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第6話 あり得た未来

人は誰でも後悔という思いを持っています。

それは恥ずかしい事ではなく当たり前なんだと考えれれば少し楽になれます。

声がでない?!

男は少し焦った。

そして、気付く…体も動かない?!


「あれはねママが中学生の時でね、怖い男の人に絡まれた所をパパが助けてくれたの」

「へぇ、パパすごーい!」


その会話を聞いて思い出した。

中学生時代にあった悲惨な事件を…

同じクラスの女子が不良に絡まれて居るのを偶然見てしまった。

だが男は目を反らしてその場を去ったのだ。

そのあと彼女は自殺した。

そう…彼女は自殺したのだ!


男がそれを思い出したとき自分の体が立ち上がった。

だが、男は座ったままだった。

目の前に自分が立って家族で笑い合いながら会話をしているのを座ったまま見ている。

そうか…これはあり得たもう一つの未来。

あの時のあの場所が一つの人生の分岐点だったんだ。

それを理解した時に背後から黒が再びやって来て男の体を包み始めた。


それはあり得たもう一つの自分。

それは掴み損なったもう一つの人生。

思い出せない死んだクラスメイトの名前を、自らが共に歩む可能性をもった女性の名前を思い出せないという事実に涙しながら男の意識は黒に染まるのだった。

もしあの時をやり直せたら。

そしたらいい人生だったかもしれませんし悪い人生になってたかもしれません。

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