表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

4

パソコンの捜査自体はずさんなものだった。


「あるいはそこまでボクの腕が上がっていたか。…くすっ」


警察でも発見できないほど上手く痕跡が消せたのならば、ナツキのコンピュータの腕はそれこそタカシナ並みと言えるだろう。


ナツキはタカシナのことを好きだった。一目見た時から、ずっと気になっていた。


そして彼もナツキに好意を抱いていたことに、ナツキ自身も気付いていた。


その理由は―ナツキがタカシナのパソコンにハッキングし、その情報を盗み見ていたからだ。


大好きなタカシナに少しでも近付きたくて、ナツキは密かにコンピュータの知識を上げていた。


そしてタカシナの携帯電話とパソコンのアドレスと電話番号から、ハッキングをしていたのだ。


その中にはナツキの写真と情報ばかり、詰まっていた。


タカシナが言っていた会社の情報はなかった。本当に侵入して見るだけで、盗ることはなかったのだろう。


「…ゴメンね? 先生。ずっと黙ってて」


ナツキは口元に笑みを浮かべた。


彼が半ば、ストーカーになっていたことにも気付いていた。


写真を隠し撮っていたり、情報を集めていることを知っていた。


だからはじめて車で送ってもらった時、彼は迷わずナツキの家に着けたのだ。


でも彼から告白してくれるのを、ナツキはずっと待っていた。


タカシナがずっと自分を追い求めていることに気付きながら、それを放置していた。


「まさかこんなことで告白してくれるなんてね。…何かキッカケがあればとは思っていたけど、世の中、分からないもんだね」


ナツキは肩を竦め、クスクス笑った。


大人しくも真面目だったタカシナは、自分達の立場や歳の差で告白することを躊躇っていた。


何かキッカケがあれば、してくることは分かっていたから、今回のは本当に意外だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ