「は?」
お金のための関係なんて、早く解消してしまえばいいのにな。
だらだら続けて自分の人生を無駄にしていると思わないのだろうか。
幸せになりたいなら自分で動いたらいい。みなみさんならやればできるだろうに。
ドタキャンは嫌いだが、簡単に借りを作るみなみさんは嫌いじゃない。しおらしく謝ってくると虐めたくなる。
謝りながら会いたいですと言ってLINEしてくる。もちろんOKだが、少し焦らすと楽しめる。
今日は久しぶりに会える。寒くなってきたから、みなみさんの温もりが欲しくなった。
しかしその日はみなみさんの様子が少し違った。いつも自分から服を脱いで誘ってくる彼女は、ベッドに腰掛けたままで切り出した。
「あの、私ね……子どもができたんです」
「……は?」
不安そうな目で見つめてくる。
一度だけで、もうできたのか。
「どう思いますか?」
「産んだらいいんじゃない? ……産みたいんなら」
なんとか平静を装って答えた。
みなみさんは少し悲しそうに微笑んだ。こういう表情は好きだ。俺のことを分かっていて、そのまま受け入れてくれる表情。
「それと、夫の転勤が決まったんです」
「え?」
「転勤で、引っ越しするんです。千葉県に」




