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第16話 多勢に無勢
男は一番近くにいた狼を踏みつけ母親に群がってる集団の中へ飛び込んだ。
一斉に距離を取る狼達だったが母親の体が狼の方へずり動いた。
そこにあったのは見るも無惨に食い散らかされた母親の変わり果てた姿だった。
狼は内臓を口にしたまま飛び退いたので母親の体は引っ張られ動いたのだ。
その口からは声が既に出なくなっており無言で涙を流しながら何かを訴えているのが見てとれた。
男は気付いた。
娘さんが居た筈だ!
視線を向けると母親が押し上げたのか木の上に掴まって震えながら泣いている娘さんを見つけた!
あの場所なら直ぐには襲われないと判断し狼達の方へ男は足を向ける。
狼達のボスなのか一匹が男の前に身構えていた。
「ガァウッ!」
他の狼より一回り大きいその狼が吠えると同時に周りの狼達が一斉に飛び掛かってくるのだった。
次回こそ火曜の朝7時頃更新予定です。




