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ドルイド

穴から出ると少し先にゴブリンの集団の姿が見えた

まだゴブリン達は気づいておらず、オレ達は茂みに身を隠す…


「ざっと見る感じ50体って感じだな…」


「そうね、多分だけど斥候の時に見た300体が果樹園全体に散ってる感じだと思うわ…」


「なるほど」


ゴブリンの集団を見ると、果樹園の果実を食べるのに必死であまり周囲の警戒をしてる様子は感じられなかった…


「ん? あいつら、腹が減ってるのか? 隙だらけだな…」


「そうね、凄く無防備ね… だけど妙に体に傷が多いわね…」


オレ達はゴブリン達の様子に困惑しながらも、奇襲のチャンスと思い作戦を立てる。


ルーリエ曰く、ゴブリンが集団の時は、リーダー格のゴブリンが必ずいるらしく、リーダーの強さによって統率や連携の早さが決まってくるらしく、そういう理由からゴブリンの集団と戦う時は、リーダーを先に倒して、集団を無力化するのが、冒険者の中でのゴブリン討伐のセオリーらしい…


「剣、槍、盾、斧、メイス、色んな職業が混じってるな… リーダーが倒されたら集団が無力化するとか、何か人間みたいだよな…」


「まあ、そうね、近いかも知れないわ… ゴブリンは、人間やエルフなんかと一緒で職業による能力向上の恩恵を受けられるからね、人間もゴブリンも単体だと限度があるしね…」


職業か… オレは、ルーリエと会話をしている中で

教会で教えて貰った、職業の恩恵について思いだしていた。


この世界の生物には、職業と称号があり、それぞれ恩恵(バフ)が付与されている。


すると黙って聞いていた、ラズリがオレに質問をしてくる


「ねぇ、ノア、職業の恩恵ってそんなに凄いの?」


「あ、そうか、ラズリも職業持ちだもんな」


すると、ルーリエが驚いて声を上げる


「ち、ちょっと待って、ラズリって職業持ってるの?」


「ちょ、ル、ルーリエ、声が…」



「あ………」



オレ達は、ゴブリンとバッチリ目が合った。

幸い、ゴブリンの集団のほとんどは果実を食べる事に必死のようで、全てのゴブリンが気づいた訳でもなく、集団から少し離れていた、オレ達の近くにいた3体だけが気づいた様だった。


「ウルツ頼む」


オレはウルツを走らせ、弓で集団に1番近いゴブリンを狙う


ゴブリンどもは馬鹿なのか、口の中の果実を吐きださず、一生懸命呑み込もうとして、叫ぶ機会を逃し、オレとウルツに瞬殺された。

オレはゴブリンの死体を茂みに隠し、他のゴブリンに気付かれてない事を確認するとルーリエとラズリの元に戻った。


「ご、ごめんね、ノア、あたしのせいで…」


ルーリエが申し訳なさそうに謝ってきた。


「さっき、ルーリエが言ってくれたろ、オレ達はパーティーだから、皆で補えばいいって、同じ事をしただけだよ。」


「あ…、 うん、ありがとう…」


ルーリエは、顔を赤らめ笑顔になった


「まあ、ラズリの鑑定の内容を話してなかった、オレにも原因があるしな…」




オレはルーリエにラズリの鑑定内容を話し

固有スキル、胡蝶の夢について分かる部分を説明していく…


「なるほどね、1人で2つの種族であると… とんでもない能力ね… そして職業がよりによってドルイドって…」


「え、ドルイドって凄い職業なのか?」


オレは、軽い気持ちでルーリエに質問すると

ルーリエは頭を抱えて、疲れた顔で語ってくれた。


「マルク公国には、エルフの今まで歴史が刻んであるミスリルの碑文があるの、その中にはあらゆる事柄が記されてるわ…」


歴史を刻んだ碑文か… 前世でいう正史見たいなもんかな?


「その碑文によると、3人だけなの…」


「え…、何が3人だけだって?」


すると、ルーリエがキレ気味に話してきた


「だからー、エルフの歴史で今まで3人しかいないの!!」



「え……」



オレは、理解の範囲を越えて固まってしまう…

するとルーリエは、まくし立てるようにドルイドについて話していく。


「そもそもドルイドは、自然の力を使って、動物、妖精、精霊との対話ができる数少ない上級職なの、森と共に生き、生き物を慈しむ優しい心があり、人を導く事の出来る者しかなれない筈なのに… まさか、森と関係の深いエルフ以外にドルイドになる人が現れるなんて…」


ルーリエの話しを聞いたオレは少し考える、何々、森と共に生き、生き物を慈しむ優しい心、妖精や精霊は分からんが虫達とは話してるよな… 女王だから人を導く事も出来そうだし… あれ、まんまラズリじゃね


オレは、心の中で勝手に納得していた。


オレ達の様子を見ていたラズリは、ルーリエの頭を抱えているのを見て、オロオロとオレの近くで心配そうな顔をしている…


「ノ、ノア… 私、駄目だった?」


「いや、駄目じゃないよ、逆にラズリは凄いって話だよ」


オレは、心配そうなラズリを誉めてやると

ラズリは嬉れしそうに喜んで笑顔になった。



すると丁度、ドルイドの話しが終わったタイミングで

ゴブリン達は食事を止め、何かを探すように地面の窪みや木々の回りを探索しだした。


「ん? 何か探してるのか?」


すると、何体かのゴブリンがオレ達が埋葬用に纏めていた虫達の死骸を解体し始める。


「な、何やってるんだゴブリン達は…」


「許せない… ノア達がせっかく皆が安らかに眠れるように集めてくれたのに… こんな事…」


そう言うとラズリは、ゴブリン達の元に駆けていく


「ちょと、待て、ラズリ… 単独だと危険だ…」


ラズリは、1人でゴブリン達の前に行き、オレ達も急ぎその後を追う


「やめて、これ以上、眠っている皆を傷つけないで…」


ラズリは、ゴブリン達に大声で呼び掛けるが、ゴブリン達は虫達を解体するのを止めず、ラズリを包囲してゲラゲラ笑っている…


「ウルツ、包囲に穴を空けるぞ」


オレは、ウルツと共に包囲に加わるゴブリン達に攻撃を仕掛けるが、何体か倒したところで大楯を持つ、ゴブリンソルジャーに行く手を阻まれる。


「ち、ゴブリンの癖に大楯持ちとか面倒だな…」


オレは短剣の攻撃を諦め、魔法攻撃に切り替えようとするが

そのタイミングで「ひゅ」とオレの頬を矢が掠める…


「あっぶねー」


今のはかなり危なかった…

少し離れた木の陰を見ると、ニヤニヤした顔のゴブリンアーチャーがこちらを狙っていた…


「面倒だな…」


そう思い、矢を捌く為に回避に専念していると


「ウォーン」とウルツが遠吠えをする


その瞬間にウルツの体から魔力が溢れ、青い稲妻がゴブリン達の体を駆け巡り、「ギャー」と音を発して、何体かのゴブリンが黒焦げになる…


「あれが、ルーリエが言ってた雷の中級魔法か…」


ウルツの魔法によりゴブリンの戦列が崩れかけたタイミングで、間髪入れずに、ルーリエが詠唱を終える


「………………、フォール・インディグネイション」


ルーリエから放たれた雷魔法は、ラズリを囲むゴブリン達の元に落ち続け、ゴブリン達が消し炭になるまで続いた…


ウルツの中級魔法の後にルーリエの上級魔法を立て続けに食らったゴブリン達は、距離をとって攻撃しようとしていた、ゴブリンアーチャーと高見の見物していたホブゴブリンの数体にまで数を減らしていた…

お疲れ様です

33話投稿いたしました。

投稿遅くなり本当に申し訳ありません

本職のほうが忙しく時間がとれませんでした。

本日も読んでいただきありがとうございます


読んでみて面白いと思いましたら、ブックマーク登録と

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