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突撃!次元の狭間の空間訪問その1

ここは次元の狭間の空間……そう、そのはずである。


そのはずであるのだが……


(おかしい……何かがおかしい)


そう、次元の狭間の空間には本来、自称神を名乗るカラスのカグを除けば自分の1人のはずなのに


なぜか今、自分を含め3人いた……


「どうも~俺たち渋谷系Gチューバー、エントランスっで~す」

「あげぽよ~ってことで今日もノリノリでいっちゃう系?」


(何言ってんだろうこいつら?)


「あれあれ?もしかしてカイトっちノレてない系?」

「もっとテンションあげぽよ~ん」


(何?このチャライ男2人?うぜー……)


「さっきからカイトっち無言だけど、こっちは進めてくからよろチクビー」

「おいおい冒頭からいきなり下ネタマンボーハンパねーって!!」


(こいつらもうしばいていいかな?)


「というわけで今日も元気にいってみYO」

「フォー!!」

「いや、だからお前ら誰だよ?」

「お?やっと反応してくれたじゃんマジリアクション遅すぎ晋作」

「おいおい、ちょっと親父ギャグマジパねーじゃんwwwww」

「いや、だからお前ら誰だよ?」

「あれ?ひょっとして知らない系?俺たち渋谷系Gチューバー、エントランスのGたろうと」

「Gねちぃで~す。よろちくびー」

「まーた下ネタ言ってんじゃんwwwwwこいつマジパねーわwww」


(………うぜー)


「つーか何だよあんたら?というかさっきから文章も会話文だけで省エネすぎんだろ!!」

「この空間はそういう仕様ですしー?」

「本編じゃないしー?」

「なんかメタな発言が出たな…いいのかそれで?っていうかGチューバーって何だよ?」

「知らねーの?今子供から老人までなりたい職業No1のGチューバーを?君遅れてる~」

「Gチューバーはその名の通りGodtubeで配信してるやつのことだぜ~い」

「なんだよGodtubeって……」

「神さまがよく見る動画アプリだろ、知らない系?」

「……頭痛てー。つかそんなアプリ需要あんのかよ?」

「当然じゃん?神っていっぱいいんじゃん、そして暇持て余してるじゃん?だから再生数稼ぎ放題儲け放題じゃん?」

「マジハンパねー」

「え?そんな神っているの?」

「は?君マジで乗り遅れすぎでしょ?神なんて一神教の絶対神しかいないとか文明視野狭すぎwギリシア神話、ローマ神話、北欧神話、ケルト神話、中国神話、アステカ神話、日本神話……インドの神とか何億いんだよ知ってる?」

「……あ、そう」

「反応薄くない~?元気でしてコマネチ!」

「……で?あんたらただの動画撮り?」

「俺たち渋谷系Gチューバー、エントランスは色んな異世界にいって、ウケる動画を撮りまくって配信してるってわけよ」

「色んな異世界に?俺と同じ異世界渡航者ってわけ?」

「NON,NON。違うよ?俺たちは異世界転移者。動画撮り終わったら編集作業しに日本に戻るしネーイマール」

「はは!ここでそれ使っちゃう系~?」

「……異世界転移者ね。つまり能力奪えるわけだ」

「え?ちょっとカイト君?真顔でアビリティーユニットこっちに向けるの止めてくれる?ちょっと落ち着こう?」

「ほんと一回冷静になろう?ね?それ下ろして?こっちに向けないで?」

「…………」




「は~い、気を取り直して!今回俺たちエントランスは只今数多の異世界に殴り込みをかけてるカイトくんの本拠地に来ております」

「う~ん殺風景!」

「帰ってもらえます?」

「まぁまぁそう言わず~まずはこのカイトくんのホーム。次元の狭間の空間を紹介しま~す」

「突撃!次元の狭間の空間だぜ~フォォォォ」

「マジで帰って?」



■桟橋から広場■


「は~い、というわけで異世界へと渡る桟橋。それを渡りきるとこの空間の大半を占めるメイン空間。何もない広場にでま~す」

「マジで何もねーーーーーwwwww」

「え?普段ここで何してる系?」

「………ランニング」

「それ以外は?」

「……50メール全力疾走」

「……それだけ?」

「あと移動」

「………」

「………」

「………」

「………はい!次行こう!!」



■倉庫■


「は~い、というわけで倉庫にやってきました~」

「ほとんど何もはいってねーーーーwwwww」

「え?ここ使ってる系?」

「……特に荷物ないし使ってませんが?」

「………」

「………」

「………」

「………はい!次行こう!!」



■食堂■


「は~い、というわけで食堂にやってきました~」

「クソ広ーーーーwwwww」

「え?1人なのにこんな広い食堂いるの?」

「まぁ正直いらないわ」

「だよねだよね~ほんとこんな広いとこで1人で食うとか寂しいわw」

「でもキッチンは本格的じゃん?ひょっとして料理はこだわっちゃう系?」

「1人カイトキッチンやっちゃってる?wwwwマジそれ撮らしてよwwww」

「いや、料理できないし。いつもレトルトかカップ麺で済ませてるからキッチンの意味ないですね。そもそも食材も特にないし」

「………」

「………」

「………」

「………はい!次行こう!!」



■温泉■


「は~い、というわけで温泉にやってきました~」

「クソ広ーーーーwwwww露天風呂貸し切りマジ最高じゃん?」

「こんなん毎日テンションアゲアゲっしょ?」

「いや、ここいつも真っ暗だし景色なんてないし」

「……そうなの?」

「それに狭間の空間にトイレここしかないし」

「……そうなの?」

「広すぎて掃除大変だし」

「……でしょうね」

「………」

「………」

「………」

「………はい!次行こう!!」



■アビリティーユニットをメンテナンスするための施設■


「は~い、というわけでメンテナンス施設にやってきました~」

「こんな機密性高いとこ公開して大丈夫?」

「え?これ見せてなんか問題あるの?」

「……さぁ?」

「わっかんね」

「………」

「ところでここではどんなことができる系?」

「モニターいっぱいあるけど大変そうだね?」

「アビリティーユニットをメンテするのと狭間の空間全体の管理と次の異世界の言語の簡易ラーニングとあとくぁwせdrftgyふじこlp」

「………はい!理解できないので次行こう!!」


■トレーニングルーム■


「は~い、というわけでトレーニングルームにやってきました~」

「東京ドームくらい大きいけど1人しか利用しないのになんでこんなに大きい系?」

「そりゃ施設が色々あるから」

「どういう系?」

「まぁ見たらわかるけどまずは大きい戦闘シミュレーションルーム、AR機能を使って対人対怪人怪物戦闘を疑似体験できる。ここは後々奪った能力の動作テストも行う予定、あとウエイトルームに各種格闘技のトレーニング施設を参考にした部屋もあるし、射撃場もあるし米軍露軍の特殊部隊の訓練施設を模した部屋や警察の特殊部隊の……くぁwせdrftgyふじこlp」

「………はい!理解できないので次行こう!!」


■謎の巨大な宇宙船のようなもの■


「は~い、というわけで広場の奥の閉ざされたゲートの前にやってきました~」

「なんか奥にSF映画やSFアニメに出てきそうな謎の巨大な宇宙船あるけど一体あれ何?」

「知らん。解放されてないスペースって言ってたけど意味がわからん」

「……まぁ乗れたら楽しそうじゃね?」

「男の子の夢だよね~宇宙船に乗って宇宙の彼方へお後がヒュイゴー!みたいな?」

「それネタ終わってんじゃん!マジヤバタニエンwww」

「いや、そこまでテンションあがらないでしょ?」

「………え?興味ない?」

「特には」

「………興味湧かない?」

「本作トップページの主人公の説明文読みました?」

「………」

「………」

「………」

「………はい!次行こう!!」



■就寝部屋■


「は~い、というわけでいよいよメインイベント!カイトくんのお部屋にやってきました~」

「ここでカイトくんのプライベート暴露しちゃうよ~www」

「おい(怒)」

「は~い失礼しま~っすw」

「う~ん、ごく一般的な高校生の部屋だね~」

「どういう基準だよ?」

「さ~てベットの下のエロ本AVエッチな玩具漁るよ~」

「おい(怒)」

「………何もないじゃん」

「んなワケ………」


それから小一時間エントランスの2人は部屋をガサ入れしたが何もめぼしい物はなかった。


「………カイトくんさぁマジで趣味ないの?ガチだったの?あれ」

「いやだから本作トップページの主人公の説明文に書いてるでしょ?」

「………」

「………」

「………」

「………はい!次行こう!!」



■エンディング?■


「は~い、というわけで寂しいですがお別れのがやってきました~」

「寂しクリーミー~」

「用が済んだならはやく帰って?」

「さて、ここで恒例のお便り、ご質問に答えるコーナーに入りマクスウェル」

「ポーターキング~w」

「……意味がわからん、そして質問に答えるて何だよ?」

「そりゃこの作品に関する読者のご質問に答えるに決まってるジャンカラオケ?」

「………いやないでしょ、そんなの」

「嘘だ~またまた」

「いや、こんなドマイナーな作品にそんなの一つもねーよ」

「そんなメタ発言してもって………………ガチ?」

「………」

「………」

「………」

「人気ねーな君」

「黙れ」

「………むなしくなるのでカイト君が何か質問してよ」

「意味がわからん」

「いいから」

「……最初の異世界ってあの後どうなったの?」

「いい質問ですね~あの世界はあの後、勇者によって魔王は倒され平和になりました。チャンチャン」

「………いや勇者は倒したじゃん」

「君も言ってたでしょ?もしかしたらラーゼが代役になるかもって」

「じゃあラーゼが勇者に?」

「ネタバレになるので言えません」

「え?今後も絡んでくるの?」

「いや?もうあの世界は今後物語には絡んでこない予定ですよ?」

「じゃあ言ってもいいんじゃ」

「ネタバレになるのでダメです」

「どういうこっちゃ」

「は~~い!というわけでご質問などございましたら感想に書いてくれましたら次回答えます!なんで質問あれば書いてくださいね~」

「迫真やめろ。というか次回ってなんだよ」

「また次の異世界から戻ってきた時なような気がすすきの呑みにケーション」

「………またやる気なのかよ?」

「まぁまぁ、そう嫌がらずに!お詫びにカイト君の願い叶えてやるからさ」

「願いって何だよ?」

「いや、勇者パーティーに出会った時言ってたじゃん?仲間がいるって羨ましい、ハーレムって妬ましいって!」

「解釈ねじ曲げすぎだろ!!」

「だから!!最初の異世界のメンツで!!カイトくんに疑似ハーレム生活送らせてやるから俺たちに拝みたおせYO!!」

「いや、頼んでねーし!!」

「じゃあどうぞどうぞ!lこれぞ王道異世界ハーレムを体験してどうぞ」

「おい!!聞けよ!!」


▲とある異世界渡航者のハーレムログその1▲


 「おーい!!カイトー!!こっちこっち!!」


 酒場の奥、いつもの窓際に近づくと元気よくラーゼが手を振ってきた。そして笑顔で空いている自分の隣のイスをポンポンと叩く。

 ここに座れってことだろう、言われるまま席に着くと笑顔で腕に抱きついてきた。


 「ふふーん」

 「おい、いきなりどうしたんだよ?」

 「だって~しばらく離ればなれだったんだし~」

 「ちょっとの間だろ?ほんとラーゼは甘えんぼうだな」


 はははと笑うと向かいの席にいたチカがむすーっとした顔になった。


 「ちょっとラーゼ!!カイトにくっつきすぎよ!カイトは私といちゃいちゃしたいんだから!」

 「そんなことないですー!ねーカイト?」

 「え?んーどうだろ?」

 「ちょっとカイト!?」


 ラーゼがむすっとした顔を向けてきた。さてどうご機嫌を取ろうかと思考を巡らせているとチカがニヤっと笑って席を立ってそのままこちらへと駆け寄ってきてラーゼとは反対の腕に抱きついてきた。


 「ほーらカイトは私に抱きつかれたほうが喜んでるでしょ?だって私のほうが胸あるし」

 「ちょっとチカ!カイトから離れて!」

 「嫌だしーカイトも離れてほしくないよねー?」


 ラーゼとチカが自分の両腕に抱きついてわいわい言ってるのを聞きながら、あぁこれも悪くねーなと思ってると向かいの席でジト目でこちらを見ていたマインがボソっとつぶやいた。


 「ラーゼもチカもカイトに慣れ慣れしくしすぎ、カイトはあたしと伴侶になる身」


 その言葉にラーゼとチカが反応する。


 「マインいい度胸ね!!いいでしょう!誰がカイトの隣にふさわしいか勝負よ!!」

 「正妻戦争ってわけね!望むところよ!!」

 「負けない」


 ラーゼ、チカ、マインの3人が立ち上がって火花を散らす。

 落ち着け!と3人をなだめるがここでさらに事態をややこしくする人物が乱入してきた。


 「聞き捨てならないわね!わらわを除け者にしてそのようなこと!許しませんわ!」


 酒場に突然ドレス姿の王女殿下が現われたのである。

 それを見てラーゼが見るからに嫌そうな顔をした。


 「淫乱ビッチ姫何しにきたの?邪魔なんだけど?」

 「あなたいい加減その侮辱まみれの呼び名止めなさい!不敬罪ですわよ!いつまで経っても館に来られないのでカイトさまを迎えに来たのですわ」


 王女殿下がそう言って近づいてきたところでラーゼ、チカ、マインの3人が王女の前に立ち塞がる。


 「ちょうどいい機会ね!ここではっきりさせましょう!誰が一番カイトにふさわしいか!」

 「カイトは私がいいに決まってるし!だってこの中で私が一番胸があるし」

 「胸に脂肪だけたまってオツムが足りないバカには負けない」

 「わらわが一番に決まっていますわ!こんなもの勝負にすらなりませんわ!」


 4人はその後にらみ合うと揃ってこちらに振り返った。


 「「「「で?誰を選ぶの?」」」」


 4人に迫られてそこでようやく我に返った。


 「っていうかなんじゃこれ!?いやもうこの状況という設定2章終わった後で無理すぎんだろ!!」


 叫ぶと天の声のようにどこからかエントランスの2人の声が響いた。


 「いや~モテモテ疑似ハーレム生活だから本編関係ないじゃん?」

 「男の夢全快でマジキモいんですけどーwww」

 「てめーら勝手に始めといて何言ってんだ!?」


 と、その時だった。背後で殺気を感じた。


 何だ?と思って恐る恐る振り返ると柱の陰からまるで邪馬台国の卑弥呼を連想するような服装をした誰かが恐ろしい形相でこちらを見ていた。思わず背筋が凍りそうになる。


 「ひぃ!だ誰?」

 「誰ってカイトくんの唯一無二のヒロイン、フミコちゃんじゃん」


 天の声が当たり前のように答えるがいや知らないよそんなの?


 「いや誰だよ?」

 「あ、そうか2章終わった時点ではまだ登場してなかったね」

 「いや、それダメだろ!それこそネタバレじゃん!」

 「何言っちゃってるの?ここは次元の狭間じゃん?時間の概念、連続性と持続性がない世界じゃん?だから時系列通りにいくわけないじゃん?」

 「いや、それ物語としてあかんやつやん」

 「何言っちゃってるの?時系列ではまだだけど彼女すでに序章で登場してるじゃん?モーマンタイじゃね?」

 「……物語の出だしがいきなりストーリーが進んだところのお話からだったのそういう伏線だったの?」

 「とにかくフミコちゃんなだめなよ?」

 「いや何言って……」


 言い切る前にフミコというらしい少女がこちらへと突っ込んできた


 「あんたら……私のかい君から離れろーーーーーー!!!!!」


 フミコというらしい少女がラーゼたちの輪の中へ殴り込みをかけ後はもう何が起こったかはご想像にお任せします。




「さーて、今回はここまで!では次回も次元の狭間の空間から楽しい配信お届けするので質問よろしく待っててハチ公お後がヒュイゴー!」

「これまたやる気かよ……」

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