1 巳都(みなと)
久しぶりに小説を書いたので日本語が怪しいです。
ちゃんと最後まで書けるといいなぁ。
がんばります。
水の匂いがした。
空は、淡い青で雲は見えない。
でも、これは雨の気配だ。
青崎巳都は、風の流れを追った。
精霊たちが、楽し気に駆け抜けていく。
その周りに水の子どもたちが戯れる。
もうすぐ、雨になる。
巳都は、神渡の一族の末席に生まれた少年だ。
昨今ではめずらしく、強めの能力を持って生まれた。
人ならざるものを視ることができる。
とは言っても、退魔の能力はほぼ無い。
だから本家に引き抜かれることも無かった。
風のこどもたちが、巳都の髪に手を伸ばす。
彼らはすぐに悪戯をする。
絡まるのが嫌で髪は短く切った。
庭木のさざめきを眺めながら、何となく彼を思い出した。
学校の下級生。
黒髪というには少し明るめの髪をした1年生の少年だ。
同じ色合いの瞳は、深い 大人びたというより年経た色を湛え、捉えどころの無い笑みを浮かべる少年の名は「神渡 真」
本当は、本家に属するはずの少年だ。
本来なら当主となるべき資質を持って生まれた子どもだ。
まあ、これは隠された事案で、たまたま巳都は知る機会があっただけだ。
対立する倉一族の娘と神渡の青年が駆け落ちの末、生まれた子ども。
両家から存在を否定された子ども。
幼くして両親を失った子ども。
何らかの支援はあるらしく、孤児院に行くこと無く郊外の一軒家で一人暮らしている。
(本当は、一人じゃないけど)
(あの家 変だし)
(古い妖の気配がある家)
(あいつ 何か違う)
巳都は、ぼんやりとそう思う。
思ったところで末端の巳都に何かが生じるわけでもなく、関係ないのだが。
風が巳都をすり抜け、木々の葉をゆらす。
水の匂いが強くなる。
(降る前に部屋にもどるか)
眺めていた縁側のサッシを閉め、立ち上がった。
空は、だんだんと暗くなり始めていた。