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依頼

夜も深まり、オレの眠気も限界にきたので

次の日、ギルドマスターの部屋で話すという事でその日は解散になった。


翌日、朝起きるとオレは父さんと共に家を出た。


ミリアは、オリビアと一緒に教会に行くので、朝ご飯を食べた後にオリビアの家に行っている。


ウルツの奴は、オレのベッドを占領して気持ち良さそうに眠っている


オレ達は冒険者ギルドに入り、ギルドマスターの部屋の前に立つと、父さんが昨日のお礼をちゃんとするように言ったきた、オレは素直に頷いた。


「おはようございます、ギルドマスター、昨日は、ひぃ…」


変な声を出してしまった。


「どうした?ノア、ちゃんとお礼を言わない、ひぃ…」


ローガンさんの顔に凄いクマが出来ていて、顔の怖さが増していた。

まるで、昨日の解体場にいたオーガのようだ…


「おー、おはよう、何だお前ら早く部屋に入れ、ひぃ…」


レノンさんも、入ってくるなり同じリアクションを取る。


「とりあえず、ローガンさん顔を洗ってきて下さい。」


「うむ、そうさせて貰う」


10分後、ローガンさんが部屋に戻ってきてから昨日の会話の続きをする。

問題は、フェンリルの事をギルドを通して、国に上げるかどうかだ、結論から言うと、全員一致で、上げない事に決定した。


理由としては、国からしたら、フェンリルの力を利用出来るなら、オレを殺すのも、家族を人質にするのも簡単な事だからだ。

他の国からしても同じ事だろう、フェンリルの力を利用できるなら、アーリヤ王国が狼神「ウル」の報復により滅びようが関係ないだろうとの事だ。


しかし、ローガンさんとレノンさんは、辺境伯にだけは教えても良いと言っていた、理由を聞いたら。


「奴は信用できる」と2人で口を揃えて言った。


オレ的にも、その案に賛成だった。


辺境伯の領土はアーリヤ王国の中でもかなり縦長で広大である、モンスターの領土と国境全てに面していると言っていい。

広大な領土を持っているから王に信用されているかと言われれば、答えは「NO」である、要は呈のいい何でも屋である。

フロルの東にある、狼の国(東の森)

北東にあるディザール山脈、南東にあるアプス湖

アーリヤ王国のモンスターとの国境を全て任され、勝てはしないが、国境が後退しないのは、辺境伯のおかげだろう。


辺境伯的には、狼の国との戦争になった場合、最初に戦うのは自分達なのだから国の上層部に余計な事をされては堪ったもんじゃない。フェンリルを奪うなど、言語道断である。


「ローガンさん、辺境伯への連絡頼めますか?」


「ああ、分かった、大事な要件だから、オレが直接謁見しよう」


話しが終わり、解散になる。ローガンさん、父さんは仕事に戻っていき

オレはレノンさんに呼ばれて、ギルドの受け付け前にきていた。


「ほい、ノア坊、冒険者カード、最初はGランクからだ」


「これが、冒険者カードか… やっと、やっと手に入れた…」


オレは、嬉しさのあまり小躍りしていると、他の冒険者からクスクス笑われてしまった。


「ノア坊、今日は依頼かクエスト受けて行くのか?受けるならG~Fランクまでなら受ける事が出来るぞ、ほれ、あれが掲示板だ」


「依頼とクエストって同じ意味じゃないの?」


「まあ、あんまり違いはないがな、冒険者ギルドでは、商人や民間人のお金で発行されたものが依頼で、国や貴族やギルドから発行されるものがクエストと言っている」


「なるほど」


レノンさんに掲示板の場所を教えてもらい低ランクの依頼・クエストをチェックする。


・キアル草 5本 500ゴールド Fランク 2日 依頼

・ゴレンの果実 3個 300ゴールド Gランク 3日 依頼

・グランの実 5個 450ゴールド Gランク 3日 依頼


・北の林で、ボーンラビット、5匹 800ゴールド Gランク 依頼

・南の川で、リトルエッジタートル 1匹 800ゴールド Fランク 依頼

・西の草原で、ゴブリン 5匹 600ゴールド Gランク 依頼


うわー、マジで異世界って感じ、こうゆうのワクワクするな。


「ねえ、レノンさん、2つ受けていいですか?」


「いいけど、失敗するとキャンセル料が発生するぞ」


「分かりました、とりあえず、これお願いします」


オレは、レノンさんに依頼の紙を渡す。


「そうだ、ノア坊、友達とかいたらパーティー組むのもアリじゃないか? そもそも獣魔師は、前線向きじゃないからな」


「やだなーレノンさん、10歳で冒険者やってる友達なんていませんよ」


「そりゃあ、そうか、わははははは」


ん? 言われてみたらオレ友達いないような…


依頼を受けた後、すぐ家に戻りウルツを起こす、そしてすぐ準備を済ませ

また、東の森に向かうべく町を歩いていた。


「ウルツ、お前は、オレの友達だよな」


「く、くーん?」


「うん、そうか、そうだよな、マブダチだな、うん


「キャン、キャン」


「そうか、そうか、お前もそう思うか、オレも………」


道ですれ違う人々がオレから視線をそらす。


「ねえ、ねえ、お母さん、あの人さっきから犬とずっと喋ってる」


「見ちゃ駄目よ、危ないわ」


という声が聞こえた。


オレは涙を流して「違う、オレは違う…」とブツブツ喋りながら森に向かった。

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