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男爵の実

父さんとルーリエを落ち着かせ、途中参加の父さんにも今日の出来事を伝えていった。


「なるほどな… この娘がね、普通の可愛い女の子にしか見えんな」


「外見を見るとそうだよね… けど本当にブルーキラーモルフォだよ、ラズリ、お願いできる?」


「うん、良いよ」


ラズリは笑顔で返事をする、すると人間の体から蝶に変身してくれた。


「ほ、本当のようだな… すまんがノア、人間の姿に戻してくれるか? 正直、体の震えが止まらん…」


オレはラズリに人間の姿に戻ってもらい、話しを進めていく…

話し終わったところで、レノンさんが質問してくる


「うーん、テイムされているから問題は無いと思うが… 今後どうするんだ?」


「今後なんだけど、父さんが良ければ、ラズリもウルツのように家で面倒見たいと思ってるんだけど… まだ、カマキリ達が死んでしまって、生き残った虫達がどのくらい生きてるか分からないからね…」


オレは父さんに許可を求めると、笑顔で了承してくれた。


「ラズリもオレの家で住む感じで良い?」


ラズリは少し考えてから申し訳なさそうに返事をしてきた。


「私ね、本当はノアの家で暮らしたいの… だけど私は女王だから生き残った皆を守らないといけないの… 私のせいで多くの仲間に迷惑かけてしまったから… ノアの提案は嬉しいんだけど… 明日からは森で暮らそうと思うの…」


ラズリは普段通りに語ろとしていたが、表情はどこか悲しげだった…


まあ、ラズリの性格を考えれば確かにそうだよな…

テイムしてから、そんなに時間は経ってないけど

オレの目から見たラズリは、人間の常識などは無いが、それは頭の良し悪しでは無く、知識が無いだけのように感じる。

性格は、少し幼いところもあるが、優しくて、とても素直な箱入り娘的に感じだ、性格的にも虫達を放っておく事は出来なそうだからな…


そう考えると、ラズリが大分不憫に思えた。

洗脳され、自らの手で大事な仲間を殺してしまい、目が覚めた後は、数少ない生き残りを纏めていかなくてはいけない…

洗脳が解けた後のラズリの泣いていた姿が脳裏に浮かんだ…


「ノア、森で暮らす事になってもたまには会いに来てね…」


ラズリは、目に涙を浮かべながら笑顔でお願いしてくる…

オレはラズリの涙を拭いて、笑顔で返事をした…


「ラズリ、心配するな… オレも森に住むから…」


「え、本当?… ノア~、もう大好き!」


そう言うと、ラズリはオレに抱き付いてきた。

オレは抱き付いてきたラズリから逃れる為に苦労していると


「ちょ、ちょっと待て、ノア坊、森に住むってどういう…」

「ノ、ノア、あんた、ラズリと一緒に居たいからって…」

「ノ、ノア~、父さんは、父さんは、認めないぞ~、駆け落ちは…」


レノンさん、ルーリエ、父さんが一斉に叫ぶ


「あ、うん、明日、森に行ってから次第だけど、将来的には森に住もうと思って… ちょっと、まだ確定じゃないから説明出来ないけど、決まったら、皆に説明するよ…」


三人とも納得はしてない感じだったけど、この場は収めてもらった…


ラズリの話しは終わり、一段落した所でルーリエが真剣な顔でオレとレノンさんに質問してきた。


「ねぇ、ノア、レノン、本当の事を言って欲しいんだけど、ウルツってダイヤモンドウルフじゃ無いわよね、本当はフェンリルじゃない?」


「な…」


オレは確信を突かれ、返答な困り、レノンさん見る。

レノンさんは諦めたように大きくため息をつき、語りだした。


「ルーリエ、何で分かった? 今後の参考までに教えてくれ」


「何個か理由があるわ、まず、魔力視の魔眼で見た時のウルツの魔力量が多すぎる事ね、普通にダイヤモンドウルフであの魔力量ならLv80以上はないと可笑しいの、けどウルツは、戦闘経験があまり無いように見えるし氷魔法も使えないわ… それにウルツは戦いの最中にあたしの雷の中級魔法を見ただけで使ったわ…」


「え、雷の中級魔法を?」


「ええ、あたしも最初は驚いたわ… あの時は戦いに専念してて頭が回らなかったけど、後々考えたらそんな芸当ができるなんて神獣か限られた特異種ぐらいだもの… あと、極めつけなんだけど…」


「まだ、あるのか?…」


「ええ、これがフェンリルだって思った1番の理由なんだけど…、虫達との戦いの後、森から町まで帰るまでの間、あたし達はモンスターに1度も襲われてないの、普通は絶対にありえないわ…」


オレは、ルーリエの話しを聞いて納得する、確かに森から町までの間にモンスターに襲われないのは変だよな… それ以外は、魔力視の魔眼によって分かった部分が多いので、今後、人にバレない為の対策出来そうだな…


「なるほど、ルーリエ、今後の参考になったよ…」


オレはウルツをテイムした理由、姫フェンリルとのやりとり、フロルの東にある森が狼の国だったという事実をルーリエに伝える。


「し、信じられない… あり得ないわ… 狼の国?、狼神ウル?、姫フェンリル?、話しが大き過ぎて頭が痛くなってくるわ…」


「ルーリエ、言わなくても分かると思うがマルク公国には内密に頼む…」


レノンさんは、ルーリエに対して一応は口止めをし。

ローガンさんが辺境伯にこの件を伝えに行っている事も伝えた。


「なるほど、だからローガンが居なかったのね…」


ルーリエも納得したらしく… 話しは終わり、今日は解散の流れになった。


オレは、父さん、ウルツ、ラズリと家に帰り、ミリアに紹介する


「ミリアただいま~」


「おかえりなさい、父さん、ノア兄、ウルツ、あれ? その人だあれ?」


「私は、ラズリ、宜しくね、ミリアちゃん」


「宜しく、ラズリお姉ちゃん、わたし、ミリアだよ」


ラズリとミリアは、波長が合うのかすぐ仲良くなり、2人で抱き付きあって遊んでいる。オレは父さんと食事の準備をしていく…


「ノア、裏の小屋から、男爵の実を持ってきてくれ」


「あ、うん、ちょっと待ってて」


オレは、裏の小屋に走り、男爵の実を探していく


「くそ、暗くて見えねぇ、やっぱり、松明持ってくるんだった…」


「はい、ルーンの松明」


「おー、やっぱり普通の松明とは明るさが… て、おい」


ルーンの書いた松明を渡され、オレは盛大に突っ込みを入れてしまう。


「な、何でここにいるんだ… ルーリエ」


「た、たまたま、散歩してただけだし…」


こんな時間に散歩って、言い訳するレベルじゃないよこの娘…

オレはとりあえず空気を読んで、晩飯食ってく?と誘う


「べ、べつに、あたしは、お腹なんて…」


「くぅ~」と可愛いお腹が鳴く音が聞こえる


「ま、まあ、とりあえず晩飯食っていきな…」


ルーリエは顔を真っ赤にして黙って頷いていた。

オレは、この後の父さんの顔を想像しながら、男爵の実を選んでいった…

お疲れ様です

本日も読んでいただきありがとうございます

30話投稿いたしました。

ブックマーク60達成いたしました。

皆さんのお陰です。

いつも、ありがとうございます。


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