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恋する乙女は失敗だらけ  作者: 如月 那乃華
第1話.騒ぎのもとは竜
4/5

4.侍女頭・ジュレイネ(リンネ)視点

とばしていただいても大丈夫です。


「なぁ、姉ちゃん…いいだろ?別に。」


絡んでくるオッサン。冒険者の奴らだ。なぜ、路地に連れてきたのか、と思っていると、薬を嗅がされる。私は薬が効きにくいものだ。変な匂いがするな、とは思ってよく匂いを嗅ぐと、睡眠薬だとは思わずに眠ってしまった。相手がいるのに。敵がいるのに。……そして、起きた時には知らない屋敷にいた。扉が開き、入ってくる奴がいた。綺麗なワンピースを着た女が。話しかけてきた。…なぜか心配していたようだ。初対面なのに、なんで?


「アンタ、誰だ?」

「…侍女頭?何を言ってるの?」


侍女頭だって?どういうことだ?……!?声が違う!!姿が……というか、恥ずかしい!!……メイド服?生まれて初めて見たよ、……メイド服を着てる自分なんて。口調は悪いが、一応、女だぞ。髪短くて男だと思われるのが多いが。


「侍女頭?大丈夫?…ケガしてない?…さっき爆発があったばかりだものね。」

「ばっ、爆発だと!?」

「ええ、そうよ。…それに、あの方は、まだ見つかってないのです。」


あの方って……。主でもいたのかよ。


「あの方って、誰だ?」

「ルヴィス様よ。」


ルヴィス?……えええっ、英雄竜の名じゃねえか!


「ふざけるな……」

「えっ?」

「英雄竜様をバカにするな!貴様なんかの、主?ふざけるんじゃねぇ!!」


勢いで、女を殴ってしまう。


「ジュレイネ……!?…イタッ…」

「お嬢様!?…侍女頭様、なんてことを!」

「お嬢様を殴るなんて!最低な方!」

「侍女頭は……、ジュレイネは悪くありません!」


なぜ庇う?お嬢様?……私は侍女頭じゃない。全くの他人だ。


「なぁ、お嬢様。私は侍女頭じゃない。ジュレイネでもない。私はリンネだ!ジュレイネじゃない!」

「リンネ?…素敵ね。…あなたは…」

「うるさいっ!!黙れ、お嬢!」


私は、誰にも従わない!…お嬢なんかに!ちやほやされてる、お嬢ごときに!!

侍女頭の名はジュレイネです。

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