表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/33

タカオカさんが言わなかったこと

 広島は、ずっと付き合っていた女、葉月はづきの故郷だ。

 みなみさんには言わなかった。みなみさんにも家庭があるのだから、同じことだ。


 葉月とは何年付き合っただろう。5年だろうか。長く続いたものだ。

 葉月はよく勉強した真面目な子で、少しだけおろかで不器用なところが好きだった。


 地元の広島から神戸に出てきて、法学部を出たにも関わらず、何をやるか考えていなかった。

 葉月の純真な笑顔に癒やされた。会社を立ち上げる時も、いつもそばにいてくれた。


 みなみさんは一時の気の迷いだった。

 みなみさんもきっとそうだっただろう。それなのにいつの間にか惹かれた。

 俺は葉月のように優しくない。結婚にも興味が持てない。

 葉月は結婚したがっていた。応えられない時点で、別れてやるべきだった。

 遅くなったが、別れてよかったのだと思う。

 

 広島市街を歩くと、懐かしい光景があちらこちらに広がる。不思議なところだ。街に流れる雰囲気が少し日本離れして見える。街角でラフに営業するカフェは道にテーブルと椅子が張り出していて、パリの街角を思わせる風情だ。


 地方出身だとわきまえていた葉月は、謙虚で可愛らしかった。いつでも俺を立てて、よく笑っていた。

 結婚の話で折り合えなくなってから、葉月の言動がおかしくなっていった。ひねくれてくもった笑顔を見せ、素直に話を聞かなくなった。


 結婚を決められない俺からはいずれ、離れていったことだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ