「府知事と市長は公務だけどお前たちはボランティアな」大阪の職員が悪夢を見る阪神・オリックス優勝パレード
筆者:
維新の会の問題点全般についてはまとめて後日出そうと思いますが、
今回は旬の話題として
「兵庫・大阪連携『阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード』~2025年大阪関西万博500日前!~」
というイベントの「身を切る改革」から起きてしまった「公務員酷使」に注目して、見ていこうと思います。
ちなみに日本シリーズは横浜高校出身の伊藤投手が所属している阪神を応援していましたね。第7戦で勝ち投手になって大満足の日シリでした!
質問者:
(聞いてねぇよ……。そういや横浜高校ファンだったな……)
ところでこのイベントの何が問題なのでしょうか?
まだ開催もされていないわけですが……。
筆者:
この合同優勝パレードは兵庫県と大阪府の共同開催なのですが、
互いに職員を動員しています。
しかしその待遇差が歴然としているわけです。
兵庫県・神戸市は職員約1500人を休日出勤扱いで動員する一方大阪は3000人職員をボランティアとして動員しているのです。
当日は現地で来場者案内や交通規制などを担当することになっているようで、実働7時間、賃金や交通費、食事代も大阪側は出ないようです。
大阪府・市は「運営に公的資金を使えない以上(職員に)人件費を出すことが難しい」としています。
しかし、兵庫県の方が財政状態は厳しいようです。
実は阪神淡路大震災の震災関連の県債残高は21年度末時点で2498億円も残っています。「完済までにはさらに10年ほどかかる見通し」としています。
そのような状況の兵庫県の方が「漢気」があると言え、大阪府は「セコイ」と言えます。
それもこのパレードの日は11月23日の「勤労感謝の日」ですからね。
ですが、悲しいことに大阪府と市職員は「ブラックパレードの日」になってしまうのです。
質問者:
確かにこれは酷いですね…
筆者:
大阪側は「ジャンパーがもらえる」「間近で選手が見れる」ことをメリットとしていますが、
大量生産のジャンパーでパレードには背を向けて常に観客に注意を払わなければならないことから、「背中で選手を感じられて幸せ」というよほどのファンでもなければ、
「実質メリット無し」と言っても良いでしょう。
また、当日は多くのファンが押し掛けることが予想されるために、
ボランティアは保険については万全なのか? と疑問が出ています。
負傷者や器物の破損等があっても職員個人の責任になります。
また、本人が体調不良やケガをしたとしても労災扱いにならないという手当が出ない以上に悲惨なことにもなりかねないです。
このようなことから、大阪の職員組合関係者は「必要な人員なら出勤扱いで動員すべきだ」と専門スキルを持つ警備事業者の確保や待遇改善を吉村洋文府知事に申し入れましたが、拒否されています。
質問者:
こんな過酷な労働環境でボランティアが集まるんでしょうか……。
筆者:
これがとても闇深くて、10日あまりで「もう揃った」ようです。
質問者:
え!? こんな労働条件で!?
筆者:
というのも、実際上司から声がかかれば断れないのが実情です。
立場の弱い職員から無理やり「徴兵」されているに違いありません。
このように、「任意という名の強制」が巻き起こっているのです。
こ大阪は公務員の給料を減らすことに成功していますが実情は「ブラック環境の公務員」が量産されているのです。
しかも笑えるのが、大阪府知事、大阪市長は「公務」扱いらしいので「身を切る改革」というのが一般公務員だけというのが明らかになりました。
質問者:
せめて自分も「ボランティア」にして欲しいですね……。
筆者:
更にこのパレードは「2025年大阪関西万博500日前!」という明らかに余計な文言が付いています。
両軍のリーグ優勝を祝うパレードになぜ万博の文字があるのか? 野球ファンからもプラスに捉えられていません。
質問者:
何で唐突に万博について書いてあるんですか?
筆者:
大阪万博については人件費の高騰などから万博の象徴である海外パビリオンの建設が遅れています。
当事者国の都合とはいえ5カ国の撤退国が出る可能性があると11月10日MBSニュースで出ているほど悲惨です。
また万博が終わったら解体する「日よけリング」に300億円以上のお金が投入されることが分かっています。
このような状況から万博へのプラスイメージを少しでも付けさせようという意図が窺えます。
質問者:
なんだか裏目にしか出ない気がしますけど……。
筆者:
このパレードには5億円を目標としたクラウドファンディングがあるのですが、
2週間経った15日午後6時時点で集まったのは約8100万円と、目標額の15%強となっています。
ちなみに、クラウドファンディングには「公開から5日間(=スタートダッシュ期)に20%以上の支援を集めると約90%の確率で達成している」という法則があるらしく、逆に5日で20%集まらなければかなり厳しいようです。
質問者:
まだ20%にもなっていないって、かなり厳しいじゃないですか……。
筆者:
各紙記事では、
『府が府教育委員会を通じて校長らに送った7日付文書が波紋を呼んだ。「クラウドファンディングの周知について(依頼)」との題で、3千円から寄付を募っているというCFの仕組みとともに「勤務時間外に行ってください」と記されていた。
大阪府立高等学校教職員組合は「校長から言われれば業務に準ずる効果がある。自発的なはずの寄付の押しつけになりかねない」と訴え、府教委へ文書の撤回を求める方針を明らかにした。』
と苦境になっているために“任意という強制”をまたしても発動して何とか頑張っているようです。
※ちなみに5億円に達しない場合も地元企業などから寄付を募り、公金からは出さないようです。予算を減らすと、民間に負担を押し付けていく。
質問者:
凄く酷いんですけど、これでも維新の会は野党第一党を狙っているんですよね?
筆者:
まぁ、それだけ今の「日本の政党が全て悲惨」ということを表しているんだと思います。
それですら自民党政権が続くよりマシという、日本が恐ろしい状況だと僕は考えています。
こうした“ボランティア強制”は“2024年問題”の労働時間制限などでこれからも起きてくるかもしれないので注意が必要ですね。
僕はどちらかというと「綺麗ごとのお題目」に騙されず、「身を切る改革」が間違っていることをとにかく指摘続けることが大事だと考えていますね。
このパレードで公務員で起きていることが「公務員の給料を削減した」ことから起きた「現実」なのです。
質問者:
それだけ今の日本の政治家が悲惨ということなんですね……。
筆者:
この阪神・オリックス優勝パレード当日に事故やトラブルなどが起きないよう祈ります。
維新の会がいかに大阪でヤバい政治をしているのか、それよりも自民党が酷いのだということを後日、長編でまとめようと思いますのでお待ちください。
ということで今回は最後までご覧いただきありがとうございました。
今後もこのような時事問題や、政治・経済、マスコミ問題について個人的な見解を語っていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。