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第一話 キャラメイク

 文字数は今後増やしていくつもりです。

 えーと、二に三を足して五。一と三を足して四。三と三を足して六。


「何計算してんだ? 今国語の時間だろ」


 確かにそうだが。先生の朗読中、暇だから計算するというのは不思議な事ではない。


「いや、不思議だよ。いつからお前はそんな秀才キャラに。何を計算しているんだ?」


 カオスの箱庭ってゲームがあってな。ホームページと攻略Wikiだけ覗いたんだが、ふとアイデアが思いついて。持ってもいないのに、実現可能か考えている。その為の計算。


「ああ、あれか。実を言うと、俺持ってるぞ」


 確かまだ正式発売はされてない筈だが、ベータテスターか?


「その通り。勿論お前に貸し出すためにもう一本持っていたりはしない」


 だろうな、僕もそこまで親しくなったつもりはない。お前は悪友ポジだ。


「お前な。で、確かに貸し出すつもりはなかったんだが、問題が発生した」


 お前の言う問題は、僕からしてみればただの贅沢な悩みだろ。


「そんなことないって言いたいけど、今回ばかりは間違いなく当たってるよ。実は、また別のベータテスターに当選したんだ。だからお前にその、カオスの箱庭をやるよ」


 いいのか? 


「いいんだよ、今俺が決めた。そのゲームベータ版のデータ引き継げないうえに新規登録だから、お前がやっても問題ない。それに、そのゲームちょっと序盤が辛いからな。またやるのはしんどい。代わりにお前が計算してるアイデアとやらを実現させてくれ」


 分かった。取りあえず明日金は渡す。


「は? 俺たち悪友だろ?」


 親友に昇格させようか検討中。お前割と金欠気味なうえに、このゲーム数万円するよな? 






 悪友には今後暫く購買の金を出してやることにして、カオスの箱庭を起動する。


『ログイン――30%――70%――90%――98%――――100%』

『ログインしました』

『データを読み込みます。10%――――』


 こうして待つ時間は楽しいものだ。現代、こういったロード時間は親の仇のように排除され、ロードする時間を十分以上待つことはほぼない。そんな現代で、これだけ待たせるというのは、それだけの超大作であるという証。期待している。


『100%』

『クリエイトルームに移行します』


 真っ白な部屋。ここで僕は作られる。


『名前を設定してください』


 名前。カオス――混沌――混色――


「紺」


『紺様ですね。次は種族設定です』


「人間を選択」


 他にも何種類か種族があるが、人間は最弱と言ってもいい。人間だけ合計値30だが、他の種族は合計値31。良い点も勿論あるのだが、平均的なステータスと合わせてどうしても器用貧乏になりがちである。


 紺LV1 力5 知力5 体力5 精神5 器用5 速力5


『人間ですね。最後にスキル設定となります』


 僕が国語の時間に計算してまで考えていたのは、スキル選択である。カオスの箱庭も、最近の流行りに乗っかったのかスキルの数が異常に多い。スキルスロットは10。そして、人間には種族スキルがある。


・ハーフアンドハーフ 人間以外の種族を一つ選択し、人間と選択種族のステータスを二分の一にして足し算した数値をステータスとする。計算後選択種族の種族スキルに変化する。


 人間の種族スキル、つまり人間専用のスキルは他にもあるが、まともに使えるのはおそらくこれだけである。他は経験値上昇(微)など役立たないわけではないが、最終的には要らなくなりそうなスキルばかり。取りあえず、妖精を選択する。


・紺LV1 力4 知力6 体力4 精神5 器用5 速力5

スキル ・妖精の祝福 


 すると、こうなる。そして種族スキル、妖精の祝福の効果。


・妖精の祝福 計算式を四捨五入切り上げに変更する。


 分かりづらい効果だが、これが今回は役に立つ。人間の体力は5で、妖精の体力は4だ。計算すると2.5+2となって4.5。しかし切り捨てられて4に。だがこのスキルがあれば4.5を切り上げて5に。計算⇒スキル変化なので初回は適用されない。そしてハーフアンドハーフ最大の特徴は、変化したハーフアンドハーフと新たに取得しようとするハーフアンドハーフは、別物として扱われること。故に、何度でも選択できる。


・紺LV1 力5 知力6 体力4 精神5 器用6 速力6

スキル ・妖精の祝福 ・飛翔 


 これを、あと三回繰り返す。


・紺LV1 力6 知力7 体力6 精神6 器用6 速力5


スキル ・妖精の祝福 ・飛翔 ・精霊魔法 ・黒魔法 ・竜鱗 

 

 多分理論値(理論上最も良い値)はこれだ。他にもあるが、合計値36が限度。スキルスロットは10個あるので、残りも埋める。


スキル ・妖精の祝福 ・飛翔 ・精霊魔法 ・黒魔法 ・竜鱗 ・長剣 ・蹴り ・投擲 ・武器制限解除 ・アイテム高速化



『種族スキルはスロットから外せません。宜しいですか?』

「はい」

『では、ごゆっくり』


 転移する――――――





 別に主人公だけの特権じゃないので、ステータスが高いキャラは作ろうと思えば誰でも作れます。しかし、スキルスロットを5個も永遠に埋めるので一長一短。何より、妖精の祝福に躓きます。彼は誰でも知っているしすぐ真似されると思っていますが、彼が妖精の祝福の効果を聞いたのはベータテスター伝いで、妖精の祝福が持つ効果は、ベータテスターの中でも一部しか知りませんでした。当然Wikiにも不記載。正規バージョンでは知ろうと思えば誰でも知ることが可能ですが、大抵がキャラメイク後でしょう。何らかの形で妖精の祝福の効果をキャラメイク完了前に知り、ハーフアンドハーフの効果も知り、それが重複できることも知って、なおかつこの両者を組み合わせられないかと考える。で、実行する。殆んど誰も作らなかったのはご都合主義ですか?


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