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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

I □□□□ know

作者: 湫
掲載日:2022/12/30

短編小説です。軽くサクッと読めます。過激な表現は少ないです。趣味で書いた為、低クオリティーです。

〈俺サイド〉

 俺はいつも通り会社に向かうため、電車に乗るつもりだった。その時だった。誰かに背中を押されて俺は線路へと飛んだ。

「?!」

 俺はどうなったんだ。そして此処はどこだ?全身が汗でびしょ濡れだ。パッと辺りを見渡してみよう。少なくとも電車のホームでは無いし病院でも無いらしい。なんとなくだがゲームに出てくるような"魔王城"の廊下の様な厳かな雰囲気を感じる。ってそんなこと考えてる暇は無い。とりあえず色々知らなくては。周りを見てみるしかすべはない。

 !何やら奥に扉が見える。入ってみるか??...いやここは聞き耳を立てよう。まさかこんな時に変な知識が役に立つとはな。少し厚い扉に耳を当て聴く。

「....ですか。あの人は....なので..して下さい。」

女性の声が聞こえる。内容は...肝心なとこだけが聞き取れない。さてどうするか。正直恐怖でしかない。そのまま扉を開けるか、それとも隠れていようか…。

 ガチャ。あ。しまった。そうこう考えているといつも間にか扉が開いてしまっていた。そして美しい女性と目が合った。美しい。俺のドタイプの理想の女性だ。しかしこの女性、何処かで見たことがある様な気がする。その素敵な女性はしまった!という顔をして

「お待ちしておりました。」

と、曇った顔で私に伝えた。

 その女性に案内され城の中を見て回った。あまり馴染みが無い感じだ。チラチラと周りをみる。回っている間は何も話さなかった。いや美しすぎて話せなかった。彼女についていかないという選択もあったがとりあえずついたら何か分かると思ったし、そもそも俺がこの女性に一目惚れをしていた。

「こちらです。」

 と言われ部屋の中に案内された。そこには机と椅子、それから食事が用意されていた。これも何処か見たことのある光景だった。どこだったかは思い出せない。…なんとなく席に着く。あいにく俺はテーブルマナーというものを知らない。そして、この食事がなんという名前なのかも、どんな味なのかも知らなかった。とても気まずい雰囲気だ。

「どうぞ。」

 女性の声は震えているように感じた。…怪しい。もしかしたら毒が?あまり食べる気にはなれない。しかしこの静寂は切り抜けたい。どうするものか。カチャっと何か音が聞こえた。

「ばん。」

 そう聞こえた瞬間体が動かなくなっていた。動かしたくても動けない。俺は気づいた。銃で撃たれたのだ。目の前が曇る。こんな曇りは毎日見ている気がする。それは妻の様な…。

誰かがこう言った気がした。

「あなたは何も知らない。」


〈私サイド〉

 私はいつも通り、あの人のためにご飯を作る。洗濯をする。掃除をする。そんなことが"当たり前"になった曇った毎日が嫌になった。

 数日前、たまたま買い物をしている時だった。あの人を見つけ声をかけようとした。そのときあの人はとても美しい女性と嬉しそうに話していた。そう、不倫だった。今思えば数ヶ月前からそうだった。「許せない。復讐しよう。」そう思った。

 今日、私はとても機嫌が悪い。何故ならあの人は私の作る朝ごはんがお気に召さないらしい。どうしたものかと、毎日試行錯誤していたら、とうとうあの人に「もう、いらない」と言われてしまった。そのこともあって、私は余計あの人が許せなくなり、あの人を殺害しようと神に誓った。

 数時間後。あの人が乗る電車を私は知っている。そしてあの人がスマホに夢中になっている時、私はあの人と一緒に線路へと飛んだ。

 ??ここは黄泉の国だろうか。正直地獄に行く覚悟は出来ていたので、ここが美しい城なのは驚いた。そして、私がこの前あの人と歩いていた美しい女性になっていたことも。

「こんにちは。お嬢さん。」

!?何処からか声がきこえる。人は見えない。

「驚かないで。ここは復讐の城だ。恐れなくていい。」

誰だ?本によくある神?というものなのだろうか。そして神?は何を言っているのだろう。もう復讐は線路に飛び込んだ時点で済んでいるはず。

「いや。まだ、復讐は済んでいない。何故なら、被害者の貴方も一緒に死んでしまっては心の傷の貸借が合わないから。まだ彼には罪を償いきれてないってわけ。」

なるほど、私もいっしょに死んでしまったら、あの人はまだ罪を消化できていないと、神?は言っているらしい。よく分からないがまぁいいだろう。

「そうですか。あの人はまだ許せないです。とても。なので、罪を償わせてやって下さい。」

そう言って私はこの部屋から出ることにした。 

 ガチャ。あ。!!??あの人がいる。まさかこんなところに居たなんて。神の言うことは本当らしい。そしてあの人しまったと言った表情をしながら、じっとこちらを見つめている。…やっぱり貴方は"私"には気づかないのね。そう思った。「お待ちしておりました。」私はそう言った。

 さて、どうしようか。あの人の嫌いな朝ごはんに毒でも入れようか。実際の所、ノープランだ。しかし私はもう、立派な犯罪者だ。毒を食らわば皿まで。そう思うことにした。自然と食卓への場所が分かる。とても馴染みがある様に感じた。あの人は、不安そうにしながらも私についてくる。貴方は不安そうにチラチラと周りを見ている。貴方は馴染みがあるとは思わないのね。そう思った。

「こちらです。」

 食卓へついた。私も初めて入るがいつも見る光景な気がした。あの人は一瞬、気づいたような素振りを見せたが、やはりなんとなくで席につく。

 そんな時、私はポケットに重みを感じた。

なんだろうと思って、少しポケットを探ってみるとそれは銃だった。まさかの展開に思わず息を呑んでしまった。

「どうぞ。」

これで私はこの人と別れを告げられる。この思いはあの人は知らない。心臓がどくどくと脈打つ。それは恋に落ちた時の様な胸の高鳴りだった。

「ばん。」

あの人は、体を動かそうとしても動かせないような動きをしていた。かわいそうに。

 あの人は、やはり私には気づかなかった。毎日あの人の為に考えてる朝ごはんも。いつも綺麗にしてる家も。少し変わったリビングも。きっとこの机に置かれている私の得意料理も知らないであろう。

私は顔を曇らせあの人に言った。

「あなたは何も知らない。」

夫目線と妻目線の2人の目線で書いてみました。2人の意識の違いや考えを大切にして書けました。自分にしてはいいほうですが、まだまだ全然ダメなので頑張りたいです。

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