ラジオ
豆知識:ラジオは、数秒間無音が続くと音楽が流れるそうです。(知らないけど)
DJ
「ラジオの前のみんな、こんばんナイツ。ラジオパーソナリティーのDJ羅字雄だぜぃ。今夜もパーッと一気に盛り上げていくぜ、イェーーー!!」
ゲスト
「こんばんは。ゲストの固苦やす子です。今日は、羅字雄さんのラジオに呼ばれました」
DJ
「やす子っちって、ラジオ聴くの?」
ゲスト
「まったく聴きません」
DJ
「あ、そう…。でもさでもさ、ラジオってすげーんだぜ! こうやって声だけでも元気を届けられる、オレはそこが魅力的だと思えるんだよねえ!」
ゲスト
「マイクに向かってバカ騒ぎをしてる人はあまり好きじゃありません。元気になるというより不愉快になります」
DJ
「あ、すいません…」
ゲスト
「続きまして、お手紙のコーナーです。羅字雄さん、どうぞ」
DJ
「お、おお。イェーーー! リスナーのみんなからの手紙が今日もいっぱい来てるぜ! 今日はゲストのやす子っちに読んでもらうぜい」
ゲスト
「わたくしが読むのですか? かしこまりました。え~、東京都にお住いの……え? なんです? ラジオネーム・小説家になろうよさん? なんですか、このふざけた名前」
DJ
「い、いや、やす子っち…、それ、ペンネームみたいなもんだから…」
ゲスト
「おふざけはおやめなさい。親からもらった立派な名前を使うべきです。いいですか、小説家のなんとかさん、あなたは手紙を送るのに、こんな偽名を使うのが正しいとお思いですか?」
DJ
「い、イイェーーーーイ! お手紙はオレッちが読ませていただくよん! ラジオネーム・小説家になろうよさん。『毎回、ラジオを楽しく聴いてます。』聴いちゃってくれてありがとでーす☆ 『実は最近、悩み事がありまして。』ええ? なにかななにかな?」
ゲスト
「不愉快です!! 手紙に対して、そうやって相槌を打つのは聴くに耐えられません。わたくしが読ませていただきます」
DJ
「あ、ちょ、ちょっと……」
ゲスト
「……………」
DJ
「まいったな。手紙取られちゃったよ。リスナーのみんな、ちょっと待っててね」
ゲスト
「静かにしてください」
DJ
「すいません…」
ゲスト
「……………」
DJ
「……………」
ゲスト
「……………」
DJ
「……………」
ゲスト
「はい、わかりました。お手紙の内容は拝見させていただきました」
DJ
「そ、そうかい。そいつぁよかった。この沈黙、マジたまんなかったぜい! で、なんて書いてあったんだい?」
ゲスト
「それは言えません。プライバシーに関わることです」
DJ
「い、いやいやいや、やす子っち。それじゃ番組にならないよ~」
ゲスト
「番組ですって? 恥を知りなさい! あなたは、番組のためなら人の悩みを公共の電波で流していいとでもおっしゃるの!?」
DJ
「い、いや、そういうコーナーだし…」
ゲスト
「この悩みは、わたくしの胸にそっとしまっておきます」
DJ
「いや、しまわれても…。じゃあ、せめて、解決策でも小説家になろうよちゃんに伝えてあげてよ」
ゲスト
「そうですね。このままじゃこのお手紙の方が可哀そうですものね」
DJ
「うんうん、可哀そうだよ~」
ゲスト
「では、わたくしから一言。『そんなの自分で考えなさい!!』」
DJ
「ええーーーーっ!?」
その後、このラジオ番組は打ち切りとなったという。
最後までお付き合いありがとうございました。つづきます!!