〜序章〜はじまりと始まり
男子は中学二年生になると大抵ある病気にかかる。
とても恐ろしく恥ずかしい病気
「中二病」
俺もその病気にかかったうちの一人であった、いや一人である。
俺はごく普通の高校生一年生。
顔は平均、頭は中の上ぐらい。
そして中二病のうちの一人である。
だが、自覚してるだけまだマシだ。
運動神経は良いですよ?中二病真っ盛りのときに無理矢理バク転とか練習したりしてたから今じゃあ華麗に出来すぎて特技になっている。
俺は漫画やゲームやラノベが好きで、特に異世界関連のものは大好きだ。
だから中二の頃から異世界に行くことを夢みているのだ。
異世界に行ってみたいです、もう二度と現実世界に戻れなくても良い、どんな異世界でも良い、とにかく異世界に行かせてくださいと中二から中三にかけて毎晩ベランダに出て祈ったものだ。
今考えると末恐ろしい事をしてたものだ。
だが、しかし今でも異世界に行きたいという願いは変わらない。
そんなある日の事、俺が下校途中のときだった。
俺の帰り道には地元の中学、商店街、住宅街があり、途中に大きな樹齢何千年にもなる木がある神社がある。
俺が帰り道を歩いていると、視線から少し右にずれたところにある神社の木が光って見えるように見えた。
その輝きは、時間が経つにつれて段々大きくなっていた。
しかし、違和感を感じた。周りの人があまりにも無関心すぎるのだ。
こんだけ眩い光が輝いていたら誰か一人ぐらい見ていてもおかしくないのに、誰も見ていないのだ。
おかしいなぁと思い、俺は木の方へ向かった。
そして木の根元に着くと、目が開けないほど輝いていた。
以前、他の人は全くもって無反応なので
まさか俺だけにしか見えてないじゃないかと、中二病独特の反応を見せつつ少しばかり不安な気持ちになっていった。
するとそこで謎の声が聞こえた。
「汝は、選ばれた…。さぁ、私のところにこい…。」
流石にぞくっとした。すると、心の中で愚痴をこぼす前にとてぬもない光に包まれていった。
気がつくと、俺は広大な原っぱの真ん中で寝ていた。