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初めてのニヤニヤ


「ちょっと、、起きて、、あれ?起きない?え〜っと‥‥キス‥‥したら目覚める‥訳ないよね。私ったら何考えてるんだろ」


耳元で女の子の声がする。

いや、夢か?


「先輩っ。ホントに起きてください。」

バサっと布団が剥ぎ取られた、、


夢じゃなかった?

みたいだ。


「はわっ、、お、、起きてる。」

目を開けてみたものは、、元気に立ち上がった下半身を凝視する相原の姿だった。


いや、『起きてる』ってそっち?

そっちなの?

ちなみに安心してくれ、ちゃんと履いている。



「うわぁ、、見ちゃダメェ。って相原なんでこんなとこにいるんだ。」


あれ?


「えっ?lione見ていないんですか?」

相原が口を尖らせた。


「あっ、悪い。見てなかった。」


いや、仮にメッセージを送ってくれていたとして、俺の返事がない時点でオッケーにはならない気が‥。



「今日はお出かけするんですよ。本当に早く準備して下さい。遅いだけならナマクアカメレオンでも出来ますよ。」



お出かけ?

えっと、、女の子の紹介とかじゃないんだよな?

もしかして、相原芽愛とデート?

マジか?



「40秒で支度する。」

俺は急いで身だしなみを整えるのだった。



「お待たせ。あれ?なんかいつもと違う。」

「そ、そんな事ないですよ。先輩、あた‥目がおかしいんじゃないですか?」


「なんで頭って言いかけたっ?」

「先輩、、細かいです。そんな事ばっかり気にしてるからモテないんですよ。」


嬉しそうに話す相原はいつもより綺麗に見えるんだが、ドSなんだろうか?



いや、その前に、、、


「今日、メイクしてるのか?可愛いな。」

「えっ、、何か言いました?」


‥なぜ、肝心な所だけ聞き逃すんだよ。

マジで言い直さないといけないのか?



「‥‥今日メイクしてるのか?可愛いな。」


さっきと違い、意識して言うとなんだか照れくさい。耳まで熱いんだけど。



「えっ、、、何か言いました?」


しかし、信じられない返信が返ってきて思わず相原の顔を見て全てを悟った。



相原がニヤニヤしていた。



「聞こえてたな。まったく。」

「ごめんなさい、先輩って揶揄いがいがあり過ぎて困っちゃいます。」


相原の満面の笑みは破壊力があり過ぎて直視出来ない。スマホの待ち受け画面にしたい。



「‥それで、今日はなんの用だ?」

「先輩はおかしな事言いますね。用がなかったらデートに誘っちゃ駄目なんですか?」


はぁ、これ、またからかわれてるんだよな?

さすがに何度も引っかかってたまるか。



「いや、知らないの?デートってのは大体、一か月前から約束しておく物なんだぜ。」


今度は俺が見え透いたウソで相原をからかう。



「そうなんですか?じゃあ、今回は掟破りなんですね?なんだか2人でいけない事しているみたいでドキドキしますね。」


‥‥なんだかエロい表現でこっちがドキドキするって。


「まぁ、何処にお出かけするか決めてるの?」


「映画です。」


まぁ、デートの定番だな。

っていうか、マジでデートなのか?


「もしかして、『選り好み探偵シリーズ』の第一弾『本当は謎解きしたくないけど、前払い依頼料使い切っちゃったから、働くしかない』を観に行くのか?」


「それしかないですよね。」

相原は即答する。


『選り好み探偵シリーズ』は今人気の推理小説だ。

そして、俺も相原もめちゃくちゃハマっていて、この度映画化まで果たしてしまったのだ。


正直にいうと、1人でも観に行くつもりだったので、相原と行けてめちゃくちゃ幸せだった。


「楽しみだな。」

「何ニヤニヤ笑ってるんですか?気持ち悪いですよ。」

そういう相原もニヤニヤ笑っていた。



趣味も気も合う相原はやっぱり最高だ。


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