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前作では、描かれなかったエピソード。



「何で…何で、魔物の氾濫が起きないのよ!?

私が【聖女】として()()()する予定なのに!」




あの方がそんな独り言を言っているのを聴いたのは、偶然でした。




エミール様に早く会いたくて、以前エリー様に教えて頂いた、魔術科練に行く近道を通っていた時でしたわ。




(わたくし)、そっと踵を返してすぐにエミール様のところに行こうとしましたけど、あまりの恐ろしさに足が竦んで動けなくなってしまいました。




「誰!?其処に居るのは?」




き…気付かれてしまいましたわ!

どうしましょう!?




ガサッ

「ニャ〜ン」




「何だ、猫か…脅かさないでよ。」

そう言ってあの方は、(わたくし)に気付かずその場を立ち去って行かれました。




「危ないところでしたわ……。

偶然、猫が出て来てくれて助かりました……。」





と、突然背後に気配を感じたので振り向くと、其処には……




「偶然な訳ないでしょう。危ないところでしたわね。」

後ろに居たのは、エリー様の妹のケイト様でした。





「どうして此処へ?」

不思議に思って尋ねると、

「サーラ様が此処に入って行くのが、見えましたので追いかけましたの。

この先の開けた場所が、【猫集会場】ですのよ。」




「【猫集会場】?」

「『最近、此処を荒らす人間がいるから、何とかして欲しい。』と、頼まれまして。

どうやら、荒らしていたのはあの方だったようですね。」




頼まれたって()()ですの?




「ところで、今の話エミール殿下や風紀委員会に、報告した方が良いかと思いますけど。」

そうですわ!

惚けている場合じゃありません!




「で、では(わたくし)、エミール様に報告してまいります!

ケイト様は、風紀委員会の方をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「えぇ、わかりましたわ。」




ケイト様とは其処で別れ、(わたくし)は急いでエミール様に報告しに行きました。




【魔物の氾濫】を望むなんて…あの方、【聖女】どころか、【悪魔】なのではないでしょうか?




*********************




(サーラが立ち去った後)




「シルバー!もういいわよ。

出て来なさい……。」




「ニャ〜ン」

ガサガサッ

出て来たのは、立派な黒虎猫だった。




「貴方のおかげで助かりました。

さ、風紀委員会に報告したら帰るわよ。

オマエを()()()()で、飼っているのは内緒なんですから。

ちゃんと大人しくしていて下さいね。」




「ニャ〜」

ペロペロ…クシクシ……

呑気に顔を洗うシルバーを抱き上げるケイト。









まだつづきます。

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