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「ありがとう。お前にそう言われると、少し気が楽になるよ」


「うん…。でも先生は警察にそのことを言いに行ったんだよね? じゃあ犯人は…」


「そのうち捕まるだろう。彼の持っていたパソコンからも、証拠が出てくるだろうしな。…それにわたしの罪も」


「先生…」


「いくら情報を盗まなかったとはいえ、わたしのしたことも罪だ。彼と何ら変わらない」


「そんなっ…! …そのことも警察に?」


「ああ…。黙っているわけにはいかなかったからな」


タカシナは苦しそうに眉を寄せた。


「…先生も、裁かれるの?」


「どうだろうな? とりあえず解放はされたが…学校は辞めることにしたよ」


「えっ? 辞めるって…」


眼を見開くナツキに、苦笑を浮かべて見せる。


「もう辞職届は出してきた。今日から無職だな」


「やっヤダ! 先生を辞めるなんてイヤ!」


ナツキは堪らず立ち上がり、タカシナに抱き着いた。


「ナツキ…」


「ヤダよ…。ボクの側にいてよ、先生ぇ…」


泣き出すナツキの背中を、優しく撫でる。


「すまない。けどもう受理されてしまったんだ。教師としては側にいられないが、…お前が望むのなら、別の形で側にいたいと思う」


「タカシナ先生…」


涙で濡れた顔を上げ、愛しい男の顔を見つめた。


「しばらくは表立っては会えないだろうが、落ち着いたら…な?」


「…うん、ボク、待ってる。先生のこと、ずっと待ってるから」


「ああ」


タカシナは優しく微笑み、ナツキにキスをした。


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