ソフィア
ミリアと父さんに挨拶をして家を出る。
少し歩いたところで、見知った顔の女の子が声をかけられた
「おっはよ~ ノア」
「おはよう ソフィア姉」
「ノアは今日も薬草取り?」
「うん、習慣だからね、ソフィア姉は今日も教会?」
「そうよ、司祭様がうるさいから」
「オレも今日は、東の森まで行くから町の途中まで一緒に行かない?」
「うん、良いわよ、行こう、行こう―」
彼女は近所に住んでいる、幼なじみのソフィアという1つ年上の女の子だ。
ミリアには劣るが中々に美人で家族同士の交流もあるため昔から仲良くしている。
ソフィアは回復魔法のスキルがあり、親の勧めで教会で神官になるための勉強をしていた。
教会はフロルの町の中心部にある、中心部には他にも冒険者ギルド、商業ギルド、雑貨屋、鍛冶屋、酒場、仕立て屋、肉屋、薬屋などの店が並んでいる。
アーリヤ王国は西側の領土が海に面していて、東側の領土が沢山のモンスターの縄張りに面している。
安全面から西側の領地は、大きな町があり人口も多い。
東側の領地は危険区域も多く小さい町が多いので人口は少ない。
しかし、冒険者や国から派遣される衛兵の数も多いので田舎町だが中心部は
まあまあ、賑わっている。
「ノア!、ねえ、ノア!、聞いてる?」
「あ、ごめん、聞いてなかった…」
「もー、ボケてないで、ちゃんと話し聞いてよね。」
「ごめん、ごめん、で何の話しだっけ?」
「あのね、東の森に行った時、キアル草があったら取って来てほしいの」
「キアル草か…いいよ、見つけたら取ってくるよ。」
「やった―ありがとう、ノア! お姉ちゃん、ノアの事大好き―」
「ウン、オレモ、スキ」
「もー、何でカタコトなのよ―」
すまん、ソフィア姉、オレには、ミリアという女神がいるんだ。
「ところで、キアル草でグリーンポーションでも作るの?」
「凄い―、ノア、良く知ってるね?」
「薬草の知識は、父さんに色々教わったから。」
「そっか、モアメットおじさん、元冒険者だもんね。」
「せっかく、司祭様にグリーンポーションの作り方、教えてもらったから作ってみたくて。」
2人で話しながら歩いていると、町の中心部に着いていた
「じゃあね、ノア、また後で」
「うん、ソフィア姉、勉強頑張って」
ソフィア姉と分かれ、中心部から東に歩きだす。
この辺りから冒険者や、門を守る衛兵を良く目にするようになる。
冒険者の中には、素行の悪い者もたまにいるので
国からの衛兵の派遣が多いのは、とてもありがたい事だ。
東門に着くと、見知った衛兵に声をかけ、通行許可を貰う
「坊主、あんまり遠くまでいったら駄目だぞ、暗くなる前に帰ってこいよ」
「あ、はい、ありがとうございます、気をつけます。」
そうしてオレは門を抜け、東の森に向かったのだった