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「こんばんは」
ナツキの背後から、若い青年の声がした。
ナツキは顔に人懐っこい笑みを浮かべ、振り返った。
「こんばんは」
そこには二人の青年がいた。
一人はナツキと同じ歳ぐらいの青年。涼しげな整った顔立ちが印象的だった。
そしてもう一人は赤い髪に赤い眼が特徴的だ。
「ここ、殺人現場になった所で間違いないかな?」
「ええ、そうみたいですね」
「ちょっと写真撮りたいんだけど、良いかな?」
「あっ、はい。どけますね」
「ありがと。すぐに済むから」
そう言って涼しげな雰囲気を持つ青年は、手に持ったデジカメで現場を撮った。
「どうもね。ちょっとサイトで見かけてさ、興味がわいたもんで」
「そうですか」
デジカメを持った青年と、ナツキはニコニコと笑い合う。
「ところでさ、一つ聞いてもいい?」
「はい、何でしょう?」
「キミは死体を美しいモノだと思う?」
「…ええ、思います」
ナツキはハッキリと言った後、死体があった場所を見た。
「人の命が散るところって、ボクは儚い美しさを感じるなぁ。もちろん元気に生きる姿も力強い美しさがあって好きだけど、死にゆく人の消え去りそうな美しさも好き」
うっとりしながら笑みを浮かべ、語るナツキを、コウガは黙って見ていた。
「…そう。だからあんな写真を撮ったんだ」
「うん。でもサイトに載せたのは失敗だったんだ。おかげで面倒なことに巻き込まれちゃって、参ったよ」
「まっ、これからは気を付けることだね。もう二度と、失敗しないように―」
「だね」
コウガは軽く息を吐くと、ナツキに背を向けた。
「それじゃあ、あんまり女の子が夜に一人で出歩かないようにね。危ないヤツに襲われちゃうよ?」
「それって…そこにいる赤い髪の人のようなヤツに?」
ナツキは歪んだ笑みを、シキに向ける。
「アハハッ。シキは今のところ、大丈夫。オレがいるからね」




