ANOTHER 第96話 一人の村
「まだ…残っていたか…」
男はルナの方を向いて歩みだす。
ルナの表情はまるで悪魔を見たかのような恐怖に包まれ全身を震わせている。
男は近付いて手を伸ばす。
「あ…アンディー…」
ルナのか細い声が耳に入り一瞬頭痛がしたかと思ったら何かが階段を転げ落ちていく音が聞こえた。
男は痛む頭を押さえながら辺りを見回す。
そこは悲惨な惨劇と化していた。
そして気付く…ルナは?
目の前に空いた地下への階段を覗き込み足を踏み入れる。
そして、一番下に到着した時に足に何かが当たる。
視界が徐々に慣れてきたのか見えるようになってきてそれを見る。
まるで頭部の一部を抉り取られた様な少女の死体。
関節は不自然な方向に曲がっており特に首は捻れて体は仰向けなのに半周して横を向いていた。
男は何かを叫びながら教会を飛び出した。
そして、次々と襲い掛かる村人を殺し続けた。
どれくらいの時間が経っただろう。
その村には男が一人で暮らしていた。
今日は花屋のお父さんになり店を開く。
客は誰も来ないし花なんて全部枯れている。
にもかかわらず店を開く。
夜になると雑貨屋の娘になり夕飯の支度を開始する。
鍋には何も入っておらず火も付いてない。
朝を迎え夜を受け入れ太陽に祈り死体を漁るカラスを食べる…
永遠に一人は全員で全員は一人のその村を知るものはもう居ない…
E END - 一人の村
次回は明日の午前7時頃更新予定です




