第51話 少年の記憶1
少年は今日が14歳の誕生日であった。
両親が少年に誕生日の日に儀式に行くのだと前もって伝えていたので少年はこの日を楽しみにしていた。
この儀式と言うモノは村の人にとっては良く分からないが有名な医者の協力が出来る大変価値のある仕事だと言われていた。
事実数ヶ月前にも同じ村の女の子が誕生日にその儀式に行ってお医者様の助手として雇われたと言う話を聞いていた。
この抜擢に両親に多額の金銭が支払われ助手の一人と選ばれれば今後定期的に両親に金銭が支払われると言う話なので少年は張り切っていた。
事実その女の子の家は現在も女の子が稼いでいるお金を両親が受け取っている。
その額は大きくその一家は働かなくても生活が出来る程だと言う事だ。
自分の事を愛して14年間大切に育ててくれた両親に恩返しが出来ると言う機会を得た少年の心は躍っていた。
そして、少年の迎えが来た。
馬車には他にも別の村から選ばれた数名が居た。
少年は嬉々としてその馬車の荷台に乗り込み両親に手を振った。
少年を見送る両親の笑顔が元気をくれる、それに母のお腹の中には赤ちゃんが居るんだ。
今度お兄ちゃんとなる少年は生まれてくる妹か弟が元気に育てるように頑張ると言うのも少年がやる気を出す理由の一つだった。
嬉々として乗り込んだ馬車の中には老若男女様々な人が自分の他に8人居てそれぞれがこれからの仕事に期待していた。
何処の村もそれ程裕福な家は多くなく食い扶持を減らす為に子供を処理する家庭もあるくらいなので今回の様な稼げる仕事と言うのは誰もが欲しているから仕方ないだろう。
少年の両親に男性が金銭を渡しそのまま村を後にする。
この後、彼等に襲い掛かる惨劇など予想もせずにこれからの生活に期待を膨らませる9人はお互いの自己紹介をするのであった。
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