新聞委員長
翌日俺が学校に着くと掲示板に人がいっぱいいた。
どうしたんだ? 面白い記事でもあんのか?
そう思い俺は掲示板に向かった。
そこには……
○○委員長、一般生徒に手を出す!
っていう見出しで下には
Aさんの証言 いきなり俺たちを殴ってきたんですよ!
……って書かれていた。絶対昨日の福原先輩のことだ……でもいきなり殴ってないし、先にあっちから攻撃したし完全な嘘っぱちだ。
「ん? どうしたそんなに群がって……何だこれ?」
「あ、あの先輩……」
「…………」
「大丈夫ですか?」
「あ、お前は新しい生徒会役員だよな。俺は大丈夫だ。ちょっと頼まれてくれ。会長に反省文の紙用意しとけって言っておいてくれ」
絶対この記事を書いた新聞部に乗り込む気だな……
「ちょ、ちょっと待ってください! その件なら生徒会にまか……」
「この記事は俺のものだ。だから俺が解決させる」
聞く耳持たず……
「じゃあ僕がついていきます」
「いいのか? よし! じゃあ俺と一緒に潰しに行こうぜ!」
やっぱり潰すのか……
「失礼するぞ! 体育委員長の福原だ! 新聞委員長いるか?」
「いますよ、あそこに」
「ありがとう」
先輩が居場所を聞き新聞委員長に近づいた。
「お前が書いたんだな、この記事を」
「クックク……さー? 何のことかな?」
ウザい……惚けてる。
「そうかなら力ずくで……」
「……顔を狙うね。ダメだよ乙女の顔を狙っちゃ」
「! ……そうだったな長谷川里香」
「クックク……私の能力だよ。……そこの生徒会新役員さん、私は新聞委員長、能力は感情・記憶を読み取る能力だよ。よろしくね……クックク」
……ちょっと怪しそうな人だな。
「因みにこの学園の生徒の心を読むことができるぞ。だが生徒会の人間の心を読むことは禁止されてるけどね……クックク」
残念だね。……と長谷川先輩が言った。この全校生徒の心を読むことができる……それで福原先輩のやつも分かったのか。そしてその能力の高さが“新聞委員長”に選ばれた理由だろう。
「クックク……安心しなよ。君の心の中を読んだら生徒会長さんに殺されるかなね」
「そうですか。で、本題は終わっちゃいませんよ。この記事を書いたのは先輩じゃないですか?」
「生徒会の人間に嘘は吐けないな~。そうだよ私が書いたよ。それで何だ?」
「やっぱりそうなんですね。それじゃあ生徒会室に来てください」
「何でだ?」
「福原先輩はいきなり殴ってないです。っていうかあいつ等が先に殴りかかってきたんですよ。それなのに長谷川先輩は嘘の記事を書いた」
「それは私の能力が原因で間違えた」
「嘘ですね。委員長級の人が間違えるなんてありません」
「ほぉ……面白い奴が生徒会に入ったな。ただの嘘の記事にこれほど食いつくとは」
「次から嘘は書かないでくださいね。今回は注意だけです」
「クックク……優しいな。じゃあ嘘は書かないよ。用はそれだけだろ? じゃな~」
「失礼しました……」
「俺はテメーの顔を殴らなきゃ気が済まないけどな」
新聞委員長ってああいう人なんだ……
……やっべ。HR始まるじゃん! 急がなきゃ……