第72話 ターニングポイント
「どうぞ」
男はルナに家に上げてもらい客間らしき部屋に通されて今目の前にお茶を出された。
昨日の宿でも思ったがこの町のお茶は紅茶というより緑茶に近く少年の記憶にはこういったお茶は存在しなかった。
「昨日の宿でも驚いたけどこの町のお茶って変わってるね」
「これね、お父さんが昔考案したらしいんだ」
ルナは胸を張って話す。
「ルナのお父さんって確か僕が助手をやる予定のドクターイノーさんだよね?」
「うん、お父さんは凄いんだ。本当に凄すぎるの…」
そう言って何か影のある表情をルナはする。
「ところで、お願いってのはなんなのかな?」
ルナの暗い表情を見るのは何故か心に来るので男は話を変えた。
「そうだった。えっとね、そのお父さんの事なんだけどね…部屋を探るの手伝って欲しいんだ」
「部屋を探る?」
「うん、お父さんね突然部屋から居なくなるときがあるの。だから部屋に何か秘密があると思うの…」
「んーそれを知って後悔するかもしれないよ」
男はこういう屋敷なら隠し部屋でもあって職業が医者なら娘の教育に悪い物とかを隠しているのではないかと考える。
「とりあえず見つからなかったら諦めるから手を貸して」
ルナの見つめる瞳に口に含んだお茶を飲み込むと共に首を上下に動かし男とルナはイノーの自室に入る…
「ここがドクターイノーの部屋…」
そこは綺麗に整頓された部屋で壁にある本棚にはギッシリと手書きのメモを束ねた物が並んでいた。
足を踏み入れると床がギシギシと鳴る。
多分部屋自体が置かれている紙の重さで歪んでしまってるのだろう。
「何回か探してみたんだけどお父さんが居なくなる方法が分からなくて凄く気になるの!だからアンディ一緒に調べて」
まるで探検に憧れる少年のような顔付きでルナは頼んでくる。
見たところ窓から出入りしようと思えば出来なくもない、クローゼットの中に収納階段があってそこから屋根裏に上がれるようになってる家屋の様な作りが頭に浮かんだが天井を見る限りそれもない…
1.隠し部屋だ!男は本棚を動かしたり出来ないか探ってみた。
2.地下室だ!床のどこかに何かないか這いつくばって探ってみた。
次回は明日の午前7時頃更新予定です




