第41話 ルイの記憶2
「ん…んん…」
身体中に激痛を感じながら意識を取り戻したルイは自分の腹部を木が貫いているのを見た。
9歳だが貴族として育てられたルイ、これを抜くと血が吹き出すのは知識として知っていた。
その為、木はそのままに首だけ動かし辺りを見回すとそこにそれは在った。
「母…様…」
そこにはルイの母であったものが在った。
首が上を向いているのに体はうつ伏せになっている。
手足は千切れ断面から流れ出たであろう血が溜まっていた。
一目で生存の可能性は皆無だと分かった。
しかし、ルイの思考は母親の生死よりも違うことで一杯になった。
「美しい…」
最愛の母のバラバラ死体を見てルイが感じたのは美であった。
そして、それは狂気を呼びそこに現れた何かにルイは母の遺体を動かさない願いをした。
普通なら助けを求める筈の人間の子供に求められたのは母の遺体を動かさないこと。
何かは歓喜した。
人の持つ負の感情は何かにとって最高級の美酒に匹敵するモノだがルイの純粋すぎる狂気はそれを遥かに超える美味を何かに与えたのだ。
そして、何かはルイに取引を持ち掛ける。
ルイの心臓と魂を捧げれば求める美の追求に力を貸すと…
ルイは即答した。
「僕の全てをくれてやるから手伝え!」
「イエス、マイロード」
そして何かは集まりそこに老執事が立っていた。
老執事が何かを呟いた。
少しして足音が聞こえてきた。
それは父ダンカンの足音だった。
首があり得ない方向に曲がり口から赤い泡を吹きながら歩いてきたのだ。
老執事の前に立った父ダンカンは老執事から何かをされてたのだがルイの位置からは老執事の背中しか見えず一体何が行われているのか分からなかったが老執事が横にそれた時には父ダンカンの首は元の位置に戻り口から出てた赤い泡も無くなっていた。
ただ、腹を出しており綣から何かが出ていた。
そして、そこから身体中に体内を這う血管のような物が広がっていた。
次回は明日の午前7時頃更新予定です




