理不尽な喧嘩?
やっぱりサブタイトルが思いつかない……
ふ~セーフだ……
「大河? どうしたの?」
「いや、何でもないよ」
「そう? だったらいいけど。また厄介事に巻き込まれたと思ったよ」
「アハハ……」
その厄介事に巻き込まれたんだよ……
放課後になり俺と奈々は生徒会室に向かう。
……行く途中みんなが俺のことを笑っているように見えた……。気のせいか?
「入りますね~」
「どうぞ」
「来たね後輩くん」
「何で笑ってるんですか?」
「え? 何も聞いてないの?」
「だから何ですか?」
「じゃあ今すぐ掲示板に行ってきな」
? 何だろう……
掲示板に一つの紙が張られてた。
えーと。
果たし状!
今日の放課後校舎裏にて待つ!
一人で来るように!
来なかった場合は……
来なかった場合は何だよ!
っていうか何で? 俺誰かに喧嘩売ったっけ? 思い出せない……
仕方ない行くか……
「よく一人で来たな!」
「ああ、あと俺何か悪いことしたか?」
「しただろう。新聞委員長に言われて確信した。お前は生徒会役員の女子全員と付き合ってるってな! 新聞委員長が言ったんだから嘘ではない!」
「新聞委員長……それは嘘だ。信じてくれ」
「たとえそれが嘘だろうとお前は生徒会というハーレムを毎日楽しんでるだろ。憎い……モテない男子の気持ちが分かるのか! 行くぞヤローども!」
「「「おおぉー!」」」
「げっ……いっぱいいやがる……」
『死ねリア充』
『死ねこのイケメン』
『大人数だったらこっちにも勝機はあるぞ!』
「全軍突撃だ!」
「「「「了解だ!」」」
うわっ! マジで全軍突撃しやがった! 仕方ない……<光速制御>。
「速い!」
「これが副会長の実力なのか!」
「でも大丈夫だ! 俺たちが力を合わせれば倒せる!」
面倒くさい……一発で決めるか……一般生徒に新技を使うのは不本意だが……仕方ない。
「……<流星群>」
その名のとおり俺の能力で作り出した流星。
「みんな恐れるな! 俺たちが協力すれば相打ちにはできる! みんなやるぞ!」
「「「おお!」」」
「<理不尽な怒り>!」
その名のとおり理不尽だよ……でも相手も強そうだ。もうちょっと本気だすか……集中…集中……
「あれ? 大河くん? ここで何をやってるんですか?」
「か、会長!」
ビックリして能力を解いてしまった。
「危ない状況ですか? 手伝いますよ。<結界>」
会長が作った結界を盾にしてあいつ等の攻撃を防ぎ、俺は<光速制御>で油断してる相手に近づき気絶させた。
「会長、ありがとうございます」
「いえいえ。それよりも何かあったんですか?」
「ええ、まあ、はい……」
「もしかしてあの掲示板の?」
「知ってたんですか!?」
「ええ、でも冗談だと思って警戒してなくて……スミマセン」
「いや、会長は謝らなくてもいいですよ」
「そう言うなら……それでこれどうしましょう?」
「ああ、別にどこかに運ばなくてもいいですよ。起きたら家に帰ると思うんで」
「そうですね。では生徒会室に行きましょう」
「はい」
「で、どうだった?」
「どうだったって……普通に倒しましたよ」
「な~んだ、少しくらい攻撃喰らってもよかったのに」
「嫌ですよ、痛いし」
「それじゃあ私があいつらの敵を……」
「もしかして先輩が長谷川先輩と仕組んだんですか!」
「何で私がやらなきゃいけないのよ。しかも新聞委員長と」
雛森先輩は少し嫌な顔をして答えた。
「しかも? 先輩は長谷川先輩が嫌いなんですか?」
「もちろん! っていうかこの学園であいつのことを好いてる人なんているの?」
「いないと思います……じゃあ何で嫌いなんですか?」
「理由は後輩くんと一緒、とある生徒たちに可笑しな情報を流して、私を襲ってきたの」
「じ、実は僕もです……」
晴樹先輩も……。
「前々から長谷川さんの新聞は悪評だったんですよ……」
どうすればいいんだろう……。一発ぶん殴るか? でもあくまで女子だしな……
「……私まだされてないんですけど……もしかしたら次のターゲットって私の確立が……」
「……高いな」
「葵! 考えただけでムカつくから殺してくる!」
「雛森さん、ダメですよ。その長谷川さんの件は私がどうにかしますから、みなさんはもう帰っていいですよ」
「で、でも雑務が……」
「いいですよ、今日はお休みです」
「分かりました……」
会長が言ったので俺は帰る準備をした。
「それじゃあ私と晴樹はさきに行くぞ」
「さようなら~」
「じゃあ私たちも行こうか」
「分かった。会長、さようなら」
「さようなら、また明日」
次の日、学校に来ると長谷川先輩が俺のところに来た。何かまた喧嘩でも売りにきたのか?
「あ、ご、ごめんなさい!」
「はぁ?」
何かの冗談か? 演技? でもマジで足がガクガク震えてる……
「昨日はスミマセンでした!」
会長か? 俺たちが帰った後に長谷川先輩のところに行って……脅迫? あと口調がいつもと違うし……。
まあ、いっか。もう喧嘩を売ってこないだろうし。