奇襲?
うん……今回も可笑しくなったね……
どれだけ変にしれば気が済むんだろう……
ベタベタ
ベタベタ
…………何の罰ゲーム?
何でまだくっついてるの?
何で分かってくれないの!
「ハァ……」
「? どうしたんですか?」
「いーや……何でもないよ……」
できれば自分で気づいて欲しい……。
前回同様、クラスの全員の視線が痛い。
『大河……いつか殺してやる』
『大河くん、またあの子とくっついてる……』
そのような言葉がさっきから聞こえる。
今はクラスだけじゃなく、全校からの視線が痛い。昨日の全校朝会では……
『一年の白井葉月です。今日から生徒会役員として頑張りたいです』
ここまではよかった……
『因みに副会長の大河くん付き合ってます』
『『『!?』』』
『…………今はまだですが』
言うの遅い! ってか、この先付き合うつもりないから!
「ハァ……」
「本当に大丈夫ですか? 心配です……」
「心配をしてくれるなら今すぐそこをどいてください」
「いやです」
「何でなの? 白井さんはそんなに俺をいじめたいの?」
「いじめてませんよ?」
もしかして無自覚なのか?
「でも周りの人に大河くんと付き合ってるように見せてるだけです」
「それがいじめっていうの!」
「何でですか?」
「それは……嫉妬に狂ったクラスメイトが俺を殺しにくるから……」
「え!? そうなんですか!? それは危険ですね……」
「だから離れようね……」
「うぅ……分かりました、今は我慢します……」
今だけじゃなくてこの先ずっと我慢してほしい……
やっと白井さんは離れてくれて、授業に集中できた。
そして授業が終わり放課後になって俺と奈々と白井さんは生徒会室に向かった。
「……ねぇ、葉月ちゃん。大河が困ってるよ」
生徒会室に着いた瞬間、白井さんが俺に抱きついてきた。
「奈々! 助けて!」
「私的にはこの光景は嫌いだけど、助ける気になれないし。まぁ、頑張って」
「嫌いなら助けてもいいじゃん!」
「…………」
完璧無視されてる……。
会長は? 会長なら助けてくれる。
と、俺は思い会長のいる椅子に目を向けるたけど会長はいなかった。
「なぁ、奈々。会長って何処にいるか分かる?」
「何にも聞いてないよ?」
「そーか」
「まだ私たちだけだね。先輩たち遅いね」
「ああ」
早く来て俺を助けてくれ……。
一時間後……
「……遅くないか?」
「確かに遅いですね……」
「うん……どこかで何かやってるのかな?」
「何か……また事件が起きたとか?」
「たぶん事件だね。今から探しに行く?」
「まあ、暇だし探しに行くか……」
「あの……探しに行かなくても私の能力で探せますよ」
白井さんの能力……ああ、機械操作か。それで監視カメラの映像で探せば……。
「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
「もちろんですっ! ちょっと待っててくださいね」
「……あれ?」
「ん? どうしたの?」
「おかしいんです。一箇所だけ映し出せないんです。故障でしょうか? それとも……」
それとも壊されたか……。
「よし、じゃあ今からそこに向かおうか」
もしかしたら先輩たちはそこにいるかもしれないし。
「ちょっと心配だね……」
「大丈夫だよ、先輩たちは強いんだから」
「そうだよね……」
「じゃあ行こうか」
「うん」
そして俺はドアを開けた。そしたらそこには……。
「お~い、テメーがこの学園の生徒会か?」
「……部外者か?」
「だったら?」
「その様子だと無断侵入だな。生徒会役員としてお前を拘束する」
「へー、面白いことを言うんだな。この俺を拘束か? 笑わせるな」
「あと二つ質問していいか?」
「何だ?」
「会長たちを何処にやった?」
「テメー等の会長さんたちは俺の仲間と遊んでるだろうよ」
「じゃあもう一つの質問だ。お前は陽麗学園の生徒か?」
「もちろん俺は陽麗学園の生徒だ。この紋章が見えないのか?」
陽麗は太陽、月麗は月、星麗は星の紋章が制服についてる。
「そうか……じゃあ俺も手加減しないと思う。今日も暇つぶしとかだろ? だったら俺がその暇つぶしに参加して全員倒してやんよ」
「じゃあまず俺を倒すんだな」
「奈々と白井さんは逃げて」
「了解」
「うん……」
「ひゅ~う。かっこいいね~」
「…………」
「じゃあ始めるか」
「手加減はしないぜ」
「それはこっちの台詞だっての! <槍の雨>」
俺の上から槍が降ってきた……が、俺は動揺せず光速制御をつかって避ける。
「ほ~、結構やるじゃないか。これならどうだ? <電槍>」
たぶん推測だけど、あいつの能力は槍を操る能力。だから電気はオプションで奈々みたいに操作できないはず。威力も奈々のほうが強いと思う。ここで勝負だな。
「光を纏え<聖者の剣>!」
「相打ち狙いか? 残念だがお前の剣は俺には届かない。<槍地獄>」
相手は途中で止まり槍を地面に突き刺した。
「何をやって……いっ!」
いきなり下から無数の槍が俺目掛けて突き刺さってきた。
「残念ながら気づくのが遅かったな」
「…………」
「さーて俺も本気だそうかな……」
「本気? まだ本気じゃなかったのか?」
「テメー相手に最初から本気だすわけないだろ」
そう言いながら俺に突っ込んできた。そして俺は最小限の動きで避け攻めに転じようとしたとき、俺の体に槍が刺さっていた。
「何で? て顔をしているな。簡単な話だ、俺が突っ込んでいったのフェイントその後の攻撃が本命だ」
その後の攻撃?
「突っ込んだ後俺は体から槍をだしお前を刺した」
ってことはアイツに近づくだけで刺される……
「<光の銃>」
遠距離の銃ならどうだ?
「ふんっ<槍の壁>、そんな生温い玉で俺の槍を壊せると思うな」
「誰もこの銃で壊れるなんて思ってねぇよ<粒子砲>」
粒子砲は強いが上手く狙いがつけられないからな……。でもあんな大きな的なら捉えられる。
「あっぶね! ったく! いい加減死ね! <怒りの槍>」
見るからに強そうだ……。何の仕掛けもないパワーだけを追求した一本の槍……。
「接近戦なら<聖者の剣>」
「この一撃に賭けるか」
「俺もだ」
「死ね!」
「お前がな!」
俺の剣と相手の槍が重なりあった。
……………………………………。
「あらあら、何か戦ってる音がしたと思えば副会長さんじゃないですか? しかも傷だらけ? 気絶してるのですか? 保健委員長として手当てしないといけませんね。<女神の癒し>」
俺と相手は相打ちになり、俺と相手は倒れた……。