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第93話 狂気に包まれる
「ぐぅぁぁぁ」
イノーの右目が潰れ床に転がるイノー。
生き物を殴った時に手に伝わる生々しい感触を感じながら男はルナに手を伸ばす。
しかし、ルナはその手を取ろうとしない。
「なんで…生きて…」
そう男の背中は血が染み込み真っ赤になってはいるが明らかにそこの部位が足りないのを理解させる様に真っ直ぐな絶壁となっていた。
特に後頭部は脊髄に連なる部分が完全に欠落しているのが見てとれる。
本来ならありえない状態。
だが男はそんなルナの手を取って教会の入り口へ向けて走り出す。
半分引きずられるように付いてくるルナはそれを見てえずく…
足を進める男の背面の中身が蠢いているのが目に入ったからだ。
筋肉の伸縮、それはただ歩くという動作だけで満遍なく全身の筋肉を使う運動なのでありそれを生々しく覗けたのなら誰もが思うだろう。
気持ち悪い!と
「ルナァ!私の娘をどうする気だぁぁぁ!」
後ろで鬼と化して右目が潰れ割れた眼球が目から垂れてるイノーが起き上がり叫ぶ!
もはや人間とは思えないその顔を見てルナは恐怖に真っ青になる。
手を握っているのは背面が切断された知り合い、後ろから追うのは顔面の潰れた父親。
そして、教会の入り口が開く…
そこには武器を持って狂気に満ちた目で二人を見て迫ってくる村人の姿があった…
次回は明日の午前7時頃更新予定です




