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第49話 森の中

男は人としてそこに存在していた。

以前取り込んだスライムは身を炎で焼かれても男の本体である骨の中に残りその特性を宿していたようだ。

だが男は現在自分の身に何が起こっているのか理解していない。

ルイとの記憶が全て炎で焼かれて文字通り焼失し消失していたのだ。


「俺は…なんなんだ?」


口を開くと声が出た。

首の無い死体でも在り合わせで皮膚を構成し一人の人間として形作ったのだ。

それにより声帯や肺などは流用し唇はもっとも近い細胞を一部移植して再生した。

肛門と唇が同じ細胞だと言う話が有名であるように人体の数ある細胞を勝手に体が理解し一人の人間として完成させたのだ。

だが、眼球だけはどうしようもなくその眼は空洞になり穴から闇が覗いていた。

男にとっては眼球がなくても視界はハッキリしているが他の人間から見たらそれはおぞましいモノと写るだろう。

衣類は死体の着ていた服の下だけを履いている、上は血がこびり付き過ぎてとても着れるものではなかったからだ。


立ち上がった男は何をしようにも宛がなく場所も時間も分からないので唯一の目印となっている取り込んだ男の血の道標を辿って森の中へと歩き始めた。

5分くらい歩いただろうか?

そこにそれは在った…


首を切断され倒れている死体が7体、森の中に惨劇を語るように辺りに血の臭いが充満し一面赤く染まっていた。

次回は明日の午前7時頃更新予定です

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