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高斗! ピンチ! 大ピンチ!

 ――そういえば……こいつ……ケツの穴から手ぇ突っ込んで脳みそチューチュー吸うたろかいヤ!って言っていなよな……

 何とか意識を取り戻した高斗(タカト)

 いまだ体は動かせないが思考は回る。

 思い出されるのは女の裸体。

 って……もしかして、セイキ吸ってもらえないからって、無理やり勃たせようというじゃないでしょうねwwwこの変態!

 いや違う。違うのだ。

 高斗(タカト)が思い浮かべたのは連続殺人事件で亡くなった女子大生たちの裸の死体。

 その体からは脳と心臓が無くなっていたのだが……ケツの穴も不自然に広がっていたのだ。

 まぁ、世の中にはアナ〇セ〇クス愛好者もいる。

 女子大生と言えども、個人の性癖は自由なのだ。

 だから、いかにケツの穴が拡張していたからと言って、それを他人に面白がって口外するといった行為はプライバシーの侵害でしかない。

 だがしかし!

 今、ここにきて思えば……

 ――ケツの穴から手を突っ込んで脳みそを吸ったのではないだろうか?

 いやいやwwwケツの穴から手を突っ込んだとしても、普通、脳みそまでは手は届かないだろうwww

 というか、マジでやろうとすればケツの穴は引き裂かれ、内臓はつぶれてしまうに違いない。

 そうなれば、誰が見たってケツの穴から何かを突っ込まれたことが死亡の原因だと想像がつくのだ。

 だが、死体にはその痕跡がなかった。

 アナ〇ディルドでもツッコんだような跡しかなかったのである。

 しかし、今、ケツの穴をまさぐるコイツ……ゲルゲと言ったか……

 このスライムのようなチューブであればケツの穴から入って脳まで届くかもしれない。

 ということは……

 ――やはり、女子大生連続殺人の犯人はこいつらだったか……

 高斗(タカト)は確信した。

 だが、それが分かったところで、どうしようもない。

 今まさに高斗(タカト)のケツの花は、ゆっくりとゲルゲによって押し広げられようとしていたのである。

 高斗(タカト)!ピンチ! 大ピンチ!

 高斗(タカト)!貞操の危機なのだ!


「マッシュ! ゲルゲ! あとは頼んだや! 俺はアイナを追うや!」

 とガイアは踵を返してビルの入口へと走り始めた。


 そして、高斗(タカト)はというと……

「あふん♡」

 ついに達観した。


 だが、その瞬間! ズボンの裾からゲルゲが飛び出した。

 そして、スライムであるにもかかわらず激しく咳き込み嘔吐を繰り返しはじめたのである。

 なにがあった!

 ゲルゲに何が起こったのだ?

 もしかして、コレは毒ガス攻撃⁉

 そう! あの時! あの瞬間! 高斗(タカト)は達観した。

 そして、一発!

 プうっぅ~

 と、でっかい屁をかましたのである。

 経験者なら分かるはず……肛門科で痔の検査をしてもらうために触診と称して指を突っ込まれた時のことを想像してほしい……どうしても我慢できないのだ……作者など、屁ではなくてアッチが出てしまったぐらいである。そう考えると屁だけに抑えた高斗(タカト)は強者と称してもかまわないだろう。

 まぁ、屁しか出ないのは仕方ない。

 だって、パチンコで負けて食事をする金がないのだからwwww

 だが、高斗(タカト)は人間。

 人である以上、何かを食わないと死んでしまう。

 かといって、コメも味噌も何もない……

 あるのはカレー鍋が一つ。

 それもいつ作ったのか分からないぐらい超古い……

 だが、それしかなかったのだ……

 せっせと、水で薄めてはその日をしのぐ……

 具材が少なくなったと思えば、近くのゴミ箱から魚の骨を拾って鍋に突っ込んでみた。

 ――火を通せば食えるだろ!

 だが、煮込んだところで骨は骨wwww

 食ったとたん、すぐさまトイレに駆け込んだ……

 ケツから噴き出す茶色いお水。

 そして、個室には強烈なガスが充満した。

 その(かぐわ)しい(かお)りに、高斗(タカト)自身、自ら作成したにもかかわらず眩暈(めまい)を覚えたぐらいである。

 だが、人間とは不思議なもので……数日たつとトイレに駆け込まなくなったのだw

 もう、魚の骨なんか無問題(モーマンタイ)

 ならばと、新たな境地にチャンレンジしてみた。

 鮒ずしがあるのなら腐った魚でも大丈夫!

 納豆があるのなら腐った豆でも大丈夫!

 熟成肉があるのなら腐った肉でも大丈夫!

 もう、ここまで来ると豪勢なカレー鍋であるwww


 だが……

 一つ問題が残っていた。


 それは、トイレがとにかく臭いのだwww

 高斗(タカト)の中で生成されるガスがとても強烈な異臭を放っていたのである。

 だが、それは所詮トイレの中だけのこと。

 換気扇を回して外に排出してしまえば万事解決! オールクリーン!


 しかし!その時!運命のいたずらか!


 タカトの部屋の裏道を隣の住人が歩いていたのである。

 換気扇から噴き出す排気ガス。

 それを思いっきり吸い込んだ住人は……意識を失ってぶっ倒れたwwww

 慌てた通行人が救急車をよぶと、なぜか警察や自衛隊まで出動する騒ぎに。

 道という道には非常線がはられ、

「ただいまこの辺り一帯で強烈な毒ガスが計測されました! 付近の皆様は絶対に外に出ないようにしてください!」

 なんか……空には報道ヘリまで飛ぶ始末……

 もうどうにでもなれwwww

 だが、後始末は大切……事実を知った敏子が関係各所で頭を下げて回って事なきを得たのだが……当然、この後……敏子にしこたま叱られた。

高斗(タカト)3曹! こんなものばっかり食べているからでしょ!」

「仕方ないだろ……食べるものがないんだからよ……」

「フン! だったら、私が作ってあげてもいいわよ!(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)」

 と……作ってくれたのが、これまたカレーだったwww

 だが……

 正直言って……

 食えたものではなかった……

 読者の皆さんは質問されたことはないだろうか。

 ウ〇コ味のカレーとカレー味のウ〇コ。食べるのならどっち?

 はっきり言って、どちらも嫌だ!

 だが、どちらか食べないと死ぬというのであれば、作者はウ〇コ味のカレーを選ぶ。

 だって、カレー味のウ〇コはウ〇コだが、ウ〇コ味のカレーはカレーなのだ。

 ならば、まだカレーという食べ物であるウ〇コ味のカレーの方がましだと……思っていた。

 だが実際には……食した時点でウ〇コ味。その臭気がケツの穴に到達するころには、どうなっていることか……もう、皆さま、お分かりだろう……それはもう……高斗(タカト)の腐ったカレー鍋をしのぐほどの臭気に!

 そんなガスが充満したタカトの直腸。

 そんな肛門をゲルゲが刺激したのである。

 出物腫れ物所構わず!

 プうっぅ~と一発!

 ゲルゲが飛びのいたのは分かるような気がする。

 というか、ゲルゲ……そんな毒ガスを吸って大丈夫だったのか?


 えへへへへへへ

 完全にラリっているゲルゲちゃんwwww

 フラフラになっているその体は、なぜか目の前に飛び散るゴミに手を伸ばし始めた。

 それは先ほど高斗(タカト)がツッコんだ際に飛び散った生ごみ。

 魚の骨や腐った肉、残飯などである。

 スライムが触手を伸ばして生ごみを取り込むたびに、あれほど青く透き通っていたの体液が黒く濁っていくようだった。

 だがまぁ……あの高斗(タカト)の屁に比べれば、こんなゴミなどいい香りにちがいないwww

 おそらく、今のゲルゲにとっては高斗(タカト)以上のご馳走に見えたことだろう。

 とにかく、再生!

 強烈なダメージを受けた体を再生するためにはエネルギーがいるのだ。

 というかwwwゲルゲの奴、ダメージを受けていたのか?

 当たり前だろ! HPが10,000ぐらい下がる直撃ダメージ受けてたんや!

 だいたい毒ガス攻撃でダメージを受けない奴なんておるんか?

 おらんやろ! そんな奴がいたら!アマゾンでガスマスクなんて売ってないわ!

 しかし、スライムは魔人世界の生き物。活力を得るには生気が必要。

 必要なのであるが、取り込んでいる生ゴミには生気が全くないのだ。

 というのも、ゴミはすでに生物としての命が消えているため万気はあるが生気はないのである。

 だが、スライムにとってそれはどうでもいいこと。

 ようは体内に取り込んで分解できればいいのである。

 アミノ酸!うめぇ!

 タンパク質!きたぁぁぁぁ!

 ということで、パクリ! パクリとゴミを取り込み続けていた。

 

 もう……完全に役立たずのゲルゲちゃんwwww

 こんな状態でガイアに命令された高斗(タカト)を殺すことができるのでしょうか?

 いや、できないよね……

 でも、この場にはもう一人残っていた。

 そう、マッシュである!

「とらん!ザム!しゅ!」

 赤みを帯びた体がまっすぐに加速する!

 あの掌底をもう一発食らえば、今度こそ高斗(タカト)の内臓はブシュっと破裂すること間違いない。

 それはもう……シュールストレミングの缶詰を開けた時のように!

 そうなれば……ここら一体、どえらいニオイが立ち込めることになるだろうwww

 もう……何人、死人が出ることやら……

 って、そんな問題じゃない?

 だが、 高斗(タカト)には、どうにもできないのだ。

 ――くそ!

 別にウ○コがしたい訳じゃないぞ! 高斗(タカト)高斗(タカト)なりにマジで焦っていたのだ。

 まっすぐに突っ込んでくるマッシュの攻撃。

 ――超振動チタンブレードで受けるか?

 いや、超振動チタンブレードが耐えれても自分の体が耐えられない。

 避けるのが最善の策だと分かっているのだが足に力が入らないのだ。

 万事休す!

 ――ココまでか⁉ いや、コイツらの情報だけでも敏子に!

 身動きができない高斗(タカト)は自分が今できることを考えた。

 だが、この刹那の状況でどうやって情報を残せばいいというのだ!

 ――思いつかねぇぇぇえぇぇ!

 当然である……


 それでも時は進む。

 いかに思考が集中し、認識される時間がゆっくりとなったとしても時間は進むのだ。

 そして、当然に……吹き飛ぶ体。

「ゲホオッ!」

 わき腹に大きなくぼみを作ると、唾液をまき散らしながら回転した。

 その衝撃! おそらく先ほどマッシュが繰り出した掌底以上!

 壁に激しく打ち付けられたその体は、もうピクリとも動かない……いや動けない。


 だが!

 吹き飛んだのは高斗(タカト)ではなかった!

 そう! 何を隠そうマッシュのほうだったのである!


 高斗(タカト)の目には黒光りした巨大なダ○コン、もといダイコンがハッキリと映っていた。

 もう、ダメだと思われたあの瞬間。

 それは突然飛び出してきた。

 道路の脇の森を突き破り、一つの巨大な大根もとい棍棒が振りぬかれたのだ。

 それは!電磁棍棒!

 人型装甲騎兵白虎が装備している武器の一つである。

 本来の電磁棍棒は警備会社の警備員が持っているような伸縮タイプ。そのため見た目は大根というよりゴボウなのである。

 だが、今、高斗(タカト)が見る棍棒は、まさに大根!いわゆる鬼の棍棒なのだ。

 はっきり言って、機動力を重視した白虎には似つかわしくない装備。どちらかというと重量級の人型装甲騎兵玄武が持つものと言えよう。

 そんな似つかわしくない棍棒をドスンとアスファルトに突き立てながら、1台の白虎が倒れたマッシュへとにらみを利かしていた。


 白虎……それは白虎というだけあって機体の色は白く輝いていた。

 だが、いま、高斗(タカト)の目の前に立つそれは白くない……

 白虎と同じフォルムをしているにもかかわらず、全身!赤! 真っ赤っか!

 つま先の先まで赤いのだ。

 だが、考えてほしい……

 スーパー戦隊のリーダーも赤ではないか。

 赤き彗星と呼ばれていたシャアが乗るザクも赤色だった!

 そう!言うまででもなく赤は指揮官の色!

 だから、この機体、隊の指揮官である敏子専用の機体なのである。

 かつて、格納庫で白虎を見た敏子いわく……

「なんか、可愛くないわね」

 瞬間、ヤバいと感じた作業員たちは、まるで蜘蛛の子を散らすかの如く急いで帰宅しはじめた。

「お疲れした!」

「もう!徹夜は嫌だ!帰りたい!」

「子どもたち会いたいよぉ~」

 で……残るは格納庫の片隅で自分の趣味の製作作業に没頭する高斗(タカト)一人。

 そんな高斗(タカト)は敏子に捕まり……この日5回目の徹夜で機体の塗りなおしをさせられたのであった。

 まさに、「鬼! 赤鬼上司!」

 そうして生まれたこの機体!名前を「赤虎」という!


高斗(タカト)3曹! 無事か!」

 赤虎の外部スピーカーから敏子の声が響いた。

 ゴミの中からなんとか立ち上がる高斗(タカト)

「ああ……それよりなんでお前がここに……」

 確か敏子は先ほどの公園で白虎隊を指揮していたはず。こんなところに敏子が単体でいるのはおかしい。

 だが、スピーカーから返ってきた言葉は、

「あれだけ騒いでいれば、いやでも気づくわよ!」

 どうやら、高斗(タカト)と黒い三年生たちが怒鳴り合っていた声が聞こえたようだ……って、そこまで声、大きかったか? いやそんなに大きくないやろ。まあ、確かに黒い三年生のイキリ声は少々大きかったかもしれないが、それは街中ではよくある程度だ。とてもじゃないが、ココから敏子たちがいた場所まで声が届くわけがない。というか、あの程度の会話を聞いてヤバいって思う方がかなりヤバい。

 もしかして……敏子さん……高斗(タカト)のストーカーとかwww

 ――まぁ……おそらく茂武(もぶ)さんの指示だろう……


 高斗(タカト)が公園を去ったのち、すぐさま三機の白虎は女子大生の殺人現場へと移動し始めた。

 それに従い歩兵部隊も動く。

 投光器の輝く公園には指揮部隊だけが残り、次々と入ってくる情報をまとめていた。

 そう、ここまでは当初の計画通りだった。

 だが、ここにきて高斗(タカト)が勝手にEBE(地球外生命体)を一人で捜索し始めたのだ。

 まぁ、民間への出向者が勝手にやること。隊が関与する必要性は特にない。

 だが、茂武(もぶ)には何か思うところがあったのだろう。

 というか、茂武(もぶ)の目の前では、先ほどから敏子が親指の爪をガジガジと噛みながら足先をトントンと打ち付けている。

 もう……見るからに、なんだかかなりイラついている様子。

 はぁ~と、ため息をつく茂武(もぶ)

 いや、もしかしたら、敏子は高斗(タカト)のことを心配しているのかもしれない。

 茂武(もぶ)だってそうだ。

 だがこんな様子の敏子に現場指揮なんて任せてられない。

 ならば、いっそうのこと、高斗(タカト)の護衛に敏子を回らせてはどうだろうか?

 ――案外、ヒョウタンから駒、いやEBE(地球外生命体)が出てくるかもしれないよね。

 ということで、茂武(もぶ)の命令に嬉々としながら敏子は赤虎に乗り込んだのだ。

「赤虎! 起動!」



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