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第71話 ルナのお願い

そこに立っていたのは昨日詰所で会ったルナであった。

昨日とは違い大きめのワンピースにカーデガンみたいな薄いものを羽織っただけの格好は見てて少し寒そうだった。


「確かルナさんでしたよね?寒くないですか?」


そう聞くとルナは少しだけ舌を出して片目をつむり。


「女の子はおしゃれのために色々と耐えないと駄目なんだよ」


そう伝えてきた。

素直にルナの仕草を可愛いと感じた男は先程までもし毒で死ねたら良かったのに…と考えていたのだがもし死んでいたらこの気持ちにはなれなかったと考えた。


何故かこのルナに対しては男は他人のような気がしない。

それはルナも同じなのかそれとも普段からそうなのか彼女は凄く嬉しそうに男を見る。

まるで少年の体ではなく中の男本人を見つめられている気がする…

まさかね。


「そういえば君の名前聞いてなかったね、聞いてもいいかな?」


ルナに言われて昨日は一方的に話された事を思いだした。

男は少年の記憶を辿り…


「アンディです」


それが少年の名だった。

一応はドクターイノーから助手と言う名目で集められたので違う名前を名乗ると面倒なことになりそうな気がしたからだ。


「アンディね、アンディ…優しくて強そうないい名前ね」

「ありがとう。ルナも月をイメージした君にピッタリな素敵な名前だね」

「もぅ、やだぁアンディったら~」


そう言って嬉しそうに笑う彼女。

そして突然男の手を取り…


「ねぇ、アンディこれからちょっと時間ある?お手伝いしてほしい事があるんだけど…」


ルナの上目遣いになった姿勢での懇願。

とても初めて会った時の年上のイメージから離れた仕草に少し心が揺らいだ。


「まぁ特に何かをする予定はないんだけど」

「本当に?!それじゃあ早速行きましょアンディ」


ルナは男の手を引っ張り男を連れていく。

途中何人か町の人とすれ違ったが皆ルナに笑顔で挨拶をしてルナもそれに対して笑顔で返していた。

この町唯一の医者の娘と言うことでルナは有名だったのだ。


そうしてルナに連れてこられたのは少し大きめの屋敷だった。

ルナはそこで手を離して振り返り…


「じゃーん!ここがルナの家なのです」


変わらない笑顔でルナはそう伝えるのだった。

次回は明日の午前7時頃更新予定です。

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