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「ねぇ、でもさあ。あの死体の写真、誰が撮ったんだろうね?」
ナツキはビクッと体を震わせ、慌ててケータイを隠した。
「タカシナ先生ではなかったみたいだしね。どっかの誰かがイタズラでやったにしては、性質悪いわよねぇ」
「結局、警察もその点は分からなかったみたい。まあ犯人が捕まって事件は終わったし、もうそのことは追わないでしょうね」
その言葉を聞いて、ナツキはふと顔を上げた。
「そっそうかな? もう警察は探ったりしないかな?」
「しないと思うわよ。ちょっと聞いたけど、送ってきたアドレスもキレイさっぱり消されちゃってたみたいだし。写真を送ってきた犯人も、パソコンに強い人だったんじゃないかって話」
「そっそう…」
そう言って再び画面に視線を向ける。
「あーっ! やってもやっても終わらない~!」
「ホント、地獄ぅ。でも待っている人がいるし、頑張ろう」
部員達は悲鳴を上げながら、作業を進める。
結局、サイトは閉鎖することになった。
だけどリニューアルという形で、新たにサイトを作ることになった。
なので今現在、部員全員で放課後と土曜日返上でパソコンに向き合っているのだ。
「タカシナ先生がいれば、もっと楽だったんだけどなぁ」
「それ言わないでよ。とりあえずマニュアルを残してくれただけでもありがたいでしょ?」
「終わったら打ち上げ行こうよ。ナツキ、どっか行きたい場所ある?」
「うっうん。買い物とかカラオケとかが良いな」
「だね。じゃあそれを目指して頑張ろう!」
「おーっ!」
部員全員が意気込む中、ナツキ一人だけが暗い面持ちだった。




