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七夕

7月7日。


ひこぼし

「おりひめ、見てくれ。オレ、ついに携帯電話買っちゃった!」


おりひめ

「なあにひこぼし、その小さいの」


ひこぼし

「携帯電話だよ、携帯電話」


おりひめ

「なあに、それ?」


ひこぼし

「携帯電話知らないの? これは、遠く離れていても会話ができる機械なんだよ」


おりひめ

「遠く離れてても? じゃあ、7月7日じゃなくてもひこぼしと会話できるの?」


ひこぼし

「そうだよ。これがあれば年に一度じゃなくたって、毎日おりひめと会話できるのさ」


おりひめ

「うわぁ……」


ひこぼし

「うわぁってなに!?」


おりひめ

「年に1回なのも十分すぎるのに、毎日なんていったら気が滅入りそう」


ひこぼし

「はっはっはっ、やだなあ、おりひめ。まるでオレがウザいみたいじゃん」


おりひめ

「……………」


ひこぼし

「否定しないの!?」


おりひめ

「あ、そうだ、それがあれば別にひこぼしと会わなくてもいいんだ」


ひこぼし

「会おうよ! 携帯電話あっても、会おうよ!」


おりひめ

「それ、他にどんな機能があんの?」


ひこぼし

「メールが送れるらしい」


おりひめ

「メール?」


ひこぼし

「手紙みたいなやつかな」


おりひめ

「Σ(◎Д◎)」


ひこぼし

「も、もしかして、おりひめ。7月7日をメールですまそうと思ってる?」


おりひめ

「いいじゃない。どうせ、七夕なんてただのお互いの近況報告なんだし」


ひこぼし

「違うよ! 愛し合う二人の逢瀬の日だよ!」


おりひめ

「セリフが超キモいんですけど…」


ひこぼし

「キモくないよ!!」


おりひめ

「っていうかー、無理やり他人に感動を押し付けるのはよくないと思います」


ひこぼし

「押し付けてないよ! 地上の人たちは僕らを憐れんでくれてるんだよ!」


おりひめ

「あたし、そんなに不幸じゃないし」


ひこぼし

「怒られるよ! 地上で短冊に願いを書いてる人たちに怒られるよ!」


おりひめ

「ああ、そうそう、なんで地上の人たちって七夕に願い事を書くのかしら。わたし、そんな力ないのに。マジウケる~」


ひこぼし

「その言い方、ムカつくからやめて」


おりひめ

「いっそ、地上に降りてみんなに言おうかしら。迷惑だって」


ひこぼし

「やめてよ! ものすごく好感度下がるから」


おりひめ

「あ、もう日が変わるわ。じゃあね」


ひこぼし

「ああ、おりひめ。最後に写メを撮らせておくれ」


おりひめ

「写メ?」


ひこぼし

「携帯電話って、カメラ機能もあるんだよ」


おりひめ

「うわあ、豚に真珠ね~」


ひこぼし

「もっとマシなコメントないの!?」


おりひめ

「早く撮りなさいよ」


ひこぼし

「はい、チーズ」


おりひめ

「(´Д`)」


カシャ


ひこぼし

「なんで変顔すんのさ!?」


天の川がキラキラ輝く七夕の夜でした。

最後までお付き合いありがとうございました。つづきます!!

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