ANOTHER 第75話 捕獲
血の臭いのするドアの中には3つのドアが在った。
正面と左右・・・
特に正面から濃い血の臭いが漂っており男の脳裏に男が覚えていない光景がフラッシュバックするように浮かび上がる。
それはルイの館で取り込んだ領主の記憶だった。
だがそれを理解できない男は吐き気を覚えながらもルナの為に確認をしなければならないと感じ正面のドアに手を掛けた。
そして、ゆっくりと開くとそこには中央に手術台と思われる台が置かれていた。
男とルナは見てしまった。
その部屋は一面真っ赤に染まっていた。
それも床や壁だけでなく天井まで・・・
狙って塗ったのではない、きっとこの手術台の上で殺された人の血がこれだけの量に達しているのだと二人は直ぐに理解した。
むせ返るような血の臭いに気持ち悪くなったルナは部屋を飛び出した。
男もそれに続こうと振り返った時にそれに気付いた。
それはまるで拷問道具にも見えた。
帽子の様な形をしたそれはなんとなくだが男のイメージに近い物が浮かび上がったので気付いた。
パイプカッターと言う物が現代日本にはある。
これは鉄パイプ等を切断する為の道具で固定して刃をパイプの周りに回転させパイプを切断するモノである。
そして、目の前のそれはそのパイプカッターを人間の頭にはめ込んで行う道具にしか見えなかった。
寒気がした男はルナが心配になりドアを開けて飛び出した。
っが次の瞬間男の体は反転し一瞬にして縛り上げられてしまった。
そして、首の向きを変えて誰かと見ようとしたらそこにルナが意識を失って倒れているのに気付いた。
「ルナ!」
声を掛けるが返事は無く男はそのまま縛られた体を引きずられ左側のドアの中に連れて行かれた。
ドアが開かれた時に中の光が差し込み自身を引きずっているそいつが分かった。
それはまるでおぞましい化け物だった。
辛ろうじで人型をしているので人間だと理解できなくも無いが歪だった。
まるで様々な人間の体の部位を繋ぎ合わせているようなその体。
そして、そいつが引きずって行った先には白衣を着た男が立っていた。
「やぁ、君がアンディー君だね?初めまして、私がドクターイノーだ」
髪の毛をオールバックにした白衣の男はイノーと名乗り男をじっくりと見つめる。
そして、物凄く嬉しそうにニヤけたと思ったらさっきの化け物が男を診察台の様な物の上に乗せた。
動けないように診察台にどんどん固定されていく男。
「ところで君、薬が効かないと言う話を聞いたのでちょっと実験させて貰うよ」
そう言ってイノーは男の口にガーゼのようなものを押し込んだ。
そして、男の地獄の様な日々が始まるのだった・・・
次回は火曜日の午前7時頃を予定しています。
ただ、年末と言う事で更新出来ないかもしれませんので御了承宜しくお願いします。




