掲示板
「はぁー、とんでもない目にあった。」
「ノア、わん、わん、わん」
「ん? ああ、ウルツちょっと待ってくれ、別に逃げた訳じゃない、どうやって確実に虫達を倒すか考る為に戻ったんだ、ガルムさんも言っていたろ、今のままじゃ勝てないって、だからパーティーメンバーを増やすんだ。」
ウルツも、納得したらしく尻尾を振っている
とりあえず、冒険者ギルドに行って依頼の報告をしよう。
「レノンさん、依頼終わりました」
「ほい、これが報酬だ、薬草採取してるだけあって早いな、ノア坊」
「あのー、レノンさん、パーティーメンバー増やしたいんですが、どうやって増やせば良いですか?」
レノンさんは、少し考えて色々教えてくれる。
「そうだな、だいたい、掲示板にパーティー募集の貼り紙を張ったり、ギルドに紹介してもらったり、酒場で知り合ったりだな。」
うーん、なるほど、掲示板を見てみるか。なになにー
・今のパーティーは、後衛しかいない為、前衛募集です
身体強化のスキル持ち募集中です。
・槍使い募集です、パーティー全員槍使いです。
槍術スキル3以上に限る
・私達のパーティーは女性だけです、一緒に冒険しましょう。
女性に限る
・我らのパーティーは、男しかいない、男こそ至高、男こそ最強、男こそ…
男を好きな男に限る
・パーティー名、南の盗賊です、盗み、殺しなんでもありです。
解除スキルのあるもの募集です。
うーん、カオスだな、この掲示板は、男を好きな男とか、南の盗賊って
こんなんで、本当に人来るのか?
素人達にオレ様が見本を見せてやるか…
・あなたは犬が好きですか? 私は好きです
あなたは抑えていませんか? 本当の自分を
明日はあなたを魔法の森に招待します
虫達もきっと歓迎してくれるでしょう
興味がある方は明日の朝、教会に来て下さい。
うむ、完璧、嘘もなにひとつ言ってない、うん、そうだ、うん
とりあえず、後は酒場に行ってみよう。
オレはギルドを出て酒場に向かい、ウルツには先に家に帰ってもらった。
酒場に入ると、冒険者達が盛り上がっていた。
「マスター、こっち酒のオカワリくれ」「こっちは肉の追加を頼む」
オレはカウンターに行き、マスターらしい男に話しかける。
「マスター、強いのをくれ」
「何を言ってるんだ坊主、ここはお前見たいな奴がくる場所じゃないぞ」
回りを見渡した、確かにオレのような子供はいない。しかし、オレには最強の作戦があった。
「ふ、マスター、オレは子供じゃないよ」
「何言ってやがる、背も小さいし、子供じゃねーか」
「ふ、マスター、オレはエルフなんだ、そう、オレはエルフだ」
「エルフ? 本当か? オレの知ってるエルフはもっと背が高かったけどな?」
「マスター、それは偏見だ、背の低いエルフだっている、そう、オレだ」
「うーん、そうなのか? まあ、確かにオレは、エルフはそんなに会った事はねーからな、うーん、本当か? うーん…」
よし、よし、やはり、エルフ作戦は異世界では最強だな。
「ん、おー、ノアじゃねーか、飯でも食いに来たのか?」
げ、このタイミングで、オリビアの父ちゃんゲインさん… ヤバイ、ヤバイぞ
「ん? なんだ、ゲインこのエルフと知り合いか?」
「エルフ? そいつは近所のモアメットの息子のノアだぞ」
「オ…れ…、え…る…」
オレは酒場から叩きだされ「一昨日来やがれ」の名台詞も吐かれた。
くそーもう少しだったのに、そう思いゲイルさんを恨む。
すると、小さいフードを被った女の子が酒場に入って行こうとする。
「ねえ、君、子供は入れないよ」
オレは、話しかけて止めようとすると
「大丈夫、あたしはエルフだから、あと、270歳だから子供じゃないわよ」
「え」
「そうゆう事だから、じゃあね、坊や」
オレは先の展開を想像し「すいません、すいません」と呟きながら帰路についた。