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3

「すっかり暗くなっちゃったなぁ…」


ナツキは街のネオンを見ながら、深く息を吐いた。


「うぅ~。眼が痛いよぉ」


しょぼしょぼする眼を擦りながら、街中を歩く。


が、ふとビルとビルの間の細い道を見つけ、足を止めた。


「………」


ナツキの表情が、仮面のように無表情となる。


視線をそのままに、ナツキは奥へと足を進めた。


歩き進めること数分後、ビルの裏へと来た。


そこはあの死体の写真現場だった。


アレから時間が経っているので、ここはすでに解放されている。


「やれやれ…。やっぱり失敗は一度でもダメだよねぇ」


ナツキは肩を竦めると、ケータイを取り出した。


そしてカバンの一番奥のポケットから、SDカードを取り出し、ケータイ電話に入れる。


「まさか操作失敗しちゃうなんて…。夜中の更新はするもんじゃなかったな」


ナツキの操作で、ケータイの画面にはあの死体の写真が写し出された。


―あの事件があった夜、ナツキはたまたま外へ出ていた。


夜空がキレイで、写真を撮影にこっそり家を出ていたのだ。


そしてお腹が減り、コンビニに寄る為にここへ来た。


しかしこの細い道から、一人の男性が慌てて飛び出して来たところを見てしまい、興味がわいてこの現場へやって来たのだ。


そして発見した。


―あの死体を。


その姿を写メに撮り、コンビニに寄って買い物をした後、何事もなかったかのように家に帰った。


コンビニで買ってきたお菓子を食べながら、その夜撮った写真をサイトに載せていた。


だがうっかり死体の写真を載せてしまい、慌てて消去したが何人かには見られてしまった。


SDカードに移さなかったのが失敗の原因。


パソコンに記録が残らないようにするのが大変だった。


「…でも警察の人も、もうちょっと調べれば分かったんじゃないかなぁ?」


管理者のパスワードを教えていたせいもあるだろう。


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