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家電屋さん

憧れの一人暮らしを始めることになった青年が家電量販店に買い物にきた。


青年

「やっぱ一人暮らしするなら洗濯機だよな!」


店員

「いらっしゃいませ、お客様。加湿器をお求めで?」


青年

「あ、いえ、洗濯機を買おうかと」


店員

「なるほど。洗濯機と加湿器ですね。かしこまりました、いいのをご紹介しましょう」


青年

「いや、加湿器はいりませんから! 洗濯機だけ紹介してください」


店員

「そうですか。では、こんな洗濯機がおすすめですよ」


青年

「普通の洗濯機ですね。聞いたことないメーカーですけど」


店員

「シンプル・イズ・ナンバーワンでございます」


青年

「そ、そうですか。シンプル・イズ・ナンバーワンね」


店員

「あ、いや、シンプル・ザ・ナンバーワンだったかな…。ちょっと待っててください、お客様」


青年

「いや、いいっていいって! そんなとこで悩まないでください!」


店員

「あ、やべ、混乱してきた。辞書辞書…」


青年

「いや、ほんと、英語の使い方とかで気にしたりしませんから! もっと大事なこと教えてください」


店員

「見苦しい姿をお見せしまして、大変申し訳ございませんでした。では、洗濯機はこれで決定ということで」


青年

「あ、はい。……あ、いやいやいや! 決定じゃないよ!」


店員

「洗濯機なんてどれも同じですよ」


青年

「家電量販店の店員が言うな!」


店員

「ていうか、もうこんなとこすっ飛ばして加湿器見に行きません?」


青年

「行かないよ! 加湿器いらないって言ってんじゃん! どんだけ加湿器売りたいんだよ」


店員

「しょうがありませんな。では、誠心誠意込めて洗濯機をご説明しましょう!!」


青年

「う、うん、よろしく。これなんかいい感じだけど、どうですかね?」


店員

「さすがお客様。目の付け所が我々凡人とは違いますな」


青年

「なんか、逆にバカにされてる気がする」


店員

「これはすごいですよ。洗濯物を中に入れてボタンを押すと洗濯が始まるんです」


青年

「全自動は全部そうだよね!!」


店員

「ただ、ネックなのは家庭用電源がないと動かないことです」


青年

「家電て、みんなそうだよね!!」


店員

「あ、これなんかどうです?」


青年

「なんですか、これ?」


店員

「加湿機能つき洗濯機」


青年

「どんだけ加湿器売りたいんだよ! 加湿機能いらないよ!」


店員

「これは、洗濯と同時に加湿も行う優れものでございます」


青年

「何をコンセプトに製造されたのかわかんないよね」


店員

「何をおっしゃいます、お客様。洗濯しながら洗濯機の中の湿度を保ってるんですよ、すごいじゃないですか」


青年

「そっち!? 部屋を加湿するんじゃなくて、洗濯機の中を加湿すんの!? 意味なくない!?」


店員

「はあ、そうですかね」


青年

「そうだろ! ていうかわかれよ!」


店員

「では、これで決定ということで」


青年

「なんでだよ! いらないよ!」


店員

「じゃあ、洗濯機能のない加湿器でも見に行きますか!」


青年

「普通の加湿器だろ、それ!」


結局、青年は最初に紹介された洗濯機と洗濯機より高い最新式の加湿器を買っていったという。



最後までお付き合いありがとうございました。つづきます!!

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