寝てしまった……。
「残念でしたね! 僕の勝利です! それにさっきのアレは嘘です。僕の限界はまだですよ! さあ、このゲームし終止符を!」
「終止符をうつには早すぎるでしょう」
「!?」
「私が通りかかってみれば……ねえ、君覚悟は出来ているの?」
「……貴方は?」
「私? この子と同じ月麗学園の生徒。そして剣道部部長の霧木妖花」
「何? 君は僕と戦うの?」
「う~ん……私はこの子を助けたいだけなんだけど、それを君が邪魔するなら私は貴方と戦う」
「へー、面白いですね! <ブロック大砲>!」
「ブロック?」
「さあ、死になさい!」
「まあまあ、落ち着いて。私がそんなブロックで死ぬわけないでしょ」
「!? お前何をした?」
「何って居合い切りかな」
「ただの刀で僕のブロックが切れるわけがない! そしてお前の能力を吸い取ったはずだ!」
「何言ってるの? 私は能力なんて使ってないけど?」
「じゃあ何故!」
「私の能力はこの眼よ。相手の行動を読む眼。そして私には昔から異常だったの」
「異常?」
「そう、私は妖刀が使えこなせるの。普通の人なら制御不能ですぐ死ぬわよ」
「その妖刀で僕のブロックを切ったのか?」
「そう、理解が早くて助かるわ。それで貴方は私の邪魔をするの?」
「もちろん、ゲームは終わってないからね」
「ふ~ん、でも今の君は立ってるだけで辛そうだけど?」
「そうか? 僕はまだまだ戦える……何だこんな大事なときに。もしもし」
『もしもし? メガネくん? もう時間オーバーだから帰ってきてね。以上。バイバ~イ』
「っあ! ったく、あの人は……退却命令がでたので帰らせてもらいします。またの機会に」
「ええ、またどこかで」