13/113
第13話 償い
「ありがとうございました」
少女が男の方を向いて深々と頭を下げていた。
男はチラリとそれを確認して骨だけの頭をコクッと頷かせ再び歩き始めた。
だが、男は立ち止まった。
離れた場所でさっきの母娘が父親の死体の前で泣いている声が聞こえたからだ。
周りを見渡しても樹海であの母娘が生きてここを出られないのは容易く想像できた。
なので男は母娘を隠れて助けることにした。
見た目は既に骸骨のモンスターに見えているのは自覚していた男は自分が自殺に追い込んだ家族の事を忘れていたのだが何かの罪滅ぼしという意識が頭にあったのだ。
やがて日が暮れてきた。
父親の遺体を土を被せて簡単に埋葬した母娘は宛もなく歩いていた。
しかし、母親の足の怪我が思ったより酷いようでその足取りは非常に遅かった。
やがて疲れたのであろう、木の根本に腰を下ろして母娘は寄り添って体を休めていた。
そこに複数の気配が…
野犬…いや、狼型のモンスターだった。
次回は明日の午前7時頃更新予定です。




